第14話

モグモグと、ラファエルが作ってくれた食事を済ませ、

勇之助は 明後日に迫った 試験へと、入念な準備に取り掛かった。


アッシュも、一緒に、体力作りに協力すると、2人で 魔王城の周りでも走ろうかという話になり、

走っていたのだが、


おやバカと化したクリスが


「勇之助様!そんな、夜遅くに、アッシュを連れては困ります」


とか、


「アッシュは、もう 私が面倒みます!」とか、



15年も親してなかった人が口煩く言ってくるって


「いやいや、クリスさん?アッシュは俺の右腕で、術者ですから

俺の直々の部下ですから、


親の介入は、ちょっと困る。


そんな、顔しても譲らないからね?


「酷いです!私からアッシュまで奪うおつもりですか!!!」




奪おうとしてんのは あんただろ!?


チラッとアッシュをみる。



若干困り顔の アッシュと目があった。



「父様、その辺にしておいてください。これは、僕の意思なんです。

僕、今よりもずーっと強くなりたいんです。だから、無茶させてください、絶対死ぬような事はしませんから ね?」



さすがに子供にまでお願いされたら



「くっ、アッシュがそこまで言うなら、耐えてみせる。イツノマニカ、オトナナッテ…ぐすっ」




あ、泣いたよこの悪魔。あれ?一応伯爵だよね強いんだよね?内面的には弱いのかな



「父様からの許可頂きました、これで思う存分 稽古できますね!朝から晩まで走り込みしましょう!!」



「朝から晩までは流石に次の日に響くよ」



「そうですよね、疲れますもんね」


「それに、そんな事したら クリスがうるさいしね」


横目に見れば ラファエルとクリスは2人でちびちびとお酒を飲む始末。



「あ、そうですね。」


なんとなく悟った アッシュである。

「アッシュの母様は、今は元気?」


「とっても。父様に出会った時のままなので僕と一緒にいると姉と弟に見られることがしばしですね」


「え、若いまま?」


「ええ、若いまま。永遠の20歳です。でも母様最近 音信不通で、確か

カントリーサイドに遊びにきていた ギルドに サモナーとして、アプローチされて、今はそのギルドの人達と冒険の旅に出てるんですよ!!」




「おおっ、アグレッシブルだな、その事はクリスは、」



「知りませんけど?どうゆう事か説明してもらえませんか?」

すっげードスが効いた声が 後ろから聞こえたと思ったら

殺気みたいなものも一緒になだれ込んできた。


さっきまでお酒飲んでた人の目じゃないよ?あ、人じゃないか




その、ギルドのエースらしき若者(男)が、マリアに一目惚れしたらしくて、無理矢理仲間にしたらしい。止めなかったのと、聞いたら


「母様に、というか、母様と恋人関係には絶対になれない 呪いというか、バリアといかそんなものが付いてるので。大丈夫かなと。

それに、もし万が一の事が起こったとしても 父様が止めに入るかなと」




「あのさ、アッシュさぁ、わざと言ってる?」



「ええ、というか父様 もう居ませんし。これで父様に邪魔される事なく聖騎士試験までトレーニングできますね!」



「やっぱ、お前怖いわ」


「賢いっていってください。それに、母様 がそろそろ父様に会いたいって言ってましたから。母様の願いも叶えさせないと」



僕は母様の笑顔が一番好きなんで



「そっか。ラファエル」



「稽古ですか?」


「そー、華憐呼んできて。一緒にトレーニングするから」



「了解しました。じゃあ、呼んできますね」




4人は聖騎士試験までの間魔王城内外で稽古を重ねていった。


翌日

隣国で、あるギルドに奇襲があったのは、言うまでもない。

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