第13話

「クリス、親子の対面中悪いんだけど、あそこで夕飯の支度をしている彼は いつからここに?」

クリスは、運ばれてきた料理を受け取りながら答える。

「ドーランのことでしょうか?彼は今日から働いて居ます。元々この城の総料理長なんですよ」


そうなの?料理長なんていたの?

「俺、この城の新しい魔王の勇之助です、宜しく」

勇之助は軽くお辞儀をした。


配膳をしていた 料理長が、それにすぐさま気づき、勇之助の近くに寄った。


そして床と対面しそうな敬礼である。

ここにいる魔族達ってどうしてこうも変なの?

「こちらこそ、勇之助様に会えるのを楽しみにしていましたので、デーモン伯爵様に起こしていただいて感謝してます」



デーモン伯爵??起こした?



「え?クリス伯爵なの?」


「あれ?申してませんでしたか?」

マリアの回想の時とか伯爵って言ってませんでしたか?


そんな、やっばぁっ…みたいな顔しないでよ。回想の時とか読み取れるはずないでしょ。


「ちょっと後出しジャンケンみたいに言うのやめてって言ってんじゃん」


クリスの言い訳がはじまった。


「なんというか、ここ最近の魔王様達は勇之助様のように骨のあるやつでは、なかったのでそこまで名乗るの必要性とか全然感じなかったというか、なんというか」


あ、めんどくさそうだな。


「ああ、そうなんだ。じゃあさ俺が魔王としての功績とか権力とかあったらというか作っていったら、クリス達は色々打ち明けてくれるわけ?」



「今よりは そうですね」


満面の笑みで即答された。まだまだ俺の知らない何かを知っているそんな笑顔。


「と、いうか!!デーモン伯爵はクリスと呼ばれてるのですか!?しかも下のお名前で!なんとも羨ましい!!」


急に割り込んで来た料理長は

やや、興奮気味に食いついてくる

挙げ句の果てに 自分の事も下のお名前で!と言ってきた。


「わかったよ、呼ぶから名前教えて」

やや、投げやりになりながらも相手の名前を聞く俺ってちょー優しい



「ドーラン ラファエルです!」


大天使の名前かよ!?


めっちゃくちゃ心の中で ツッコんだ俺がいた。


田中勇之助のツッコミスキルが1UPした

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