第10話

色々片付いた後、俺達は魔王城に帰ることにした。準備もあるしごはんたべたいし、寝たいし限界だったから。


「アッシュ、お前に伝えておきたい事が1つある。」


「はい?」


「華憐いるんだろ?こっちへ来い」


「お呼びですか!!勇之助様ぁぁぁぁぁぁぁ!」


耳元で叫ばれても困る。これだから若い奴は…



まあ、俺も若いけど。


「今度は人が走ってきた!」



「アッシュ、こいつが華憐(かれん)俺の術者の1人。そんで俺のボディーガード兼仲間」


「華憐、こっちがアッシュ、さっきガルアナ卿のバカ息子から買った 新しい術者兼、仲間だから、間違って攻撃とか禁止な」



「勇之助様、これ 人間ですよね?」


「そうだなぁ、人間だね。」


「まあ、城には、人間に危害があるような人物 居ない筈だし、多分大丈夫ですね、よろしく!俺 華憐」


「よ、よろしく。僕はアッシュ・ヴィルアル あのさ?君たちも人間でしょ?」

アッシュが不思議そうに聞いてきた。


「んー、俺は 大地の精霊だから、人間じゃないよ!」


と、華憐は当たり前のように答える。晴れやかだ。隠す素振りくらいしろ。


「せ、精霊ですか?珍しい」


「となると、勇之助様 私もバラしたらいいですかね?」


「んー。色々めんどくさい事になるのもあれだし、バラしちゃえば?まあ、クリスここにいる俺含め 4人を城内まで テレポートお願い」



「承知つかまつりーました!」

クリスの嬉々とした声が響いた。つかテンション無駄にたけぇな。


俺たち4人はあっという間に魔王城に 到着した。



「到着~いやぁ、外の世界はいいですねぇ、花純(かすみ)勇之助様がぁ、お帰りになられたゾォォォォ」




「華燐その呼びやめろよな、頭痛くなるわ」


「ええ、この方がすぐ呼べまっせ?」


なんだその喋り口調。


「まったく、まあ そうゆうことだ、アッシュ」


ポンと、その場で呆けている アッシュの肩を掴みそのまま中へと押し入れた。



「ゆ、勇之助さん」


「うん?」


「ここは、ひょっとして 魔王城ですか?」


「うん?そーだね」


「えっとぉ、もしかしなくてもここで様付で呼ばれてる勇之助さんは 魔王様ということで、すか?」



やべっ、アッシュの目 動揺してグルグルしてる。


「そー、なるかなぁ。うん。ほら証拠に じゃーん この耳も、この牙もー 」と、勇之助は帽子をぬぎ、とんがった耳をアッシュに初めて見せた。



うん、拒絶されそうだなー、

そうなったら、うん。クリスに記憶消してもらって、かなぁーと、クリスに目配せしようとしたら。

服をガッシリ掴まれた。




「す、凄すぎです!」



は?


「はい?」

「まさかとは思っていましたがあ、その通りとはわぁ!

うわぁ、勇之助さんが魔王様なんて!僕はどんだけ幸運なのでしょう~~!!クリスさん頬っぺたつねって下さい!」


ぐにっ



「痛い!夢じゃない!」


な、なにこの反応。えっ、えっ?いいの?


クリスをチラ見してら


かなり、ご満悦な顔がみえた。



「ふわぁ!やばいですー!これはやばいですー!」



なにがやばいの?



「アッシュって、魔族とか平気なん?」



「あっ、割と平気です。というか、僕 魔族とのハーフなんで」


超笑顔で 放たれた

ハーフ発言。爆弾投下とはこのことか


「なんの、ハーフとかは聞いてるの?」


「そうですねぇ、母さまが言うには 『超絶イケメンだったわぁーあの、鮮やかなコバルトブルーの瞳!あの華奢だけど、がっしりしている身体!そしてきわめつけは

確か、悪の総大将的な事を言ってましたねぇ、いやぁ 確か


そうです!

デーモン伯爵と母さまは言ってました!」



ん?なんかその名前 つい最近聞いた気がする。


「クリス、お前 デーモンだったよな?」



クリスは、少し赤くなりながら、



「やっ、ちょっ マリアに会いたくなる事言わないでよぉ~」



お前 今の今まで 普通の喋り方だったよね?どうしたの?顔赤らめる要素何処にあったの?ねぇ?



つーかマリアって誰だよ。



田中勇之助 ツッコミスキルが1UPした。


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