第9話
一次試験が終わり胸をなでおろすのもつかの間。
試験官の1人が メガフォン片手に次の試験内容を発表した。
『二次試験の内容を今から言う、
ここにいる者全員合格だが、次からは 覚悟しとけ!
次の試験は、3日後 同じ場所で行う。
試験の詳細は、着いた時に話す
以上だ!せいぜい次の試験で死なないよう身体を鍛えて置くんだな!」
はーっはっはっは と、高笑いが聞こえた。
この人、なんかあったのかなぁ。それともこれが普通なのかなぁ。などと、考えているとアッシュが声をかけてきた。
「勇之助さん、折り入ってお話が」
「どうした?かしこまって」
「僕、もうガルアナ家に戻りたくありません!と、いうか バカ息子と帰りたくありません!だから、お願いがあります!僕をどうか、術者として、雇ってください!!!」
「雇うのは、ちょっと。人手足りてるし」
「ガーン!」
声に出された
「雇わないけど、俺の大切な友人としてお預かりすることは可能だと思うから、その、ガルアナ卿だっけ?ええと、」
俺はクリスを呼んだ
「お呼びでしょうか?勇之助様」
あれ?脳内で呼んだんだけど、テレパスでも良かったんだけど、
「うわっ!?人が、いきなり現れたぁ?!」
そりゃあ、驚くよね。さっきまで何にも居なかったのにね
「まあ、いいや。クリスちょっと一芝居打ってもらってもいい?」
俺はクリスに耳打ちをする。
そして、アッシュにも協力してもらう。名付けて!『お前なんかいらない作戦~』
試験が終わり皆が帰宅しようとしている中
アッシュに、気付いたガルアナ卿の
バカ息子が 物凄い剣幕で近づいて来た。
「おい、アッシュ」
「ス、スティール様!!ご無事だったんですね!!」
「なぜ、俺様をあんなところに置き去りにしやがった」
「もう、誰も居ないと思って「うるさい!お前は俺の術者だろう?だったらお前は俺が危険な時ほど、俺を守るべき人物だ!そこんところ よーく、叩きこまねぇといけないみたいだなぁ?
ああっ?
アッシュが、バカ息子に絡まれてるのを俺とクリスは茂みからみている。
物凄い剣幕だなぁ。あれがアッシュの言ってたガルアナ卿の三男で、
スティール・ガルアナ か、
確かに顔 端正だけど 性格に難有りだな。お金持ちなら少しは使えるかと思ったけどそうではないようだし。
アッシュには一応 1回は叩かれた方がその後 やりやすくなるからって言ってあるし、もうそろそろ横で目を輝かせている
クリスが一芝居打ってくれるだろう
「落ち着いて、「うるせぇ!テメェみたいな落ちぶれはやっぱ、帰って父上にみっちりと説教してもらわないと、俺様の気がすまねぇなぁ!」
と、スティールが取り出したナイフが 勢いで 後ろにいた 人の頬に傷をつけた。
「んぁ?ナイフ飛んじまったわ、なんだおめぇ?ひでぇ顔だなぁ」
「酷いのはどちらです?これ貴方のナイフですよね?酷いでぇすねぇ、私の大切な、顔をこんなにも傷をお付けになっまのに、謝りもしない、なんて 不届きものなんでしょう?」
ニタリと、クリスは笑う。
「はぁ?そこに居たあんたが悪いんだろう?俺様を誰だと思ってんだ」
「誰です?」
「って、テメェ!俺様はなぁ、
ガルアナ卿の、三男
スティール・ガルアナ だ、どうだ驚いただろう?」
「ああ、あのど田舎の」
「ど、ど田舎じゃねぇし、つーか邪魔なんだけど、俺は今俺を裏切った罪人と話ししてんだよ」
「罪人、そうですか。では、その罪人 私に売ってもらえませんか?
貴方が私に謝らない代わりにその、罪人売ってもらえたら 今日の事は無かったことにできますが、金貨こんだけあれば足りますよね?」
スティール目が 動揺する。
「こんな、裏切ったやつ。いらねぇな、いいぜ、売ってやるよ」
「そ、そんな!僕はガルアナ家にもう、戻れないんですか?」
アッシュは、スティールの足元に泣き崩れる
「こっち来んな、テメェみたいなやつ。もう二度と俺様の前に表れるんじゃねぇ。ほらよ じゃあな、落ちぶれ」
「スティール様ぁぁぁぁぁぁぁ!!」
スティールが去るまで泣き崩れていたアッシュに、
「アッシュ殿、スティールの気配はもう無いようです。なので、もう泣かなくても大丈夫ですよ」
「本当?よかったぁー!一芝居ありがとうございます、クリスさん!」
さっきまでボロっボロに涙こぼして泣いてたよね!?
何その、晴れやかな笑顔
この子末恐ろしいわ!!
勇之助に新しい仲間が加わった。
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