【Verhör】

ここドイクス王国は4つの大貴族が各地を統治している。北のパーシヴァル家。東のトリスタン家。南のラモラック家。最後に西のアグラヴェイン家。

彼らは権力を理不尽に振りかざすような暴君ではない。


さっきの一件から1時間後、俺たちは合流した。オレンジヘアーの少女の様子からして、上手くやったようだな。


こいつらが言っていた「剣の紋章spade」は未知数だがこの紋章cloverと恐らくだが同じだろう。


さて、まずこいつらから何を聞き出そうか。さっきの様子からあの少女にかなり固執していた感じだ。なにか理由がないとおかしい。


「まず、お前らの目的はなんだ?」

「ハッそう易易やすやすと吐くかよ」

「吐かせる……と言ったら?」

「おいおい嬢ちゃんそりゃないぜ。俺たちだって死ぬのは勘弁だ」


手を縛られてなかったら両手をあげていただろう動作で息をつく男。

全く内側が読めないな。最悪の場合四肢をひとつずつバラしていくが…………そうする必要もなさそうだな。


「はいはい話す話す。俺達は雇われてんだよ」

「――雇われる?」

「そうだ。北のパーシヴァルにな」


パーシヴァル家に雇われてるだと……。北の大貴族パーシヴァル家といえば、あの軍領地で有名な北一帯を治めてる家か。

しかしなぜこんな少女を襲っていたんだ?たとえこの少女が高貴な身分だろうと、パーシヴァル家あそこは無理矢理捉えるなどしないはずだ。


「ああそうだ、お前名前なんだ?」

「わ、わたくしですか?私はフェリシネリア=シィ=アグラヴェインと申します」

「って、西のアグラヴェイン家のやつか!」

「ひぇっ」

「ジン、静かに」

「おっと、すまない」


フェリネシアの家名を聞き大声を出したせいで、フェリネシアが怯えている。

こいつがアグラヴェインの人間だとして、なぜパーシヴァルに狙われる……?



ああ、そういうことか。


「なぜお前らはアグラヴェインの家主じゃなく、フェリネシアを狙った?」

「そ、それは…………」

「はぐらかすな言え」

「は、はいぃ!そ、そいつらアグラヴェイン家に捨てられたんだよ」


………………捨てられた?あの善良な四大貴族がそんなこてするわけがない。まして、自分の娘を捨てるか?


「わ、わたくしは捨てられてなどおりませんわ!

き、きっと何かの手違いですわ!」

「手違いなはずがねえ。パーシヴァル家の人間がそう言った。だから俺たちはやったんだよ」

「そうか。もういい」

「お、おいレイ、こいつら本当に解放していいのか?」

「聞きたい事はきけた。俺達も先を急ぎたいからな」



奴らを解放し俺たちは次の街【光の街ルクセント】へいく。

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