カクヨム誕生祭大反省会

Planet_Rana

カクヨム誕生祭2020大反省会


ゴーグル青年「あー。あー。てすてす。レディースえーんどジェントルメェーンっ! 本日は『カクヨム誕生祭2020大反省会』にお集まりいただき誠にありがたいことだぜ! 会の進行は『最低なオチをお届けします。』よりゴーグル青年こと俺が担うぞ。名前はまだない。よろしく!」


男の子「おい、何故この阿呆が司会なんだ。精神年齢的に私が適正だろうに」


ゴーグル青年「作者曰く、適度にキャラが立っていない方が扱いやすいんだそうだ……しかしこの空間何だよ。さっきまで俺たち爆発オチなんてサイテーッ! って叫びながら吹き飛ばされてなかったか?」


男の子「地続きならば三途の川だろうなここは」


ゴーグル青年「知りたくなかった! SAN値check!」


男の子「1D6でダイスロール。出目1! ファンブル!」


ゴーグル青年「ギャアア!」


俺「楽しそうでなにより……」


男の子「ん、新参者か。名乗れ」


俺「俺の方が投稿日先何ですけど……『俺の節句の祝い方。』より、俺です。作中で折り紙してました」


男の子「他の作品と違い一言も話さないあれか」


俺「そうっすね。全編モノローグで俺がひたすら雛人形について語ってるだけの短編っす。いや、別に良いんすよ、俺には五月五日の菖蒲の節句が最高のお祭りとして待ち構えてくれてるんで……」


ゴーグル青年「会話させたらめっさ根暗っすね」


俺「家から出ない普通の大学生が主人公なんだから、対面で話せばこんなもんだろ。SNS上ならもう少し垢ぬけると思うけど……」


ゴーグル青年「普通の大学生は垢ぬけるなんて言葉は使わんでしょ?」


俺「サブカルチャーに嵌ればさもありなんって」


ゴーグル青年「さもありなん」


茶髪味噌「頭の中に味噌を埋め込まれたボクよかましだと思うよ!?」


男の子「急に参入して来たな。また新顔か」


茶髪味噌「いやいやいや『みそっかす』のボクらの方が投稿日先だから! ねえヨウくん!」


ヨウくん「うるせえ。……そういやあ、この『ヨウくん』って結局何君の略なんだよ」


茶髪味噌「知らない。初めて立ち上げしたときの保有ユーザーネームが『ヨウくん』だったんだと思われ」


ヨウくん「その時の俺こそ脳味噌入れ替えたい」


俺「皆してキャラ濃いな……俺なんかぼっちで折り鶴する寂しい大学生だぞ」


ゴーグル青年「俺だって、アイデンティティの大半をゴーグルに奪われてるぜ」


ヨウくん「台詞の語尾も安定しないよな、ゴーグル君は」


男の子「それはそうだ。我々は比較的短期間で執筆されたいわばネタの捨て駒、キャラクタの強弱出力をぶっ壊した結果生まれたのだからな」


茶髪味噌・ヨウくん「でもボク(俺)らよりは『爆発オチなんてサイテー』の方が制作時間長かったぞ」


ゴーグル青年・男の子「まじか」


俺「この中で一番時間かけて書かれたの、もしかしたら折り紙折るシーンかも知れないという(執筆が昼間に行われた)」


男の子「その割にはPVつかないな、そっちは」


俺「本文が1200文字ちょいだからな。あと、斬新な展開もないし、タイトルが地味」


ゴーグル青年「タイトルで3月3日を男性が祝ってるっていうのが伝わる時点で、読者の脳裏に浮かぶのは姫はじめだろうからな。内容はとてもしんみりする節句の話だというのに勿体ねえ」


俺「……姫はじめ?」


茶髪味噌・ヨウくん・男の子「!?」


ゴーグル青年「この大学生、まさかのピュアやった」


男の子「ごほん。野郎向けのネタが済んだところで女子諸君を投入したいが構わないだろうか」


俺「まあ、俺は構わないすけど、なんか腑に落ちないな……」


スパンコール娘「いいじゃない、それぐらい真面目な方が人生苦労できるよ」


俺「針子だけに針のような言葉が刺さる!」


スパンコール娘「苦労できるだけの人生を歩めてる幸福な人間が今更何を仰りますか。私の友達なんか中学で死んだんだよ? ありえなくない!? 今からが楽しい人生の暗黒期だって言うのに私を置いて自殺しちゃったよあはは!!」


ゴーグル青年「吐き出す言葉が真っ黒」


スパンコール娘「うるう年にちくちくやってた私の祈りを返せ! はい、私は『スパンコールのきらめきを』の君です!」


ゴーグル青年「くん


スパンコール娘「きみです!」


語り部『そしてあたしがモノローガー』


男の子「これで全員か?」


ゴーグル青年「そう……だな。全員そろい踏んだんで、そろそろ反省会始めようかなと思う」


男の子「そうか(ぬぽん)、では時計回りにいこうか。ほれ、そこの男子諸君から(きゅぽん)」


茶髪味噌「(ナチュラルに義眼を着脱してる)」


ゴーグル青年「まずは3月3日投稿作品『俺の節句の祝い方。』についてだ」


俺「えっ、俺っすか。……反省、反省といやあ、お題が難しかったんで王道に走ろうとしたのがいけなかった気が。王道に走ろうとして盛大にずっこけたのが分かる短編だし、そも一文目は作者が撮った写真のネタだし」


ヨウくん「てことは俺たちの産みの親って桃と梅と桜の見分けがつかないの? 嘘だろ」


茶髪味噌「サルビアとかカランコエとか、よく分かんないものばかり憶えて、肝心の身近な文化から距離を置いてる最たる例だね」


ヨウくん「カランコエは確実に花言葉路線の知識だろうよ。創作に向いてるしな」


俺「かくいう俺も、家からあまり出ないんで梅と桃の見分けはつかない自信がある」


ゴーグル青年「桜は見分けられるのか」


俺「サクランボの茎があるかないか、だろう」


男の子「成程」


スパンコール娘「えっ。サクランボって桜の実なの」


語り部『そだよ』


ヨウくん「食用の桜の木がちゃんとあるんだよ。それ以外でも実をつける品種の桜では鳥とかがよく食べてる」


茶髪味噌「ヨウくん詳しい! 流石生身の創作者の鏡!」


ヨウくん「ナウで脳味噌入れ替えてやろうか」


茶髪味噌「おやめください」


俺「他の反省点としては、そうだな。俺のキャラクタを提示する前に物語が終わってしまったぐらいかな」


スパンコール娘「それはどの作品にも言えると思う(←最たる例)」


茶髪味噌・ヨウくん・ゴーグル青年「右に同じ」


俺「正直、反省できる程作り込まれてない悲しみな。つべこべ言わず節句を祝え……」


ゴーグル青年「まあこれ以上はでないだろうという流れになったんで、2作品目、3月5日投稿の『みそっかす』に移るぞ」


ヨウくん「反省多いぞ。投稿も文字数もぎりぎりだったし」


茶髪味噌「そうだねー。会話が面白くないのはともかく、ペース配分を誤った悪い例だよ」


俺「ぎりぎりって言っても、総文字数は1500超えてるじゃあないか」


茶髪味噌「中身が問題なんだよ。味噌だけに」


スパンコール娘「そう? 意外なオチだったからショートショートとしては良かったと思うけど」


語り部『それがそう単純にはいかないのが現実なんだよね……』


ヨウくん「創作は作者のモチベ維持と読者の評価が全てなんだよ、お嬢ちゃん」


男の子「そうだな、投稿数分でPVがついた我々の作品とは違うのだよ」


ゴーグル青年「最終評価でブーメラン食らわないかその言い方」


男の子「今しか言えんから今言うのだ」


茶髪味噌「うわあ怖いね、味噌周りの演算処理装置が冷えそう」


俺「急にSF味」


茶髪味噌「ボク人間じゃないからネ!」


ゴーグル青年「さて、暖まって来たところで俺たちの番」


男の子「3月7日投稿の『最低なオチをお届けします。』だな。宣伝文句は『……爆発オチなんてサイテー!』だ」


俺「そういえば、どうして宣伝文句がそうなったんだ。ネタじゃ?」


男の子「ただのネタだからだよ」


俺「は?」


ゴーグル青年「この作品は執筆に3時間の余裕があったにも拘らず作者がSNSサーフィンを繰り返したせいで完成に至らなかった未完の小説なんだぜ」


ヨウくん「短編で未完とか目も当てられないな」


男の子「はっきり言って駄作だ」


茶髪味噌「それよりも、ナチュラルに君たちのキャラクタが他に類を見ない程濃いんだけどボクの気のせい?」


スパンコール娘「ゴーグル青年に義眼の男の子って、味付けミスった設定してるもんね」


茶髪味噌「野菜炒めに醤油入れ過ぎたみたいな」


スパンコール娘「まさしく」


ヨウくん「目玉取り外せるぐらいじゃあ俺の相棒には勝てないぞ」


ゴーグル青年「なんなら外さないで欲しいんですけど。いやまじで」


男の子「何故私に対する風当たりが強い、義眼は今の旬なのだぞ」


俺「その先は知る人ぞ知るでいいんじゃねえかと俺は思う……」


ゴーグル青年「同意見だ。つーわけで、最後は3月1日投稿の『スパンコールのきらめきを』だ。比較的長い時間をかけて制作された短編だな」


スパンコール娘「そうよ、比較的長い時間をかけて私は親友を失ったの」


俺「闇を感じる」


語り部『会えたぶんよかったんだけどなー』


スパンコール娘「反省点としては、スパンコールがどういう役目を果たすのか考えてなかったことかな」


ゴーグル青年「実際は海に物投げちゃいけないからってコーンスターチ製のプラスチックを調べたらしい」


茶髪味噌「ボクらの創造主ってそんなに適当なの」


ヨウくん「お前が人間じゃなくなってメインコンピュータが白味噌になったのも十割作者のせいだからな」


茶髪味噌「扱いが酷すぎないかい!?」


男の子「それはどの作品にも言えるな。ところで、そろそろ規定文字数を超えそうだから諸君に聞くんだが」


ゴーグル青年・俺・茶髪味噌・ヨウくん・スパンコール娘「?」


男の子「先程から顔を出している『語り部』とは、誰の事だ?」


語り部『やべっ』


ゴーグル青年・俺・茶髪味噌・ヨウくん・スパンコール娘・男の子「……」


男の子「『やべっ』とは何だ」


ゴーグル青年「え、何々、虚無に向かって話さないで欲しいんだけど!?」


語り部『あっははは。実は面白半分で三途の川まで引っ張って来ちゃったんだよね! お守りありがとう! それじゃあ皆、解散!』


男の子「――だそうだ」


ゴーグル青年・俺・茶髪味噌・ヨウくん・スパンコール娘「そんなオチってある!?」


男の子「……命からがら助かった! めでたしめでたし。だな」

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