第4話魂


お通夜である


今日は、金田先輩の普通なら鑑識に向かわせるが、もう、これでは鑑識しようがないらしい


金田さんは独り暮らしだ、母親も過労で10年前に亡くなっている


正座する連中

「、、、金田は一人暮らしでよかったな」

そうつぶやけなかった

なぜなら「親父」さんこと「向島」さんは、金田の恋人を知っていたから

「、、、アナタとうとう、私に結婚してとはいわなかったわね

       私はずっと待っていたのよ、ずーーっと40年間プロボーズを

ふふ、なにが落ち着いたらやるよ、私、もう若くないのよーー今更

今更アナタ抜きでどうしろというのよ」


ーー金田夫人、と呼ばれるような人だった

   金田は、別居婚をしていたわけじゃない

ーーー色を性を軽視して、仕事に取り組んだ、、それでも彼女に会いたいから会った

それでも、それでもさぁ

ーーーー救われないんだよ、、、金田は一生懸命やるやつだった

それは、親父以下組織の連中ならみんな知ってる

ーーーでも、金田はそれでも、どこか

「必死感がぬぐえなかったわね、、、いつも笑い顔して歩いてるような人じゃなかった仏頂面だった、、、ふふふ

ねぇあなたーー今度は早く会いましょうね、うーーんと速くあって、今度こそ

ーーー約束をしましょう、将来の約束」


ーーどこからか「潮騒しおさい」の音がする


ふわりと、金色に光る何かがやってきて「夫人」の顔をぬぐった

「、、、ふふふ、あなたったらやっと私を、、、きづかってくれたのね」


こくりとうなずくと、光る何かは消えていった

ーー別に、金田は気遣ってないわけではなく、気遣いが下手なだけなのだが

それはそれとして、「金田」の魂は降りてきた、、、いや、

これから「冥界」にいくのか


ザザーン、ザザーンどこかで海の音が聞こえてくる

    金田の生まれ故郷の海の匂いもする

「、、、さようなら」

ぺこり、金田は最後に一言だけ人姿で伝えて、、、去っていった

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