第3話 刹那の桎梏

 金銭感覚が狂うゲーマー脳味噌の妄想世界に溺れて、気づけば太陽も月も何度も地球を巡っていた。今日は1997年の何月何日か…金欠病で私は憔悴しきっている。


当たり前だ。手持ちもないのにゲームに突っ込んで金欠病で入院間近な精神の泥沼に嵌まりまくれば誰でも憔悴くらいはするものだ。自分の年も忘れた。


笑い仮面は自分自身という獲物の傷口をナイフの背で撫でる。まだ背だからいいようなものだ。こんな昏い迷妄の寒閨から抜け出して、洗濯用洗剤と日向の匂いのする方向へ歩こう。


虹丸が緩衝装置となって私を取り巻く一切の社会から、あるいは狂気に奔ろうとする刹那の桎梏となって、一切の現象から……私の邪な心から……私を守ってくれるかもしれない。


虹丸がこの世に存在するのは私が虹丸を認識できたからなのだ。認識とは実践の必要から生じると言う。此処で言う実践とは、虹丸の存在の必要性を検証する為の行為に他ならない。私は存在認識の為の実践などと訳の分からない言い訳を弄して逃避願望を実現させる気か……



換言すれば其れは還元するもの……


あはは……駄洒落だ。


還元するもの……アルデヒド……


ホルムアルデヒドのように

ポルノに還元するものかもしれない……




P小説作家の命題としては


?読者に性的興奮を与える

 はっきり言えば勃起させればOK


➁希望や喜びを与える

 人生訓じみた一行でもOK


?手垢のついた表現を避ける

 言葉は全て使い回しだ組み合わせろ


?既存の常識に囚われない

 世の中は変わる恐れるな

 

?新しい試みに挑戦する

 設定の見直し伏線どんでん返し



?アンチテーゼは明確に提示する

 読者を誤誘導しない


?其の他、今は思い付かない


?忘れたが重要なこと


こんな感じ……出来ていないがこんな感じだ。


テーマは大事だ。私のテーマは……



空気中に浮遊する細かな雑菌の如くの誹謗中傷者が、此の世に蔓延る蔓草となって蔓延する。蔓草を刈り取って、冤罪の兄達のために、妹はセーターを編んだ。蔓草のトゲで指先に血が滲む。其れでも編み続ける。そんな童話があった。タイトルはなんだっけ……


蔓延る蔓草が蔓延……


笑えない現象なのに漢字にすると可笑しい……



無能のテルテル坊主に興味はない。

構ってちゃんも迷惑だ。

私に性欲を向けるな。


顔のない構ってちゃんがぶつぶつ呟く中傷は、明らかな他人の声で、空気中に浮遊する微塵と共に忌まわしい。早く消え去れ……私の脳味噌に小声でちょっかいを出す悪意の輩達……お前達に未来はない。

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