第7回「LOVERS‼ 」/ 永遠❆氷食少女 様
※イベント内容にもあるようにこれは「分析→評価」の結果であり、決して作品を否定している訳ではないのでご了承ください。
「LOVERS‼ 」 永遠❆氷食少女 様
https://kakuyomu.jp/works/1177354054894587816
※恐らく中編以上の長さのお話だと思いますが、現時点でまだ六千字、恐らく起承転結の起の序盤くらいだと思うので……分析評価は長編小説の冒頭だとしたらどうなのか、と言う事を考慮して読ませていただきました。
と言う訳でかなり今回は短いですが、きっちり読ませて頂いております。手抜きと言う訳では決してありませんのでその辺りはご理解ください。
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1、物語の総論
・ターゲットは「十代から三十代の恋愛小説が好きな女性」
と判断しました。
・簡単な要約
「内気な主人公が勇気を出して恋愛へ踏み出す」
と考えられますが、現時点でまだ物語が転がり出していないので、最終的にはこの要約はかなり変化するものと思われます。(じゃあ要約いらないやろ、と思いましたが思考整理になるかなと思ったので、一応明記しました)
・物語の中で主人公が欲するものですが、
外面的には「恋人が欲しい」
内面的には「内気な自分を変えたい」
と、判断しました。
実際には恋人が欲しいもっと深い理由がこの後語られるかもしれませんが、現時点ではこんな感じだと思います。
これで行くと物語の見た目上では「恋人を探す」、ですが実質「内気な自分を変える」と言う事を軸に話が展開される事が予想されます。
恐らく作者様もそう言った道筋で物語を考えているものと思います(ですよね?)。
逆にそうでない場合、主人公の心の欠点をもう一度よく考え、それが物語の中で最終的にどう成長するかを考えてプロットを組んだほうが無難です。
(もちろん例外もたくさんありますが、大抵の小説は主人公が表面上や内面の問題を解決する課程の話がほとんどです)
・物語には敵が不可欠ですが、この作品には冒頭からわかりやすい敵が出てきます。
つまり恋敵ですね。最初からこれ以上ないくらいに物語の目的と敵が示されているので、読者が迷子になることなく読み進められると思います。
ただしそれは外面的な理由の敵(恋人が欲しい)なので、「内気な自分を克服」する事に対しての敵は男でも女でも、はたまた自分であるかもしれません。男がパリピっぽいので、内面の敵は男サイド、外面の敵は女サイド、と言う展開も面白いかもしれません。(孤立するパターン)
ただの恋愛物ではひねりがないので……孤立でちょっと思いつきましたが、初めは仲が悪い女性同士が和解して徒党を組み、男が女性陣の敵になる→最終的に恋人は得られなかったが親友ができた、内気な自分を変えられた、みたいな展開も面白そうですね(そう言う話だったらごめんなさい)。
・物語に登場するキャラには色々な役割がある訳ですが(わかりやすく言えば味方、敵、みたいな区分け)、まだ序盤なので誰がどういう役割になるかはわかりません。
もしかしたら決めているかもしれませんが、主人公の中で誰がどういった役割になるのか考えながら展開すると良いと思います。
ここで注意して欲しいのは主人公が成長する過程で必要のないキャラを削除、もしくは似たようなキャラを統合してしまうする事です。つまり物語の進行上居ても居なくてもどっちでも良いキャラは出さない方がキャラが薄くならず、スマートと言う事です。
しかし、この作品のような話はちょっと逆で……
物語の設定上人数を揃えないといけない条件があります(男と女の人数を揃える)。
なので、出てくるキャラクターにあえて意味のある役割を与えなければなりません。これは自由度が低いのでちょっとレベルが高いように感じますが、頑張って欲しい所です。
・物語は日常から非日常に行く事で展開されますが、この作品は沖縄(?)ですね。ここで紆余曲折逢って、成長し、主人公は日常へ帰って行く訳です。
(と、思わせつつ、このあと遭難などしてそこを非日常に持っていく展開もありですね)
・冒頭に述べた主人公の欲する物ですが、これを達成する為には大体何かが失われます。ベタですけど、少年漫画だったら仲間が殺されて(失って)その怒りから覚醒する(力を手に入れる)みたいな感じです。
主人公の「内気な自分を変える」事により、いったい何が失われるのか(大事な物です)。もしプロットにそれが描かれていなければ考えたほうがより深い物語になると思います。
・あとこれは余談ですが、最後に「つづく」と付ける作家さんはあまりいらっしゃらないので、なくて良いかもしれません。ない方が余韻も出ると思います。
総論は以上になります。
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2、各論
●プロローグ
若干の描写不足は感じますが、これ以上ない簡潔なプロローグです。と言うより、あとの話数の長さを見るとこれが一話としても良いかもしれませんね。
●1話
最後に「何もかもを見透かすような、魅惑的な瞳だった」とあるのでこのスタッフさんとなにかあるのかな、と読者に思わせなくもないです。もし伏線だとしたらやられた、って感じですが。
●2話
>この二人と並んだら、私は完全なる脇役だ。
主人公が劣等感を感じるのは物語的に良いですね。その後の困難にも合わせやすい上、読者の共感も呼びやすいので。
・ここでプロデューサー以外のスタッフが挨拶をしてきますが、物語に深くかかわらないキャラクターに名前を付ける必要はないので、カメラマン、と言う形で括って良いかと思われます。変に名前を与えると物語の進行上無駄が出てしまいます。
●3話
>両隣から聞こえてきたささやき声に、全身がぶるりと震えた。
こういった今後の波乱を予感させるのも読者の緊張感を煽るので良いと思います。もう少し主人公が怯えている事がわかるような描写があると尚グッドです。
●5話
物語の設定上キャラが一気に出てしまうのはしょうがないですが、少々展開を急ぎすぎかもしれません。もう少しスローペースにして、出来れば一人、もしくは二人を限度にキャラを紹介して行けると読者に印象的に映ると思います。一気に出すとそれぞれのキャラが薄くなってしまうので。
例えば空港で一人、現地に付いて一人。他のメンバーは全員現地入りしている事にして、家の外や違う部屋で一人ずつ対面する。と言う方が無難かと思いました。
●7話
既に六人出てきてしまっているので、一つのシーンに出すのは二人くらいまでの方が良いかもしれません。名前も特徴的と言う訳ではないので(佐々木とか)読者が覚えきる前にイベントを起こしてしまうのは勿体ないように思います。
最初はまだそれぞれの恋愛を起こすと言うよりかは、キャラの掘り下げ期間を設けましょう。
感情移入する前のキャラ達がトラブルを起こしたり悩んだりしても、読者の心に響かない可能性が高くなります。
文字数的に短くなりますが、各論は以上になります。
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3、作品の強み(弱み)や個性だと思う所(主観多め)
・良い意味でも悪い意味でも、かなりシンプルにシーンが進んでいきます。情景描写や心理描写が少ない印象を受けますので、もう少し地の文を意識して増やした方が良いかもしれません。
とは言え、あまり物語の主軸に関係のない事を書くのはお勧めできないので、難しい所ですが……。
・シンプル故に構造が非常に分かりやすいです。設定上物語が何処に向かおうとしているか割とはっきりしているので、サクサクと読み進める事が出来ます。
・一話がちょっとだけ短すぎる気もします(原稿用紙一枚に満たない時もある)。せめて千文字くらいは一話に落とし込んでも良いと思います。別ける意味が無くなってしまうし、一話ごとに読者を引き付けるようなオチを付けるのは大変な気もします。
以上です!
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最後に、再び申し上げますが、素人の分析や評価なので……気に食わない所があったら「高田はわかってないな……」くらいに思って頂けると助かります。
永遠❆氷食少女 様 素敵な作品をありがとうございました!
次の第回は、なはこ様の「人狩り」を拝見させて頂きます。
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