第20話 15の任務

 工藤は赤羽から与えられた恐怖の任務を思い出していた。任務の舞台は群馬県にある草津温泉だ。


 MISSION1

 工藤は地蔵の湯ってところにやって来た。

 獅子が現れた!刃物を通さない強靭な皮を持っており、工藤が弓矢を撃っても傷一つつかなかった。

 工藤は棍棒で殴って悶絶させ、洞窟へと追い込んだ。そこで洞窟の入り口を大岩で塞いで逃げられないようにし、3日間の格闘の末に絞め殺した。工藤は倒した獅子で鎧を作った。あらゆる武器を弾く毛皮は獅子の爪によって加工され、彼はその皮を頭からかぶった。


 MISSION2

 その蛇は西の河原露天風呂に棲んでいる。毎週金曜日は『混浴の日』だ。女好きの工藤はワクワクしていた。情報屋から聞いた話ではモンスターは9つの頭を持った水蛇である。触れただけで生きとし生けるものを絶命させる世界最強の猛毒を有していた。工藤は蛇の吐く毒気にやられないように口と鼻を布で覆いながら戦わねばならなかった。工藤は始め、鉄の鎌で蛇の首を切っていったが、切った後からさらに2つの首が生えてきて収拾がつかない。しかも頭のひとつは不死だった。愛知県警の管理官(警視)、武田良が蛇の傷口を松明の炎で焼いて新しい首が生えるのを妨げて工藤を助けた。最後に残った不死の頭は岩の下に埋め、見事蛇を退治した。

 また、この戦いで、赤羽が蛇に加勢させるべく送り込んだ巨大な化け蟹を、工藤はあっさり踏みつぶしてしまった。

 また工藤は蛇の猛毒を矢に塗って使うようになった。


 MISSION3

 草津温泉スキー場がある天狗山には牝鹿が棲んでいた。黄金の角と青銅のひづめを持っており、4頭の兄弟がおり、女神に生け捕られ、彼女の戦車を引いていたが、この5頭目の鹿は狩猟の女神をもってしても捕らえる事ができないほどの脚の速さを誇った。

 女神から傷つけることを禁じられたため、工藤は1年間追い回した末に鹿を生け捕りにした。その後この鹿は女神に捧げられ、他の4頭とともに戦車を牽くこととなった。


 MISSION4

 工藤が道の駅で買い物してると獣の咆哮が聞こえた。天狗山から下りてきた大猪だ。工藤は生け捕りにした。生け捕り自体はさしたる問題なく片づいたが、このとき、工藤は国際シンジケートの一条に助力を求めていた。

 一条が預かっていたシンジケートの共有していたウィスキーを工藤が飲んだ事により、シンジケートと争いになった。その戦いで、誤って武術の師である二階堂勇に毒矢を放ってしまった。二階堂は不死の力を与えられていたが、毒の苦しみに耐えきれず、不死の力を三井ウサギに譲渡して死を選んだ。この時に二階堂勇の不死の力を受け入れてもらうために、工藤が天狗山に縛り付けられていた三井ウサギを解放した。


 MISSION5

 大滝乃湯の近くに住む艮隆之介は3000頭の牛を持ち、その牛小屋は30年間掃除されたことがなかった。工藤は艮に「1日で掃除したら、牛の10分の1をもらう」という条件を持ちかけ、艮は承知した。工藤は魔術を使い、温泉♨の流れを強引に変え、小屋に引き込んで30年分の汚物をいっぺんに洗い流した。しかし、おかげでこの川の流れは狂ってしまい、たびたび洪水を引き起こすようになったという。


 草津の主、桐谷翼は、罪滅ぼしなのに報酬を要求したとしてこれをノーカウントにしたため、さらに功業が1つ増えることとなった。また、艮は約束を守らず、知らんぷりを決め込んだ。工藤はこのことを忘れず、後になって艮を攻略した。

 

 MISSION6

 工藤は草津フォレストステージにやって来た。全長約640メートル、最高点10メートル超。木々の間を渡り、縄梯子を登り、ジップラインで宙を飛ぶ。この森に棲む鳥どもは、翼、爪、くちばしが青銅でできていた。工藤はこの恐るべき怪鳥どもを驚かせて飛び立たせるため、最近子供が生まれた、幼馴染の勝村さとみヘーパイストスからとてつもなく大きな音を立てるガラガラを借り受け、音に驚いて飛び立ったところを毒矢で射落とした。また、矢が効かないので彼に襲い掛かってくるところを、1羽ずつ捕らえて絞め殺した。


 MISSION7

 桐谷翼を罰するために赤羽の送り込んだ牡牛を生け捕りにした。この牡牛は田中芽郁って少女の父親であり、半獣人だ。美しいが猛々しく、極めて凶暴であった。工藤は桐谷に協力を求めるが拒否され、結局素手で格闘してこの牡牛をおとなしくさせ、地蔵の湯の近くにある監獄まで連行した。


 MISSION8

 桐谷翼は残忍な裏の姿を持っていた。旅人を捕らえて自分の馬に食わせていた。


 カメラマンの清原萌音はスクープを撮るため、工藤を追跡していた。コンウォール・リー頌徳公園にやって来た。

 工藤は桐谷を逆に馬に食わせてしまい、馬は生け捕りにした。

 工藤の仲間になった田中芽郁は、工藤の後を追いかけた。工藤が馬を奪った後に、赤羽は緑川信子って女戦士を派遣させた。緑川が軍勢を率いて馬を奪還しようとしたため、工藤は田中芽郁に馬の番をさせて戦いに出かけた。緑川を戦いで殺害し帰ってくると、田中芽郁は馬に食い殺されていた。


 MISSION9

 工藤は草津熱帯園にやって来た。

 草津熱帯圏は、日本で最も高い所にある動物園。日本一の爬虫類の飼育種である。温泉熱利用。1970年に開業し、園内では亜熱帯や熱帯地方に生息する野生動物達が専用の檻や柵で飼育展示されている。日本の動物園のほとんどが国・自治体・大企業の傘下で運営される中、数少ない民営の動物園である。皇太子徳仁親王、秋篠宮文仁親王一家などの有名人が訪れた事がある。


 過去に一世風靡をしたエリマキトカゲとカブトムシ最大の種類ヘラクレスオオカブトが日本で初めて公開されている。約250種1000頭の動物を飼育されているがゾウ、キリン、ライオン、トラなどの大型動物や猛獣は飼育されておらず、主に飼育されている動物は哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、魚類、節足動物などが飼育されているが、特に爬虫類の飼育数は日本で最も多い。

 園内は大きくわけると昆虫館・熱帯大ドーム・屋外展示の3ゾーンがある。


 🐞昆虫館

 主に珍しい蝶の標本展示と日本の水生昆虫、世界のカブトムシ、クワガタ、節足動物の飼育展示と昆虫達の写真が飾られている。


 🌴熱帯大ドーム

 草津温泉の熱を利用したこの大ドームは階層構造で熱帯地方に生息する野生動物達が飼育展示されており、ドームの中は高さ15メートルでトロピカル・ジャングルのように熱帯植物が生え茂り、熱帯に暮らす多種多様な動植物達の楽園となっている。


 ワニ池

 フラミンゴ池

 トカゲ・リクガメゾーン

 哺乳類ゾーン

 両生類ゾーン

 ヘビゾーン

 カメゾーン

 ワニガメ池などがある。


 桐谷翼の娘、桐谷愛が滝の前で待ち受けていた。

 工藤は部下の伊吹ウナギらの勇士を集めて敵地に乗り込んだが、交渉したところ、桐谷愛は強靭な肉体の工藤達を見て、自分達との間に丈夫な子を作ることを条件に結婚指輪を渡すことを承諾した。

 ところが、愛の側近の江波治が愛の側近を「工藤が愛を拉致しようとしている」と煽ったため、愛の部下たちが工藤を攻撃した。工藤は最初の甘言は罠であったと考え、愛を背後からロープで絞め殺した。


 MISSION10

 赤羽は影山京太って部下に工藤を始末するように命じた。

 影山の飼う紅い牛を求めるのだが、影山は、蛇女が勇者・工藤圭佑(工藤雅也の父)に殺されたときに血潮とともに飛び出したときの息子で、草津の地下にある帝国に住んでおり、常人は行き着くことができなかった。


 工藤が太陽の熱気に怒り、太陽神に矢を射掛けたため、太陽神は、その剛気を嘉して黄金のシャベルを与えた。黄金のシャベルで土を掘り進め、工藤は帝国にやって来た。

 帝国では犬神が牛を守っていたが、工藤は犬神を棍棒で打ち殺して、紅い牛とともに牛の群れを奪った。そして牛を奪い返さんと追ってきた影山を射殺した。


 工藤は冒険の途次、地下帝国を去るとき『工藤の柱』を残した。


 MISSION11

 母親の居場所を知らない工藤は、清原萌音と取っ組み合い、これを捕まえた。萌音は怪物や水、火などに変身して逃れようとしたが、工藤が捕らえて離さなかったため、やむなく『不死身になるアイテム』が眠る場所を教えた。黄金の林檎は百の頭を持つ竜が守っていたが、工藤はこれを倒して林檎を手に入れた。


 MISSION12

 工藤は町外れにやって来た。湯治に来て亡くなった人の無縁仏が多数ある。古いものでは明治年間の墓石もある。

 3つの頭を持つ犬の化け物が現れた。

 工藤は清原萌音から『傷つけたり殺したりしない』という条件で許可をもらい、魔犬を生け捕りにした。その際、黄金の林檎を略奪しようとし、『忘却の椅子』に捕らわれていた猪八戒と沙悟浄を助け出した。

 また、地上に引きずり出された魔犬は太陽の光を浴びた時、狂乱して涎を垂らした。その涎から『蘇生薬』が造られた。


 MISSION13

 青葉健一は、青葉波助と友里恵の息子であり、大地に触れている間は無敵の力を得ることができた。彼は通りかかる旅人に戦いを挑んでは殺し、その髑髏や持っていた宝物を父、波助の神殿に飾っていた。彼は、温泉地の中央に湯畑を眺めていた工藤にも戦いを挑んだ。工藤は何度も青葉健一を打ち倒すが、その度に復活し、力が無限に増す青葉健一に苦戦を強いられた。

 最終的に、工藤は大地に触れていなければ無限の力が得られないという彼の弱点に気付き、工藤は青葉健一を持ち上げ、そのまま彼を絞め殺した。


 MISSION14

 草津白根山にいる青葉波助に死期が迫った時、その妻の友里恵は、死に瀕した夫のために命を投げ出した。波助が死ぬ時、家族の誰かが身代わりになって命を落とせば、彼は死なずに済むという約束を運命の女神と交わしていたからである。

 草津白根山は標高は2,160メートル。正式名称は白根山であるが、他の白根山と区別する必要のある場合の名称として地域名「草津」を冠した草津白根山の名で呼ばれる。また、近隣の逢ノ峰と本白根山を含めた三山の総称とすることもあり、この場合は標高2,171メートルの本白根山が最高峰となる。

 この時、工藤が通りかかり、事の次第を聞いて、正義感から友里恵を死なせてはならないとして彼女の霊魂を追った。友里恵は死神によって冥界に送られるところだったが、工藤はその腕力で死神を打ち倒し、彼女の魂を奪い取った工藤のおかげで友里恵は生き返り、運命の女神との約束によって波助も生き長らえることができた。

 この任務の直後、赤羽は不慮の死を遂げ、最後の任務は頓挫し、息子の居場所も分からないままだった。


 草津温泉はヤマトタケル(日本武尊)、行基、源頼朝が開湯したとの俗説(開湯伝説)があるが、同時代の記録(碑文や文書)に草津温泉を起想させる内容は見られない。


 上州草津の温泉について今日まで伝えられている最古の記録は、戦国時代前期の事柄について当時より後世の人物が記したものである。それは文明4年(1472年)、信州西厳寺住職の招きで浄土真宗本願寺派第8世宗主・蓮如が越前吉崎(現・福井県あわら市吉崎)の吉崎御坊より来草して布教したというものであるが、係る記録は他の記録と年号が食い違っているうえ、後世に記したものであるため、真偽のほどは定かでない(草津温泉温泉観光士講座より抜粋)。ともかくも、史料として既知で最古の例である。


 戦国時代には湯本氏が文献に多く登場し、草津の湯治客からとる湯銭を武田氏配下の真田氏に納めたり、草津や白根で採れる硫黄を戦国大名に贈ったりしている。文禄3年(1594年)10月には大谷吉継が湯治で滞在していることが確認される。豊臣秀吉が徳川家康に草津入湯を勧めた書状なども伝わっている。真田信之の保養法は、湯治と信濃の自然鑑賞で、療養や江戸詰めの後などにしばしば草津温泉を利用している。効能を熟知していたとみえ、知人らにも勧めて幕臣の島田利正が湯治を計画するや、その面倒をみている。太閤・豊臣秀吉は文禄4年3月(1595年の4月か5月)に草津湯治の綿密な計画を立てるほどの温泉好きであった。


 なお、草津温泉の由緒として『吾妻鏡』によると、建久4年8月(1193年9月頃)に源頼朝が浅間山で巻狩りを行った際に、木曾義仲の遺臣で義仲遺児を匿って草津に潜んでいた細野氏を見出し、湯本の姓を与えて草津の地頭とし、以後、湯本氏は温泉経営をもって北条・足利に仕えた」とよく云われているが、『吾妻鏡』にそのような記述は無い。近在の人に自分の権利を認めさせるための作り話しであろう。


 MISSION15

 五藤に憑依してる赤羽は、工藤を草津白根山にテレポーテーションさせた。

 山頂付近は白い山肌が広がっているのが特徴であるが、1882年の噴火以前は火口付近まで緑が広がっていたという。山頂付近には複数の火口湖が形成され、湯釜、水釜、涸釜と呼ばれている。かつて、山腹にはいくつかの硫黄鉱山が存在し、鉱山跡が現在も残っている。

 

 湯釜は、直径約300メートル、水深約30メートル、水温約18℃の火口湖である。pHが1.0前後であり、世界でも有数の酸性度が高い湖と言われている。これは火山ガスに含まれる塩化水素や二酸化硫黄が水に溶け込み、塩酸や硫酸となったためと考えられている。湖水は白濁した青緑色を呈する。湖水に溶け込んでいる鉄イオンや硫黄などが特定の波長の光を吸収するため、このように見えると考えられている。


 湖底や沿岸には硫黄が沈殿しており、戦前から1960年頃まで鉱山会社によって採取されていた。同時に噴気孔から噴出する硫黄分を含む蒸気からの硫黄採取も行われており、湖岸には硫黄運搬用のトロッコやリフトが敷設され、事務所や作業所が立ち並んでいた。噴火にともなう高温の蒸気や火山性ガスによって鉱山労働者に死傷者が出ることもしばしばあったという。


 火口縁には湯釜を望む展望台が設置されている。

 工藤は劣化の進む妻に愛想がつき、アイドルの黒石麻衣に求婚していた時、水の魔術を使う事のできる赤羽も黒石麻衣に求婚をしていた。両者は麻衣を巡って、白根山山頂で激しい戦いを繰り広げた。赤羽は濁流を打ち付け、鳥や蛇など様々な姿に変身し工藤を翻弄したが、雄牛の姿になったとき、片方の角を工藤に折られてしまった。赤羽はその腕力に降参し、その後は赤羽は川底で傷口を癒した。


 河の神に勝利した工藤は黒石麻衣と結婚することになり、浩之も赤羽から取り戻した。

 一時、赤羽は大人しくなったが、傷跡を思い出しすと、この戦いでの敗北を思い出し、怒りのあまり各地で洪水を引き起こした。

 

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