5.女子の言う可愛いは信用できないが自画自賛する場合は例外か?その2

「そうわかっていても恥ずかしいものは恥ずかしいんだよ! 仕方ないだろ、人間には理性のほかに本能って機能があるんだから!」

「そうですか、まぁここで何を話しても事実は1ミリも変わらないんですけどね」

「そうだけども…………。」

「まぁ、とりあえず約束してるんですから先輩は雪先輩と下校デートを続けてください。今後どんな展開で先輩を操るかは考えてありますから今はじっくりと雪先輩との仲を深めてください」

「操るって、言い方もっとあるだろ!」


この女はいちいち言葉を節々に毒を混ぜないと死んでしまう生き物なのかっ! と思うほど一言一言が心に突き刺さってくる。


「ずいぶんと盛り上がってるのね!」


 不意に後ろから声が聞こえてきたので振り返って確認してみると、そこにはおっぱいがあった。……失礼、黒髪ロングの巨乳女子が不機嫌そうに腕を組みながら目線をそらさずジィ~と俺たちのことを見ていた。

 胸の下で腕を組むポーズ最高です! さりげなく胸を持ち上げている巨乳の存在感を際立出せているところなんて……『ありがとうございます』の一言に尽きる。


「私に気にせず話を続けて、ずいぶん盛り上がっていたじゃない佐倉さんと!」


 佐倉さんの目がきゅぴ~んっと光るのを視界の隅でとらえた。

 いったい今の言葉から何を受信したのだか。


「も、盛り上がってたなんてとんでもない、普通に話してただけですよ!ねえ佐倉さん!」

「ひ、ひどいです~、あさひさん。それって私との会話がつまらなかったってことですよね」

「そんなことない!面白かったよ。………たぶん?」

「なんでそこにはてなマークがつくんですか、やっぱり………」

「いや、違うって。楽しかったって」

「なにが盛り上がってないよ!今だって十分盛り上がってるじゃない、私を仲間外れにして!」


 もうわけわからん、佐倉さんは唐突にネコ被りモードになって泣きそうな演技をしてくるし、宝生先輩ははじめっから何故か不機嫌だし、反抗期なのか?


 結局、この重苦しい雰囲気は一日中続いた。

途中俺が提案したダウトというトランプゲームで宝生先輩が俺に対して「ダウト」をコールしまくり連敗してさらに空気が重くなったことを除けばおおむね普段通り部活動(化学関連のことは一切してない)は終わり下校した、当然宝生先輩と一緒に。

今回は何故か佐倉さんが後方の物陰から俺たちの下校デートをのぞき見して、無料で通話やチャットができるアプリでリアルタイムにアドバイスという名のお節介をしてきた。

 あれ、はたから見たらストーカーに見えるんじゃないか? と考えちらっと佐倉さんのほうを見ようとするとヴヴヴっとポケットに入れていたスマホから振動を感じ、スマホをポケットから半分程度だしさりげなく送られてきたメッセージを見る。


『美少女は多少不審な行動をしてもストーカーになんて勘違いされません!』


 なんで、俺の思ってることわかるんだよ、まだそっち見てないじゃん、見ようとしただけじゃん。

 そんなこんなで今日の宝生先輩との下校デートはスマホから横槍を入れられながらも楽しい時間になった……っと思う。

 まだ、周りに人が来ると恥ずかしくなった話が途切れてしまうことがあるが少しずつ慣れていこうと思う。

だから今は毎日宝生先輩のおっぱいが上下にゆさゆさと揺れるのを近くで見れる喜びを………ゴォォホ、ゴホゴホ………失礼、毎日宝生先輩と下校デートができる喜びを存分に味わっておこう。

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