第5話 禁断の森


一頻り撫でで満足したのか、レイは話を始めた。


「さて、本当に、ほんとーに色々な事を君、、、あ!カムイって呼ぶね!カムイに教えなきゃだねぇ」


ニコニコと、まるでお日様の様な笑顔でレイはこの世界の事を教えてくれた。



人種やエルフ、ドワーフが住む大陸はおよそ三つ。

アズファル大陸 メドロア大陸 プラウド大陸

僕たちが居るのはアズファル大陸みたい。

その他にも大陸はあるが、『広過ぎる』この世界はまだわからない所が沢山あるらしい。

あ、魔族が住む大陸もあるよと、レイは思い出したかの様に語った。


「あいつら面倒いんだよ、しぶといし、、、」

と、なにやらぶつぶつ言っていたが、よくわからないので聞き流した。


そして、どの大陸にも居る魔物。

レイが言うには僕の居た世界みたいな動物はいなくて、代わりに魔物しか居ない様だ。

でも、温厚な種もいて、牛?みたいな家畜もいるらしい。

レイもあんまり詳しく無い様だ。


世界にはマナと精霊が満ちていて、魔法とかスキルってのがあるらしい。


魔法は専用の道具で検査しないと適性がわかんないらしくて、僕がどの適性かはまだわからない。その内とってくるらしい。


主な魔法適性っていうのが、

火 水 風 木 土 雷 光 闇

の8属性。

たまに時とか珍しいのもあるらしい。


レイは水 風 雷 光 時

の五つの適性有るとの事。これはとっても珍しいと、レイが自慢げに、、、ドヤ顔で言って来た。

僕はほんのすこし、イラっとした。


そして、レベル

上限は無いらしいんだけど、大体は50も有れば強い方で、100もあれば人間辞めてるレベルで強いらしい。

どのくらい?と聞くと、「地図書き直すくらい」と言っていたが、よくわからなかった。

多分ドヤ顔すると思ってレイのレベルを聞かなかったけど、何故かドヤ顔してた。

僕は何も思わない事にした。


それから、スキルと加護


大体5レベル刻みで増えるらしくて、有名所だと、身体能力上昇とか魔力上昇

あとは剣術とか槍術とか戦闘用とか、商売とか楽器が上手くなるスキルなんてのもあるらしい。

人それぞれスキルは違うらしくて、迷宮にたまに手に入る宝珠を使うと、狙った物が手に入ったりもするらしい。


加護はその土地神とか信仰してる神様がくれるんだって。恩恵はレベルが上がった時ステータスが上がりやすくなったり、単純にあがったり、スキルや魔法に適性がついたりするみたいだ。


僕のはとても珍しいというか、レイは見たこと無いスキルと加護で、恐らくスキルは精霊に好かれやすいのと、精霊魔法で有利になるっぽいと言われた。

加護はレイが言うには僕の前の世界の神様で、この世界では聞いたことが無く、効果が分からないらしい。


どうしてステータスがわかるの?と聞くと

鑑定スキルをもってるらしく、それがあると解るみたい。レベル差があると見れなくなる事もある様だ。


通常は自分のステータスは見れないみたいなんだけど、冒険者ギルドに登録すれば貰えるステータスプレートがあればいつでも確認出来るらしい。


今度色々とってくるとレイは言っていた。



「とりあえずはこんな感じかな?どうだい?少しはワクワクしたかい?」


僕はその言葉に照れながら


「うん」と小さく頷いた。


そしてレイがあぁ、それからと

「これから、とりあえずカムイの今の歳の成長限界までレベル上げがとりあえずの目標だからね。この世界は危険に満ち溢れている。カムイは、、、大丈夫だと思うけど、最低限『強さ』は必要だからね」


まだまだわからない事だらけだけど、僕はレイの事を信じ始めている。

そうするしかないのもあるけど、あの柔らかい手が、暖かさが胸に残っているから。



「あ、、の、ここはアズファル大陸のどこなの?」

少し気になったので、レイに聞いてみた。


「あっ!忘れてた。ちょっとまってね、地図を出すよ。」


乱雑な物置をガサゴソして、ホコリで咳き込みながらレイは大きな地図を持って戻って来た。


「真ん中がアズファル大陸 右がプラウド 下がメドロアだよ。色んな国があるけれど、これは古い地図だから色々変わってるかも知れないね。人の国はすぐ争うから。」


最後、レイは悲しそうな声で言った。


「で僕たちが居るのが此処」


と細くて長い指をアズファル大陸の中でも、周りに国なんて一個もない、しかも山に囲まれた広大な土地を指差して


「禁断の森。アルフの深き森さ。」


と謎のドヤ顔で言い放つのだった。


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