第十三節、部活動開始

四十六、遠山の金さん、部活を始める

ある所に遠山の金さんが居ました。

遠山の金さんは頑張って仲間達と共に教室を綺麗にして部活を創りました。

それはピカピカの教室です。

そして遠山の金さんは言います。

部活ってこんな暇だっけか?と、です。

そうです、遠山の金さんの部活はとっても暇だったのです。

おしまいおしまい。


.....的な感じだが。

何だろうか.....そんな物語を創れる程、暇なんだが。

困るだろうよこれ。


「.....暇だ」


「.....だね.....」


そうしていると、まぁまぁ、お茶でも飲みませんか。

と、どっから持って来たのか知らないがポットでお茶を淹れ出す美帆。

俺は.....それを見ながら溜息を吐いた。

片した教室には美帆、俺、虹の三人が居る。

俺達はそれぞれで役割分担し、看板などを作った。


神楽と長谷川と平山先生は今日は忙しく来ない事になっている。

平山先生は仕事はやってくれている様だ。

そして.....残された俺達で取り敢えずだがチラシ配りで宣伝も今日した。

のだが周知がされてないせいか。


はたまたは拡散力が低かっただけか。

俺達の宣伝とは裏腹に誰も来ない。

困ったもんだな。


「.....もー.....何で来ないのかな」


「そういう日も有りますよ。.....この間にもう少しだけ片しましょうか」


「.....そうだな。そうして時間を潰すか」


そして俺達は立ち上がる。

この部屋の構造。

目の前に黒板、後ろに黒板。

それは好き勝手に使って良いらしい。


そして.....左の方に窓が有りそして右の方には廊下が見える。

その廊下の奥は行き止まりで段ボールが積まれている。

そしてその廊下の前の辺りに看板を置いて。

更に.....段ボールのせいで暗く感じるので、この部屋のカーテンが有ったのでそれを開けた。


この部屋に積まれていた机、椅子などは必要最小限だけ貰い出して。

そして.....ポットやらお茶菓子やらを置いている。

つーか良いのかこれって。

と思ってしまう。

因みに.....美帆は何かをまだ持ってくる気でいるみたいだが。

良いのかこれって.....。


「片付けるよ。手伝って。とーくん」


「.....分かった分かった」


そして.....机をも.....重い!

とよろめいてしまい。

虹にぶっ倒れ.....しま.....!?

きゃ!?と虹が言う。


「.....ああ.....すまん。虹.....?」


ぶっ倒れた後に起き上がると.....虹の胸を.....触っていた。

俺は赤面した後に.....青ざめる。

虹は、どうしたの?とーくん、と話し。

俺の行為を見て.....直ぐに胸を隠す仕草をした。

そして少しだけジト目をする。


「.....虹。不慮の事故だぞ。良いか」


「.....へ、変態.....だね。とーくん」


「.....」


俺のせいかこれ.....。

こんな日常が続くのか.....。

背後から美帆に叩かれながら.....思った。

今の時刻は16時45分だが。

取り敢えずは17時までがタイムリミットだな。


「.....先輩のエッチ」


「.....俺のせいかこれ.....」


「.....もー。.....よく無いけど.....良いとして。.....取り敢えず.....誰も来ないからまた周知の活動をした方が良いのかな」


虹は顎に手を添える。

そうだな.....確かに誰も来ない。

思いながら.....居るとノックが聞こえた。

俺達は顔を見合わせながら.....答える。


「.....はい?」


「.....ああ、俺だ。長谷川」


「.....何だお前かよ」


「あはは。御免な」


そして長谷川が入って来る。

何時もの和かな顔をしながら、だ。

俺は.....溜息を吐きながら見つめる。

すると長谷川は.....何かを取り出した。


「.....俺の知り合いが困っているんだけど.....やるか?仕事の依頼だけど」


「.....え?マジで?」


「ああ。俺の知り合いの.....委員なんだけど部屋を片して欲しいって。明日でも良いけど」


「流石は長谷川くんだね.....色々やってくれて有難う」


プリントを見せてくる、長谷川。

それを読んでみる。

所謂、生徒会室の.....空き部屋の掃除の依頼票の様なものだった。


つうか、何時も助けられてばかりだな。

って言うかソイツは訪問してくれりゃ良いのによ。

そういう暇は無いのか。

思いながら.....長谷川に向く。


「.....時間遅いしな。明日でも頼む」


「.....お前に助けられてばかりだな。すまん」


「君は友美を預かってくれている。それだけ.....重要な人だからな」


「.....友美ちゃんは余り関係無いだろ.....」


十分に関係有るさ。

だって.....とそこまで言ってから。

口を噤んだ。

そして長谷川は苦笑する。

俺は.....息を吐きながら.....長谷川を見る。


「長谷川。家の件は大丈夫か」


「.....俺?.....そうだな.....親父もお袋も.....取り敢えずはまあまあだな」


「.....なら良いけど」


「.....少なくとも友美.....に危害を加える真似はしない様だ。.....君の家で匿ってくれているのが助かってるよ。ハハハ」


長谷川は.....目が笑って無い。

相変わらず複雑な家庭環境の様だ。

俺は.....頭をガリガリ掻きながら長谷川を見る。

そして言葉を発した。


「.....依頼受ける。暇だしな」


「.....お。マジか。じゃあ.....頼む。.....相手の名前は.....中川富賀(ナカガワトミカ)って言うから。宜しくな」


「.....トミカ.....」


トミカ、トミカ、プ○レールってか。

何でそんな名前なんだよ.....。

思いながら皆んなを見る。

皆んな、良かった〜、的な感じの顔をしていた。

このまま依頼無かったら意味無いもんなこの部活の存在意義.....。

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