二十九、遠山の金さん、デート・ア・ラ○ブになる

そもそも何故に水族館.....?

思いながらも俺はあっちやこっちに導かれながら。

五駅先の水族館までやって来た。


この街は都会な感じの街だが.....水族館が有るとは知らなかったぞ。

やって来た水族館は見た感じはかなり綺麗で.....しかもガラスを使ったかなり透き通る様な気持ちの建物だ。

俺はそれを見上げながら立っているとチケット売り場から戻った葉月がやって来た。


「お兄ちゃん、はい。チケット」


「.....おう.....」


かなり可愛い感じのマスコットがデザインされたチケット。

俺はそれを見ながら.....戻って来た糸玉と友美ちゃんを見る。

お互いにチケットを持っていた。

俺は鼻息を吐いてから改めて葉月を見る。


「じゃあ行こ!お兄ちゃん」


「.....お前は本当に動物とかが好きだよな.....」


「そうそう!あはは」


ニコニコしながら俺を見る葉月。

改めて思うがこんなに可愛いのにイジメをする馬鹿は何処のどいつだと思う。

会った時点で殺してやるぞマジに。

考えながら俺は顎に手を添える。

すると糸玉からツッコミが有った。


「そんなに怖い顔しないの。とーくん。みんな怯えてるから」


「.....ああ.....すまん」


「大丈夫だよ。私も居るからね」


「.....ああ」


楽しもう?お兄ちゃん。

と葉月は俺の手を握ってくる。

今日こそは何も起こらない事を祈りながら。

ガラスモチーフの入り口をくぐりながら.....水族館の中に入った。



「うわー!!!!!キレーイ!!!!!」


「オイオイ。声が煩いぞ。葉月」


ガラスモチーフのまさに三百六十度の全部が水槽な感じの廊下。

そして色とりどり鮮やかな水槽。

更に.....綺麗な廊下、壁。

まさに人を呼び込むのに持って来いな感じの水族館内だ。

俺は驚きながら煩い葉月を静止する。


「本当に可愛いね。クラゲとか」


「です」


「.....だな.....しかしこれはマジに眠たくなりそうだ」


いや、割とマジに。

そうしていると、何でそういう事を言うかなぁ。

と苦笑しながら糸玉が俺の脇腹を突いた。

いやだってそうだろ.....クラゲとか見ても楽しく無い。

浮いているだけじゃないか。


「.....葉月。楽しいか」


「うん。バッチグー!」


「そりゃ結構だ」


ワイワイとはしゃぐ、葉月。

俺は欠伸をしながら.....見つめる。

すると.....糸玉が俺に小声で話し掛けてきた。

俺は?を浮かべる。


「.....一応.....元気そうだね」


「.....そうだな.....取り敢えずは、な。今は大丈夫だろ」


「.....心配だったから.....安心だよ」


「.....」


そうしていると.....葉月がテトテトと寄って来た。

そして友美ちゃんを連れてヒソヒソと話す。

俺は、何しているんだ?、と聞くが。


駄目!内緒!、と言われた。

何だよ一体と思うと。

葉月はニヤニヤしながら友美ちゃんと一緒に駆け出して行く。

俺は、お。おい!、と慌てて止めるが、友美ちゃんが居るから大丈夫!、と言われてそれから葉月はこう言葉を発した。


「ふっふっふ。.....お二人さん。頑張って」


「そうだね。葉月ちゃん」


突然に一体どういう事だ。

思いながら.....取り残された俺と糸玉は顔を見合わせた。

それから、取り敢えず回るか、と溜息を吐く。


「だね。どうしたんだろ。葉月ちゃん」


「.....うーん。分からんが.....取り敢えずは二人っきりにしたかったんじゃ無いか俺達を、だ。でもいきなりだけどな」


「.....え?.....あ、え?.....そ、そうなんだね」


少しだけ顔を赤くしながら俺を見る、糸玉。

俺はそれを一瞥だけして.....目の前を見る。

無限に広がる水槽の廊下。

俺は糸玉に手を差し出した。


「.....行くか」


「.....う、うん。とーくん」


「.....そんなに赤くなるな。俺も恥ずい」


「いやでも.....うん」


初々しいバカップルだろこれ。

俺はカップルになる気は無いんだけどな。

盛大に溜息を吐きながら思いつつ.....廊下を歩き出した。

そして.....糸玉とのデート?が始まる。

少しだけ恥ずいんだが。



「イルカショーも有るんだね」


「.....イルカショーか.....」


目の前のポスターを見る糸玉と俺。

俺は顎に手を添える。

そして.....イルカをジッと見る。

何だろうか、イルカとは何処にでも居そうなんだが.....。


「どうしたの?とーくん。観に行かない?」


「.....いや.....何でも無い。すまん。.....行くか」


何でかイルカを見ると.....立ち止まりたくなる。

それは何故かは分からないが.....。

思いながら.....歩き出す。

そして.....イルカショーの場所の扉を開けた。


「.....うわー!」


「.....広いな」


イルカショーの会場。

それは俺も目を丸くしたぐらいだった。

まるでコロッセオの様な会場だ。

俺は驚きながら.....下の方に有るイルカを見た。


「イルカ可愛いね」


「.....だな」


しかしイルカ.....イルカ。

何かを思い出しそうなんだが.....。

思いながらもつっかえて出て来なさそうなので.....まあ良いか。

と考えながら.....ベンチに二人で腰掛けた。


「.....さてと。.....イルカショーはいつ始まるんだろうな」


「あと10分だね」


「.....そうか」


俺は.....この時。

何を思ったか糸玉にこう聞いてしまった。

一体何をって?

そうだな、お前は今でも俺が好きなのか、と、だ。

すると糸玉は赤面しながらニコッとした。


「.....勿論、今でもずっとずっと大好きだよ」


「.....そ、そうか.....」


何でこんな事を聞いたんだ俺は。

赤面しながら.....真正面を見る。

すると糸玉が言葉を発した。


「.....具体的には.....このぐらいだよ。あはは」


そして俺の頬に優しくキスをする。

俺は驚愕して、ファ!?、と声を上げながら糸玉を見る。

伊達眼鏡の先で.....糸玉はニコニコしていた。

周りの奴らが、バカップル.....、的な感じで見てきている。


「オ、オイ!.....お前.....」


「.....だって好きなんだもん。とーくんの事は」


「.....!」


俺はいきなりの事に真っ赤になる。

周りの事も有るけど.....コイツ!

果たして心臓が持つだろうか。

デートオアラ◯ブ?的な感じで.....俺は頬に触れた。

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