五節、飯山神楽という名の糸玉のライバル

十六、遠山の金さん、クラスの糸玉の足利の学校の敵になる

遠山の金さんとはつまり俺の事。

そんな遠山の金さんがキレて病院に運ばれる始末になった。

その事で退院翌日は学校を休み。

学校を休んだその日に長谷川と足利と糸玉が見舞いに来てくれた。


全くな.....と情けない思いを抱きながらの翌日。

何だか電気の光を至近距離で浴びている様な眩しさに目を覚ますと.....。

目の前にジッと俺を見つめている足利が居た。

俺は驚愕してベッドから声を上げて落ちる。


「あはは。先輩、起きました?」


「何だお前.....相当にビビったんだが.....何をしに来たんだ」


それは勿論、起こしに来たんですよ。

今日は学校ですから、と胸を張った足利。

それで顔を至近距離にまるでキス.....する様に接近しやがって。

ビックリしただろう。

足利はクスクスと小悪魔の様に笑いながら俺に言葉を発した。


「先輩の寝顔って可愛いですね」


「寝顔を見るなよ.....」


「いやいや、だって可愛いですもの」


うーん、良いものが見れた。

と伸びをする、足利。

俺は盛大に溜息を吐いた。

すると扉から糸玉が現れて.....って糸玉まで居たのかよ!

俺は驚愕に見開く。


「何しているの。もー。美帆」


「あ、糸玉先輩。.....いや、先輩の寝顔が可愛いなって思いまして」


いや、糸玉よ。

美帆って何だよ。

お前ら.....仲良すぎだろ。

俺は額に手を添える。

そして布団を直しながら言う。


「.....お前ら.....いつからそんなに仲良くなったんだよ.....」


「あ。.....えっと、事件以来ですよ」


「.....ああ.....」


俺の入院事件な?

成る程な.....あれで親密になったと。

そう思って顎に手を添えて考えていると。

足利が耳打ちをして来た。

何だコイツ。


「ところで先輩。あとでお話が有ります」


「.....ここじゃ駄目なのか」


「駄目です。特に糸玉先輩には聞かれたく無いです」


ニコッと笑みを浮かべて離れる足利。

それから、じゃあ糸玉先輩、と糸玉に向く足利。

糸玉は?を浮かべて見ていた様だが.....。

しかし.....何だよ。

聞かれたく無い話って?


「先輩。早く制服に着替えて下さいね」


「.....あ?.....ああ」


「じゃあ糸玉先輩、行きましょう」


「え?あ、押さないでよ」


それから糸玉と足利は去って行った。

足利の秘密の話って.....嫌な予感しかしないんだが.....。

思いながらも遅刻するか、と思い準備を始める。

それから通学鞄を持って降りた。



その日、通学後の四時限目の昼休み。

糸玉にはトイレ行くと嘘を言ってから。

足利が待っている屋上に向かった。

それからドアを開けると足利が立っていた。


「.....で、後での話に何で屋上まで来るんだ。糸玉に嘘言うの大変だったんだぞ」


「.....有難う御座います。先輩。.....ここなら人が居ないですから」


「.....?」


「.....聞かれたく無いんです。今から話す事は」


そこまでして聞かれたく無い事って何だ。

ケ○タッキーのレシピレベルの秘密って事か?

あれは確か.....金庫の先の金庫の先の金庫に仕舞って有ると聞いたが.....ってそんな話はどうでも良い。

今は足利の事だな。


「.....私ですね、先輩達を応援したいんです」


「.....は?」


「.....つまり、先輩と糸玉先輩が好き同士になるのを応援したいんです」


「.....は?.....ハァ!?」


何を言ってんだコイツは。

唐突にとんでもない事を言いやがる。

思いながら顔を???の様な顔にして聞く。

どう言う意味だ、と。

すると足利は屋上の先、海が見える方角を見つめた。


「私は先輩とは付き合えない。だからせめて悔いの残らない事をしたいんです。先輩が幸せになる様にしたいんです。だったらこれかなって思いました」


「.....お前.....?」


「.....先輩の事は諦めきれません。ですが.....私は糸玉先輩には敵わない。だから諦めます。先輩を好きな事を。だけど.....その代わりに先輩を応援させて下さい。今.....先輩って記憶が無いんですよね?糸玉先輩の」


「.....ああ。昔からの知り合っているという記憶が無いが.....」


じゃあ先ずはそこからですね。

思い出してもらいましょうかね、先輩に。

何としてでも、です。

糸玉先輩を好きになってもらう様に.....頑張ります。


と足利はフンと鼻息を荒くしてやる気を見せた。

何でそこまでするんだ.....と思い、聞く。


「足利。何でお前はそこまでするんだ?糸玉の事といい。失恋したからやるって感じではおかしいだろ」


「それは先輩が好きだからです」


「.....同じ答えをループさせんなよ.....」


「あはは。でも本当です。先輩には幸せになって欲しいんですよ」


どいつもこいつも訳分からない。

思いながら.....盛大に溜息を吐いて足利を見た。

因みにその日はそんな感じで進んでいき。

五時限目の休み時間になった時。

とんでもない事が起こった。



「.....」


「.....」


「すりすりー!」


ゼーレの審問会議か何かですかね?これ。

俺は冷や汗をかいて思いながら.....俺は五時限目の10分休み。

教室で眉を顰めて睨んでいる糸玉と。

同じく眉を顰めて俺を睨む、足利を見ながら。

クラスのジト目も感じながら死を覚悟した。


「お兄ちゃん♡だーいすき!」


「.....飯山.....お前.....勘弁してくれ」


俺の腕にはペチャパイのツインテールの女がしがみついている。

顔立ちは童顔ながらもアイドル級の可愛さ。

そして目はくりっとしていて可愛い。


え?この女は誰かって?

そうだな。

コイツは糸玉に続いての転校生だ。


家の用事で遅れての転校生となったが.....名前を飯山神楽(イイヤマカグラ)って言うのだが.....その。

糸玉の.....アイドルの中のライバルの存在で。


今現在まさに俺のボッチ生活をまたかき乱す存在になっていた。

何でかと言うと。

飯山は俺を、好き好きお兄ちゃん、と擦り寄って慕っているから。


俺の存在はと○る魔術の禁書目録の新約の10巻。

世界の敵になった上条当麻の様な感じになっていた。


つまり、糸玉も足利も。

ガルルルルと俺に歯を剥いていた。

勘弁してくれ。


そして頼むから俺の平穏を返して。


何でこうなったんだ.....。

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