三節、球技大会

八、遠山の金さん、球技大会の当日を迎える

リア充のクソボケに喧嘩も有り殴られた。

因みにそのリア充は停学になり。

この事件はクラスでも大きく話題になった。


取り敢えずはひと段落だと思う。

クラスに戻って四時限目の昼休み。

糸玉が弁当を差し出して涙を浮かべていた。

心配をしている様だ。


「.....ごめんね。こんな喧嘩になるとは思わなかったから.....理不尽に殴られて.....痛かったでしょ?」


「.....まあ気にすんな。俺は慣れているからな」


「.....でも.....本当に許せない.....」


「気持ちは分かるが怒るな。お前が怒っても状況は何も変わらないから。怒ったら終わりだ」


因みに俺は病院に運ばれてはいない。

俺は保健室で治療を受けて取り敢えずな感じだったのだ。

取り敢えずは続け様に授業を受けれる。


しかし今悩んでいる問題はそこでは無い。

このクラスをどうやって纏めるのか。

そこが問題なのだ。


やっぱり俺は.....向いてないかも知れない。

思いながら.....食事をしながら糸玉を見つめる。

糸玉は涙を拭いながら笑みを浮かべていた。

取り敢えずは元気の様だ。

良かった。


「糸玉。俺は纏め役に向いてないかも知れない。どうしようかなって悩んでいる」


「.....そうなんだね。無理はしないで良いよ。こんな事が有ったら嫌でしょ?」


「.....でもお前を見ているとな.....やった方が良いかなって思っているんだ」


「.....でも.....」


そうだよな。

俺には作戦も.....象徴するモノも何も無い。

顎に手を添えながら考える。

そうしていると.....リア充達がやって来た。


「.....何か.....?」


「遠山だっけ。俺の友人が迷惑を掛けたな」


三人ぐらいの男子生徒。

困惑しながら俺に頭を下げる。

申し訳無い様な感じで、だ。

俺は驚く。

そして糸玉も驚いていた。


「正直、お前を殴ったのは認めれないよ。俺達も。安藤は俺達の友人だからあそこまでやるとは思って無かった。御免な」


「.....いや.....良いんだが.....」


「.....そのお詫びに俺達も協力させてくれ。お前達のやる事に」


「え?」


その男子達の言葉に素っ頓狂な声が出た。

俺は驚愕しながら男子達を見つめる。

話し合った末の.....結論だと言う。

驚きだな.....。


「俺の名前は長谷川だ。サッカー部の副主将をやってんだけど.....」


手を差し出して来た、長谷川。

サッカー部の副主将っつったら相当だな。

思いながら.....見つめる。

すると糸玉が困惑した様に見てきた。


「.....どうしよう」


その様に言葉を発する糸玉。

俺はその様子に顎に手を添える。

ふむ.....と思いながら、だ。

協力してくれるっつーなら有難いけど.....今までの事が有るしな.....。

人を信頼して良いのかどうなのか。


「.....お前の事は信頼しても良いのか」


「.....俺は嘘は吐かない。そういうのは.....嫌いだからな」


「.....じゃあ分かった。協力してくれ」


殴られた件がまさかの方向に向かっている。

俺は握手した長谷川を見る。

長谷川は笑みを浮かべた。

俺は頷く。


「.....何をしたら良いかな」


「.....取り敢えず俺の権力じゃこのクラスを纏められない。そこら辺が厄介だからどうにかしてほしい。糸玉だけじゃ無理だ」


「.....そうか。じゃあ.....」


オイ皆んな!集まれ!といきなり叫んだ。

俺は驚きながら.....見つめる。

すると俺達を見ていたクラスメイトが何だ何だと集まって来やがった。

マジかコイツら.....。


「皆んな。取り敢えず一致団結で全て成功させたい。だから委員の言う事を必ず守ってくれ」


「「「.....え.....」」」


困惑した様に顔を見合わせるクラスメイト共。

俺は.....駄目か、と思いながら見つめる。

だが流石はリア充つったところか。


分かったぜ、と頷きながら俺達に向き始めた。

何だか知らんが.....事が上手くいっているのだが。

気味が悪いな。


「遠山。取り敢えずはこんなんで良いか」


「.....有難うな。まさかお前がそんなに権力が有るとは思って無かった」


長谷川に礼を言いながら前を見る。

その様子を.....背後で笑みを浮かべて糸玉が見ていた。

俺は糸玉を見ながら.....じゃあ聞いてくれ、と言葉を発する。

説明出来なかった部分を全部、だ。

そして.....日は過ぎて行きバレーボール大会当日となった。


因みに女子はバレーボール。

そして俺達はサッカーだ。

なんと言うか.....面倒臭いと思いながら。

俺達は当日、体操服に着替えた。



「ハァハァ.....」


クソッタレ疲れるな。

サッカーとか.....俺は半年ぶりぐらいだ。

まさに運動不足。

考えながら.....別のチームを見る。

糸玉達は上手くいっていれば良いが.....と思っていると。

背後からスポーツドリンクが飛んできた。


「お疲れさん」


「.....お前.....」


「.....それ、飲んでくれ。もし要るんだったらな」


長谷川だった。

俺は.....見開きながら見つめる。

そして汚れた姿で隣に腰掛ける。

バンダナをしているがそれが様になる様な、イケメンだ。


「.....君の事を見下していた」


「.....あ?」


「.....見下していたというのは簡単に言うとつまらない奴と思っていた」


長谷川は爽やかな笑顔を見せる。

俺は溜息を吐きながら前を見つめた。

そして.....長谷川も同じ様に前を見つめる。

だけど、と言葉を発した。


「.....でもそれなりに頑張る奴なんだって思ったよ。かなり見直した」


「.....なんだそりゃ」


「ハハッ。.....ああ、それは良いんだけど.....お前は糸玉と付き合っているのか?」


まさかだった。

ぶふぁと口からスポドレが飛び出す。

俺は、何でそうなるんだよ、と聞いた。

長谷川は俺に、いやいつも一緒だからな、とクスクス笑う。

それから.....空を見上げた、長谷川。


「.....サッカーって良いよな。運動になるだけじゃ無いけど」


「俺はボール追うのは嫌いなんだが。疲れるだけじゃ無いか」


「.....そうか?ハハハ」


長谷川は苦笑した。

それから.....長谷川は俺を見る。

ったく.....コイツと一緒だと.....ゾワゾワする。

思いながら.....盛大に再び溜息を吐いた。

サッカー大会はまだまだ終わりそうに無い感じだ。

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