七、遠山の金さん、リア充に調子に乗るなと殴られる

糸玉鈴。

そして糸玉虹。

彼女達は.....固い絆で結ばれていた。

姉妹として.....だ。

俺は鈴に言われた。


『約束を破ったら許さない』


と、だ。

約束ってのは俺が鈴の姉貴。

つまりお姉さんを、私の周りを不幸にしたら許さないという言葉だ。

俺は.....その約束に頷いた。

そして取り敢えず場の荒れた状況は治まり。


今、俺と糸玉は学校に登校している。

俺は外を見て、糸玉は女子達と話している。

然し乍ら.....何がどうあれもう直ぐ球技大会なのは変わりは無い。

困ったもんだな、クラスのリア充に嫌気を差されなければ良いがと思いながら三時限目の休み時間にボーッとしていた。


すると、チャイムが鳴った。

俺は耳を動かしてその音を聞きながら。

次の時間の準備をする。

この次はバレーボールの選手決めだ。

その前に委員の決定だ。


「ほらほら。席に座れー。今からバレーボールの班決めをするぞー」


山下がその様に言いながら今日たくに手を添える。

それから、皆んな居るかー、と確認してから。

じゃあ今から班を決めるからな、と言う。

やる気が出ない。


「それじゃ、男女、立候補を決めるぞ。どうしようか、皆んな」


そんな面倒臭い仕事を誰がやるのか的な感じのクラス。

あんだけ煩かったのにな。

思いながら俺は窓から外を見る。

それから欠伸をしていると.....手を挙げる者が出た。


「はいっ!」


「.....え?」


糸玉だ。

俺は驚愕しながら糸玉を見る。

それから糸玉は私、クラスに来てからまだ色々知りません。

だから業務をやりたいです。

と申し出た。

流石は.....糸玉と言った所か。


「.....じゃあ糸玉で。これに対して反対は?.....居ないか。なら糸玉。頼む。それじゃ男子」


男子は誰が決まるのかねぇ。

考えながら外を見つめていると。

糸玉はとんでも無い事を言い出した。

何を言い出したかって?


「男子は遠山くんが良いです」


とか言ったのだ。

ニコニコしながら、だ。

オイィ!!!!?

流石の俺も顎がズレた。

何で俺なんだ!!!!!

と思い、糸玉を睨む。


「だそうが.....遠山、やれるか」


「.....いや。俺は.....」


「大丈夫です。私がサポートします」


話を進めるな。

そう思いながら.....糸玉を見る。

コイツ何を考えている!!!!!

いや、割とマジに。


「うんじゃあ、男子は遠山、女子は糸玉で。これで揃ったな」


その様に山下が言った時だった。

山下に反対意見が出る。

クラスの男子から、で有る。

俺に対して不満が有る様で有った。


「ちょっと待って下さい。遠山って役に立つんですか?」


「そういう言い方は良く無い。良いか」


「.....あ、はい.....」


山下が牽制した。

クラスメイト達は俺に対して苛ついている様に見える。

調子に乗ってんぞアイツ.....的な感じだ。

いつかマジに殺されそうだな俺、と思いながら。

委員が俺と糸玉に決まってしまった。


「.....糸玉。お前、本気で俺で良いのか」


「大丈夫だよ。東次郎くんなら.....絶対に」


「.....ハァ.....」


クラスの纏め役、か。

絶対に俺じゃ成り立たない。

思いながら.....この先どうするかを考える。

マジに困ったぞ.....。



「お前さ、マジに調子乗ってない?」


「.....」


ほらな。

絶対にこうなると思った。

クラスのリア充が噛んで来やがった。


茶髪のロン毛。

コイツ名前なんだっけ?

糸玉がトイレに向かっている時に、で有る。


「.....俺は別になりたい訳でなったわけじゃ無いんだが」


「お前の様な奴に絡んでいる糸玉さんが可哀想なんだけど。少しは遠慮しろっつーの!!!!!」


ガズンと音が鳴る。

俺の座っている椅子の目の前の机が蹴られた。

盛大に溜息を吐く、俺。

困ったなマジに。


「お前.....イラつくんだよねマジに」


「.....イラつかれるのは勝手なんだが.....喧嘩は良く無いぞ」


「そういう態度がムカつくんだっての!!!!!」


そして俺の胸ぐらが掴まれ、抱えられる。

相手はバスケ部だ。

力量の差が有る。


今日は本当に良く胸ぐらを掴まれるな、マジに。

思いながらソイツを見据えた。

周りの女子達が、先生呼んで!!!!!、と叫ぶ。


「テメェさ、本気でクラスを纏めれると思ってんのか?」


「.....思って無いさ。御免な。俺、頭悪いから」


「ああもう!!!!!頭に来るなぁ!!!!!」


そして思いっきり殴られた。

俺はガシャンと勢いで机に打つかる。

そして唇から血が出た。

やっぱり俺は.....ヒーローじゃ無いんだろうな。

そう思いながら居ると背後からかなり怒った様な声がした。


「.....何しているの」


「.....い、糸玉.....?」


「.....糸玉さん?」


目が完全に据わっていた。

俺を殴った事に.....その男に。

激昂している様だ。

俺は糸玉.....手を出すな!と叫んだ。

しかし.....糸玉はマジ切れしている様だった。


「テメェと呼ばれるのはお前だ。何をしているのかって聞いているのだけど。私の大切な人に対して」


「まあ、コイツが調子に乗っているから制裁しているだけだが?」


「何処が?調子に乗ってないよね。一方的に殴ったのはお前だよね?」


これはマズイ気がする。

何がマズイって.....糸玉が茶髪のロン毛に対して、お前、と言っている。

かなりキレまくっている。

俺は必死に糸玉の手を止めた。


「糸玉。俺は大丈夫だから。お前が怒っても何もならない!」


「ごめん、全然許せない。私、貴方が殴られた事に」


それから椅子を持って.....な、何をする気だ。

考えながら.....必死に止めていると。

先生達がやって来た。


何をしているんだお前ら!!!!!

とブチ切れて、だ。

柔道部の顧問の指導員とかもやって来た。


「.....三人とも指導室に来てもらう」


「.....はい」


「.....」


そして何とかその場は収まった。

俺は口の中が切れたぐらいで収まったが。

糸玉が.....あんなに切れるとはと思った。

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