第11話 幸い

瞼の裏の光に焦がれた

海も透過する蒼だね

星の瞬きにも祈りがあって

僕等は明日に怯えるよ

光に願う僕等の性(サガ)

約束を探して、今日は終わった

瞼の裏で見る夢は

今日と明日をつなぐだろうか

眠りに堕ちる刹那が怖い

闇に慰む僕等の性(サガ)


無邪気な君の夢占い

願いは叶う?祈りが見えた?

明日にその手をかけると言うなら

君の夜は幸いでしょう

暮れ行く日に立ちつくす

それを絶望だなんて嘯く僕は

今日をかきあつめて泣いていた

夜を透過する光は遠くて…


未だ、未だ、見えないよ

僕は“今”を愛しんだ

明日を夢見る君との距離

僕は夢の見方を知らない

瞳を閉じる悪夢に堕ちるよ

惑う眠り、涙を伝えて

“ねぇ、明日とつながって―?”


瞼の裏で光を乞うよ

涙も透過する蒼だね

僕は明日に怯えながら

誰よりもそれが欲しくって

光に夢魅る僕等の性(サガ)に

闇に祈る僕等の性(サガ)は

今日と明日をつなぐ切望

瞼の裏の淡い灯

約束は今日も見つからない、でも

もう、泣かなくてもいいんだって―


隣で君は夢占い

祈りも願いも抱えて微笑った

眠りにおちるその時も

見えない明日を無邪気に語る

今を愛しむ僕はね

そんな時を見つめていたくて

続く明日を祈ってみせた

伝えて、伝えて、と

誰ともなしに…

未だ、未だ、見えなくて

気持ちは今日だって泣き出しそうだけど

瞼の裏に描く夢

祈る今に問いかけて

祈りたい明日を見つけたよ

そして君が此処に居るなら―


其れを“幸い”だと僕は言おう

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