第3話 雨上がり
雨滴の音に微睡むの
まるで子守唄を抱くように
視界は不完全、言葉は透過
霞の中に私は居るよ
世界は漂白、空は朧
誰の姿を探そうか?
微笑って、微笑って
独りでも
心の温度は冷えていく…
傘なんていらないから
私の気持ちは停滞前線
“弱虫だね”と貴方は微笑った
皮肉めいた貴方の声
立ちつくすことしかできないの
私の足どりは何処に行く?
水玉模様の心でした
雨が波紋をおとすように
虚ろな想いが揺さぶるの
ひとつ、ふたつ、と広がって
何時しかはねた孤独模様
叫びたい衝動に
微笑って、微笑って
貴方も居ない
薄っぺらな私の存在
雨にけぶる心の模様
冷え切った身体(カラダ)でうずくまり
もう、一歩も進めないから
“馬鹿な子だね”貴方は嘲う(ワラウ)
響く声が苦しすぎて
微笑って、微笑って
何も分からないけど
微笑って、微笑って
消えちゃいそうで…
「ねぇ、また、泣いてるの?」
―貴方が微笑った
青空色の傘が回る
くるり、くるりと唄うように
ねぇ、私の雨は明けるの?
驚く程白い手に
微笑って、微笑って
“泣いてないよ”
きっと今なら微笑えるから
“酷い顔”と貴方は笑った
仕方なさそうに私をつなぐ
其処に熱が灯るから
私の雨はあがるでしょう?
貴方と一緒に歩いて行こう
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