第2話 無題
君が此処にいる欠けがえのなさに
愛しい、愛しいと世界は唄う
君が此処にいない僕の悪夢(ユメ)に
空空(カラカラ)、空空(カラカラ)と僕は凪いだ
世界は君では回らない
僕は君では生きられないけど
立ちいかないよ、目醒めぬ夢
心を生かすのは君でしょう?
酸素と水が僕を動かす
恋じゃなくて、愛じゃなくて
そんな風には生きられないよ
息する僕は世界の一部
君の吐息は、世界の片隅に
僕等の痛みは生き(息)すること
泣きながら生まれた僕達だ
歩くこと、脈打つこと
君にも僕にも痛過ぎるから
―だから、此処に居たんでしょ?
胸打つ鼓動は痛まない
君の鼓動(オト)が聴こえるなら
流す涙に溶けたりしないさ
君と歩む僕ならば
世界は僕等を置き去るね
君と僕の涙を糧に
僕等は世界の一雫
此処にある、ちっぽけな奇跡
ねぇ、君は生きていける
僕が居ない悪夢でも
ねぇ、僕は生きていける
君を失くした世界でも
それでも―
小さな奇跡が僕の最愛
小さな君が僕の幸いだから
君が此処にいる欠けがえのなさに
愛しい、愛しいと僕は唄おう
僕が此処にいる欠けがえのなさに
脈打つ君は微笑ってくれるでしょう?
君は僕のスベテじゃなくて
僕を生かすのは君じゃないけれど
醒めない悪夢までの奇跡を数えよう
欠けがえのなさは此処に
奇跡を生んだ世界の中に
ねぇ、全て愛せるでしょう?
僕等の鼓動が聴こえるなら
生きていこうよ、愛しい世界で
心を生かすのは君だけなんだ
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