第4話「終幕」

俺「結局お前は何故彼氏を作らんのだ。好きな男の1人もおらんのに」


妹「まだそういう気持ちにならないっていうのは本当かも」


妹「それに、お兄ちゃんが近くにいるうちはいいかなって」


俺「兄のいる女というのはそういうものなのか……?」


妹「どうなのかな? 私だけかも」


俺「まあ確かに、俺も恋人がいるわけではないが……」


俺「む、ということは俺が誰かそういう相手を作ればお前も考えるということか」


妹「うん」


俺「よぅし、ならば……いや、止めておこう。既に友はこの世にはいない。あいつのいない世界でお前をその気にさせても虚しいというものだ」


妹「優しいんだねお兄ちゃん」


俺「ああ見えて、親友だったのだ」


妹「それならあの約束も守ってあげないとね」


俺「約束……ああ、あれか」


友『なあ俺……もし、もしこの勝負で俺が死んだらさ……』


友『お前が妹ちゃんを幸せにしてやってくれるか?』


俺『もちろんである!』


妹「ね。手、繋いでもいい? まだお願いいいよね?」


俺「……よかろう。って、熱ッ!!!」シュウウゥゥッ


手のひら「」ジワァ


俺「これは、紋印……。手のひらに、強力な……。」


妹「うん、契約。約束の」


俺(そうか────)


俺(これまで俺が妹を意のままに従えてきたと思っていたが、その実)


俺(俺などよりずっと遥かな高みにおったか、妹────)


俺「くくっ。怖い妹よ」



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

【SS】俺「彼氏とか、興味はないのか?」 妹「うん」 文月 景冬 @Fuzukie

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ