第2話

「このくらいでいじれたらちょうど良いんですよ」

「うーん。7ダペルか」

「それで、少なくとも3杯分くらいは一度に作れるようにしてもらいたい」

「器にはどれだけ水が入るもんなの」

「80セウスは入ります」

「うーん」

 シャーロットはパチパチと舶来のたくさんの木の球が並んだの計算機を弾いて計算した。

「じゃあ、縦横1.5ダペルに高さ3ダペルくらいの大きさのドリッパーが要るわねぇ」

「本体の半分はドリッパーでしょうから、それで良いと思います」

「ふむふむ」

 一人と一頭、シャーロットと竜は唸りながら色々な長さを測っていた。大きな三脚(通りにある看板屋から借りたもの)にシャーロットは乗り、一定の長さごとに等間隔に結び目の付いた縄を垂らして高さなんかを測っている。竜の言い分を聞きつつ、自分のイメージと摺り合わせて設計していくといった感じだ。

 それをシャーロットと竜は往来の真ん中でやっていた。

「グランデさん!」

 そんな一人と一匹に声をかけるものがあった。

 シャーロットが顔を向ける。憲兵の一人、この辺りの管轄を務める顔なじみのブライトじいさんだった。

「なんですかブライトさん」

「何をしてるんですかあなたは」

 ブライトじいさんは恐ろしく生真面目でそんな相手にも礼儀正しく敬語である。シャーロットのような若い娘どころか、言葉を覚え始めた幼子、果ては赤子相手でも敬語である。

「この竜がコーヒーメーカーを造って欲しいというので計測をしてるんです」

「なるほど」

 ブライトじいさんは一旦納得した。

「しかし、ここは往来の真ん中です」

「ええ、でもこの竜は大きすぎて私の家では測れないんですよ」

「ですがねグランデさん。みんな怯えてるんですよ」

 その通りだった。通りは竜とシャーロットを中心として、そこから少し離れたところから人で埋め尽くされていた。三脚からシャーロットが見る限り、2区画ほど向こうまで人でごった返している。先頭が武器を構えた憲兵、その後ろに野次馬という構成だ。

 みな竜が来たという噂を聞きつけ、第二王都中から集まったのである。みな興味津々であり、それと同時に怯えもあった。竜を物珍しいものであると同時に脅威としても見ている感じだった。とにかく、ある種のパニック状態なのだろう。訳も分からずたくさんの人が街の一大事に集まっているのだ。

 その中心がまさしく竜とシャーロットなわけである。

「これはね、非常に困るんですよグランデさん。街が混乱しています」

「なるほど、大変ですね。でも、そこをどうにかするのは私の仕事では無くブライトさんの仕事だと思います」

 そう言ってシャーロットは作業に戻る。

「グランデさん、困ったことを言わないでください」

 ブライトじいさんは理不尽に抗う。

「なんとかならないんですか。せめて、皆に危険が及ばないところへ移動できないものなんですか」

「ブライトさん、心配しないでください。この竜が暴れることはありません」

「どうしてそう言えるのですか」

「この竜は私のアレハンドロを気に入り、労働にきっちり報酬を支払い、コーヒーをこよなく愛する善良な竜です。この街の人間に手を出すことはありません」

「どうしてそう言い切れるのです。あなたはその竜に会ってまだ数刻ほどしか経っていないではないですか」

「ふむ」

 シャーロットはそう言われて、確かにそうかもしれないと思った。たった数刻しか関わっていないのだこの竜は。よく考えたらどんな竜なのかその中身までは良く分かっていないではないか。次の瞬間頭をむしゃり、と行かれても不思議は無いのではないか。

 ここまでのやりとりでなんとなく良いやつな気はしていたがそんなイメージが沸くとシャーロットは不意に恐ろしくなってきた。

「ひ.....」

「ちょ、ちょっと待ってくださいシャーロットさん。さっき僕があなたを襲う意思は無いと分かってくれたんじゃないんですか」

「そ、そうよ。その通りよ、そうに違いないわ」

 しかし、シャーロットの腕は小刻みに震えていた。

 見かねた竜は自分の鱗をこっそり4枚はがしシャーロットの懐に当てた。そして、小さな声で言う。

「前金です。これで信用してください」

「あ、あらららら。これはあらあら」

 これで城の5分の1が買えると思うとシャーロットの恐怖は和らいでいった。

「ど、どうもどうも。分かってるわ、分かってるわよ。少し取り乱しただけだから」

「そう言って頂けると何よりです」

 シャーロットは再びブライトじいさんを振り返る。

「ブライトさん、どっちにしてももう計測は終わります。そしたら彼には街の外に飛んでもらいますから。それで勘弁してください」

「本当ですか? 本当に本当ですね? その竜はグランデさんの言うことを聞くんですね?」

「ええ、間違いなく」

 シャーロットは竜に言う。

「それで良いわね」

「ええ、全然。僕も街の人を無意味に怯えさせたくないですし」

「それは結構」

 シャーロットはそうして、板に止めた紙にさらさらと図形を書いていった。それはコーヒーメーカーのイメージ図だった。細かく数字が書き込まれている。計測を元に数値を書き込んでいるわけだ。

「まぁ、とりあえず普通のコーヒーメーカーをそのまま大きくしたものを造る方向で行くわ」

「なるほどなるほど。その方が僕も使いやすいです」

 人間の姿で嫌と言うほど使っていたからである。

「問題は素材ね。普通のコーヒーメーカーを素材そのまんまに大きくしてもどこかで無理が出てくるわ。それにこんな大きさの材料は私一人じゃ加工出来ないから鍛冶屋に頼むものも出てくるでしょうね」

「なるほど。色々段取りを立てなくてはなりませんね」

「ええ、ちょっと材料の確認をしたいわね」

 竜とシャーロットはぶつぶつと紙を見ながら相談を続けた。

「グランデさん、まだなものでしょうか」

 それにしびれを切らすのはブライトじいさんである。彼は街の治安を守るために速やかに混乱を収束させなくてはならないのである。それが彼の職務なのである。

「分かってますブライトさん。もう行きます」

 シャーロットは応える。

「じゃあ、一旦街の外に飛んでちょうだい。その後また子供の姿で街に入ってきて。色々作業に関する下見をしたいの。大門から入ってまっすぐ行った教会のある広場で待ち合わせましょう」

「なるほど分かりました。門番さんにはなんて言えば良いですかね」

「シャーロット・グランデに仕事の話をしに来た、って言えば良いわ。この第二王都は第一に比べて審査がザルだからそれで入れるわよ」

「分かりました」

 竜はその大きな翼を広げた。それだけで周囲1区画先まで大きなどよめきが巻き起こった

「では」

「はいはい」

 そして、竜は飛び立った。つむじ風が起き、シャーロットにぶつかった。シャーロットはそでで顔を隠しながら瞬く間に空に消えていく竜を見送った。

 これで、教会前広場に行って落ち合えば周りを騒がせることなく街の中を見て回ることが出来る。今日のうちに設計と段取りの概要だけでもまとめてしまいたいシャーロットなのだった。

 シャーロットは準備をしようと工房に戻る。

「グランデさん」

 そんなシャーロットにブライトじいさんが声をかける。

「ご協力ありがとうございます。あの竜さんにもよろしくお伝えください」

「いえいえ、ご迷惑をおかけしました。もうこんな騒ぎは起こしませんので。お勤めご苦労さまです」

 そう言うとブライトじいさんは柔らかな笑顔で姿勢正しく会釈し憲兵の隊列に戻っていった。取り乱したものならすぐに突撃指令をかけかねない状況で冷静に対応したブライトじいさんである。おかげでこれだけの混乱の中けが人の一人も出なかった。なんだかんだこの辺りの警備を任されているだけはあるのだろう。シャーロットはあのじいさんが嫌いではない。じいさんはそうして集まった街の人々を帰すように憲兵たちに指示を飛ばしていた。

 シャーロットはそれを横目に、出かけるための荷物を取りに工房に入っていった。



 低い重低音が響き渡っていた。

 王都大門前教会広場。外から来た人やこれから王都を旅立つ人で溢れている。竜はここで言われた通りにシャーロットを待っているのである。分かりやすいように有名なセント・ニコラ像の前で待っているのである。この像は台座も合わせると巨大であり、この広場で一番目立つ構造物なのだ。竜は有名だとかどうとかまったく分からなかったが目立つということでこの像の前で待っているわけである。さっきまでと同じように農夫のような服装の少年の姿だったが、一応色なんかを変え顔と髪の色も変えていた。さっきは金髪だったが今は茶色だ。

 そうして待っているとどこからか轟くような機械音が響いてきたのである。

 それは徐々に確実に広場に近づいていた。そこかしこで人々もいぶかしげに言葉を交わし合っていた。何事だろうかと。一体なんの音だろうかと。しかし、それらは外から来た人間ばかりだ。第二王都に住んでいる人間は大体がこの音を一度は聞いているのである。

 それは颯爽と、王都中心の大通りから現れた。走ってきた。それは二つの車輪を持った魔導からくりだった。様々な機能を持った機械の塊のボディ、そこに乗った座席、そしてハンドル。構造そのものはシンプルなようだ。またがるように乗るそれは金属製の馬のようでもあった。それが、雷のような音を上げながら竜に向かって爆走してきていたのである。乗っているのはもちろんシャーロットだった。頭に異様に堅そうな帽子を被っていた。目には怪鳥乗りが付けるゴーグルを付けていた。

 その鋼鉄の塊は竜の前まで来ると止まった。どるるんどるるん、と竜の前でけたたましい音を上げている。

「遅くなったわ。こいつがちょっと調子が悪くて」

「なんですかこれ。すごいですね」

「ミサゴ4号よ。私が造ったの。自動で動くから早くて便利よ」

 そう言いながらシャーロットは自分の後ろに置いてあったもうひとつの硬質の帽子を竜に差し出した。

「これ被って。サイズは合うと思うわ」

「これもなんなんですか」

「安全用のアブソーバーメットよ。頭を守るの」

「なんか、本当に色々造ってるんですね」

 そう言いながら竜はシャーロットにうながされるままにその後ろに乗った。シートは柔らかすぎず堅すぎず、ちょうど良い感じだった。色々初めてのことが多すぎて竜は少しワクワクするのだった。

「それで、これからどうするんですか」

「とりあえず、私の頭の中では金属を多く使う予定にしてるから金属加工の鍛冶屋に行きましょう」

 どるるん、とシャーロットはミサゴ4号からけたたましい音を鳴らす。それからゆっくりと発進した。後ろに竜を乗せているからだろう。速度は抑えめであった。

「これ、どうなってるんですか。すごい音ですよね」

「簡単に言うとこの機械の中ですさまじい速度で小さな爆発魔法を起こしまくってるの。それでピストンを回して車輪を回してるわけね」

「良く分からないんですけど、飛行魔術で飛んだり力学系の魔法とかで直接車輪を回すんじゃダメなんですか」

「ダメなのよこれが。効率が悪いの。飛行魔法は使い手の力量が大きく出るから魔導からくりに向かないし、力学系の魔法よりも小さい爆発魔法を起こしまくる方が魔力効率が良いのよ。だから、これが一番という結論に至ったわけね」

「簡単なもんじゃないんですね」

「からくりを造るのって大変なんだから」

 ミサゴ4号は颯爽と第二王都の大通りを走って行く。道行く人々や馬車をゆるりと抜きながら目的地に向かっていく。昼過ぎの王都は人々で賑わっていて物珍しそうにミサゴ4号を見るのだった。竜とシャーロットはすまし顔でそれらを通り過ぎていく。

 やがて、景色が変わって工業地帯へと入りつつあった。

 大きな煙突からもくもくと煙が上っていた。

 鍛冶屋だ。建物は大きい。ここ数年の魔導からくり産業の発達により急激に金属加工の受注が増え、業務規模が拡大したのだ。今や魔導からくりを造る魔導からくりが稼働し、大量生産を行っている。そういった工場がいくつも並んでいた。

「すごいですね。こんなものは見たことが無い」

「アルビオン以外でこれほどの工業地帯は無いでしょうね。第一王都はもっとすごいわよ」

「あの工場のひとつに頼むんですか」

「まさか。あそこでは私の発想力と努力の結晶を丸パクリしたクソッタレからくりが量産されてるのよ。忌々しすぎて近づくだけでぶち切れそうになるんだから」

「じゃあ、今もぶち切れそうなんですか」

「ええ、限界ギリギリを行ってるわ」

「ちゃんと操縦してくださいね」

「大丈夫よ。こんなのはいつものこと、街で魔導からくりを見る度にこうなってるんだから。とにかく、目的地はもう少し先よ」

 ミサゴ4号はその工場群を通り抜け、さらに先へと向かった。徐々に建物の大きさが低くなっていく。人通りも少なくなり、廃屋の姿もちらほらと見えた。

「なんか、どんどん寂しい景色になっていってますね」

「この辺は元々鍛冶屋が集まってる街だったの。でも、魔導からくり産業が異常な速度で発達してしまって競争に付いていけなかった鍛冶屋がどんどん潰れてしまったのよ。だから、ここは今死んだ街なのよ」

「そうなんですか。なんかやるせないですね」

「そうね。それでその発端を造ったのは間違いなく私なのよ」

「あ.....」

 魔導からくり産業が始まったのは、それを造ったのは他ならぬシャーロットだった。シャーロットは全てを始めたのは自分だと言っているのだ。竜には人間のことは良く分からなかった。だから、こんな時になにを言えば良いのか良く分からず押し黙った。

「さぁ、目的地が見えたわよ」

 悩んでいる竜を知ってか知らずかシャーロットが言う。ミサゴ4号が向かっているのは今までのものと比べるとずいぶん小さな煙突の付いた建物だった。あれも鍛冶屋なのだろうと思われた。『鍛冶工房レッドヒル』と看板が上がっていた。

「小さい鍛冶屋ですね」

「ええ、私が学生のころからお世話になってる工房なの。大規模工場に潰されないためにとにかくなんでも造れるようになった鍛冶屋なのよ」

 ミサゴ4号は重低音を響かせ、その鍛冶屋の店先に停車した。

 建物は薄汚れている。石造りでずっと昔からこんなでした、と言っているかのように古い外観だった。かなりの老舗であろうことがうかがわれた。

 シャーロットはその店の大きくて立て付けの悪い扉を押し開けた。

 扉の向こうから響いたのはけたたましい金属音だった。

 カンカンカンカン。鎚が金属に振り下ろされる音。まさしく、加工している作業の音だ。 シャーロットはその作業場にずかずかと入っていく。あまりにずかずか入っていくので竜も反射的に付いていくのだった。

「相変わらず熱いわね。ダンさん居るー?」

 シャーロットがそう言いながら進んでいく。熱気がすごかった。竜にとってはなんでもないが人間には堪えそうな温度だと感じていた。

 作業場には何人かの鍛冶師が働いていた。赤々と燃える炉の前に何人かがおり、大きな鍋を加工していた。弟子なのかその周りで補助役らしきことをしているものが二人。みな、シャーロットの存在にはすぐには気づかなかった。

「ああ、居た居た。ダンさーん!」

 シャーロットが大声で叫ぶ。それは鎚を振り下ろす音でかき消されてしまった。しかし、ようやく弟子の一人がシャーロットに気づいた。すかさず作業している一人、壮年の男性の肩を叩く。男性はいぶかしげに振り返り、そしてシャーロットを認めた途端にものすごく表情を険しくした。

「こんちわダンさん」

 シャーロットはひらひらと手を振る。

「帰れ!」

 すぐさま男性は、ダンは叫んだ。そして、作業に戻っていった。

「そんなこと言わないでよ。仕事の相談に来たのよ」

「お前の仕事は受けねぇ! 帰れ!」

 明らかにダンは不機嫌、いや怒っていた。竜は穏やかでない展開に面食らう。シャーロットが自信満々にやってきたのでスムーズに運んでいくかと思っていたのに妙な展開である。

「なんか、怒っておられますけど」

「いやぁ、怒ってるわねぇ」

 シャーロットは若干うろたえている様子だった。なにか後ろめたさを感じているらしい。

「そいつがいつもメチャクチャな仕事持ってくるからだ! 関わったらろくな目に遭わねぇ!」

 ダンは怒りに満ちていた。

「あはは、まぁまぁ。あのねダンさん。これからかなり大きい金属の加工をしてもらおうと思ってるのよ」

「帰れ!」

 ダンはまったく振り返らず仕事を続けている。しかし、シャーロットはめげずに続ける。

「変わった客がね、大きいコーヒーメーカーを造ってくれって言うのよこれが。今まで頼んだ中でも一番大きいでしょうね。大部分は金属で造ろうと思うからどうしてもダンさんの力が必要になるのよ」

 竜ははらはらだった。さっきまでの怒りようではダンが次の瞬間にでも暴れ始めかねないように思われた。

「工期は出来るまで待つって言ってるから無理な日程は組まなくても良いし、払うものもきっちり払ってくれる客よ。悪い仕事では無いわ」

 ダンはただただ鎚を振り下ろしている。周りの鍛冶師たちも気まずそうに目を伏せているだけだった。

「客は竜よ。竜に合わせたコーヒーメーカーを造るの。設計が済んだら具体的な話を持ってくるわ。お願いね」

 そこまで言うとシャーロットはきびすを返して作業場を離れた。竜もその後を付いていく。結局最後までダンはシャーロットに応えなかった。作業場を出るとシャーロットは額の汗をハンカチで拭った。工房の中をぐるぐる見ながら扉に向かう。

「人数も変わってなかったし、仕事も少なそうだったし十分いけそうね」

「あの、大丈夫なんですか話を進めて。全然受けてくれそうに無かったですけど」

「あのおっさんが怒号を上げずに最後まで話を聞いてくれたってことはとりあえず聞いてくれるってことなのよ。だから、進めても大丈夫」

「そ、そんなものなんですか」

 竜はまったく分からなかった。ダンとシャーロットには付き合いから分かるお互いの暗黙の了解のようなものがあるらしかった。

「それに、あのおっさんああ言ってキレてたけど実は変わった仕事が好きなのよ。腕が鳴るんでしょうね。竜が客だ、なんて言って黙って断ったりはしないわ。まぁ、とりあえずは大丈夫。良かったわ」

 二人は鍛冶屋を後にする。

 シャーロットがミサゴ4号に乗り込み、竜もその後ろに乗った。

「この後はどうするんですか?」

「後は木材加工の工房と魔法伝導材の加工業者のとこに行くわ。今日でできるだけ回るから。疲れたら帰っても良いわよ」

「いえ、人間の暮らしを間近で見られるのは楽しいんで付いてきますよ」

「そんなもんなのねぇ」

 どるるん、と重低音を鳴らしミサゴ4号が走り出す。日没まではまだずいぶんと時間がある。シャーロットが思う一番の難関はここだったので仕事の準備は順調に行きそうなのだった。シャーロットは軽快にハンドルのアクセルを回し、ミサゴ4号はゆるゆると路地を走って行った。

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