3. マリア・フェルディナン・ピエヒ
設定資料集! 第三弾です。
本当は主人公たるアルフレッド・マンシュタインを紹介するつもりでしたが、第二章執筆中にも関わらず、第三章までのネタバレがあると気づき、急遽予定変更です。
今回はそんな奥深すぎる主人公を、家から引きずり出した自由奔放なヒロイン、マリア・ピエヒの紹介です!
◎基本情報
本名:マリア・フェルディナン・ピエヒ
Maria Ferdinand Piech
愛称:マリー
あだ名:「プロイス鉄騎団の聖母」「猛獣の母」
誕生日:1915年5月31日(物語開始時の年齢:30歳)
出身:オーストライヒ(首都ヴィーン生まれ)
◎略歴
第一次世界戦争(1914年~1918年)の始まった翌年、オーストライヒの首都ヴィーンに誕生。幼いころから機械や工場といったマシン系が大好きな変わり者の女子だった。
ヴィーン工科大学に入学し、電気工学(電動車両)の研究に打ち込むが、1938年にプロイス第三帝国によるオーストライヒ併合(アンシュルス)が行われると、プロイス陸軍より技術者としてスカウトされる。マリア個人としては、祖国を呑み込んだアンシュルスが非常に癪ではあったが、拒否権などないし、まあ研究に打ち込めるならそれはそれであり、と承諾。故郷を離れ、プロイスの首都ベルーンへ移り住む。
陸軍技術局で与えられた仕事は、陸軍が、第三帝国総統が期待をかける
特に8.8センチ砲を搭載したティーゲル・アインス、ティーゲル・ツヴァイ、10.5センチ砲のティーゲル・ドライという3種類のティーゲル重戦車や、パンテル中戦車といった猛獣シリーズは、相対した連合軍将兵を恐怖のドン底へと叩き落とし、これらの開発長官であったマリアは「猛獣の母」や「プロイス鉄騎団の聖母」という異名をとることになる。
しかし、そんな彼女が開発した最強の戦車群を抱えるプロイス軍は、連合軍側の物量に圧倒され、敗戦ムードが濃くなってくる。さらに、物資も不足し、戦車開発においても大きな制約がかかるようになる。曰く、燃費の良い最強無比の次世代重戦車を作れ、と。
そこで、マリアはようやく自身の専門分野に立ち返り、電動モーターを搭載したスチーム・エレクトリック・ハイブリッド方式の新型戦車を完成させる。が、X号試作戦車と銘打たれた怪物は、戦中日の目を見ることなく、ベルーンにあるマリアの邸宅の地下工廠にてひっそりと終戦の時を迎えることになった。
ちなみに、博士号を取得する前にプロイス陸軍にスカウトされたため、
◎容姿
小柄で、瞳の色は青。金髪のポニーテールは、狐のしっぽのようにもふい。
常に作業着を着ている工業系女史。
◎人物像
自由奔放で、楽観的、かつ自信家。常に明るく前向きで、現実主義で悲観論者たる主人公をしばしば叱咤激励している。一方で、お姉さんらしい包容力があり、周りにきちんと気を遣うところもある。感情的な面があり、まれに手を挙げるような、あるいは、挙げかけることも。
「希望を捨てたらダメよ!」という言葉の通り、特に根拠はなくても何とかなるとまずは信じ、前向きに最善の方法を模索し続ける姿勢は、主人公たちの命を救うほどだが、同時に下記件で主人公らを危険にさらすきっかけにもなった。
また、故郷ヴィーンを愛しており、音楽の都と言われるだけあってワルツやクラシック音楽が好きである。
◎ブラコン
『Skorpion』のストーリーを語る上で、マリアのブラコンの話は避けて通れない。そもそも物語のきっかけが、彼女のブラコンなのだ。
弟の名は、フリードリヒ・ヨアヒム・ピエヒ(1921年生まれ)。6歳離れた弟であり、幼少のころから溺愛している。彼女自身は、あくまで姉であれば普通のレベルと豪語しているが、たぶんおそらく決してそんなことはない。
弟フリードリヒは、プロイス政府親衛隊の独立重戦車大隊の指揮官として、主人公の率いる第七装甲師団とともに戦い、その戦闘の最中に乗機がやられ、以後の行方が知れなくなった。
公式には戦死とされ、姉のマリアは絶望していたが、弟の部下たちから実はガーリー軍にとらわれているのだという話を聞き、それならばと希望を取り戻し、救出を手伝ってほしいと主人公たちに頼み込む。
第一章ではあまりお披露目できなかったが、今後も彼女ののろけ話(弟)に乞うご期待!
◎モデル
・フェルディナント・ポルシェ
:言わずと知れた有名自動車メーカーの始祖にして、ナチス・ドイツとも縁浅からぬオーストリアの工学技術者。子供のころから電気に興味を持ち、独学で実験を行っていたほど。現代の電気自動車や一部のハイブリッド車の先駆的存在と言える電気自動車「ローナーポルシェ」を設計し、ナチス・ドイツではポルシェ・ティーガーや、エレファント重駆逐戦車、超重戦車マウスといったガス・エレクトリック方式の電動モーター駆動の車両を設計した。ただの自動車工学者に留まらない興味の幅が、こうした画期的な車両に結実したのであろう。また、ピエヒという苗字は、ポルシェ家の女系傍流として実在するお名前です(怒られないかめっちゃ怖い)。
・マリア・テレジア
:オーストリアの名門ハプスブルク家出身の神聖ローマ帝国“女帝”。世界史の教科書でお馴染みの人物。マリアの名前と、生まれ育ちが古都ヴィーン(ウィーン)である設定は、この女帝から取りました。また、凸凹コンビである主人公のモデルとなった人物の一人が、マリア・テレジアの因縁の敵であり、その辺の作者の趣味……じゃないや意識もあります。
◎まとめ
自由奔放、楽天家、自信家の三本柱で立つブラコン姉の紹介でした!
キャラクターとしては、ダメだこいつ俺が世話しないと、と年下に思わせるような面を持ちつつ、時にしっかり姉もやる、というのが、根本的なイメージですね。
冷徹な合理主義者で悲観しがちな主人公とは、色んな意味で対照的な存在として描いています。
第二章以降も、凸凹コンビのわちゃわちゃした会話劇やドラマに、ご期待ください!!
設定資料集! 第四弾は……やるとしたら、某レジスタンスリーダーか、某ガーリー軍戦車か。その辺りだと思います! お楽しみに!m(-k-)/アウフヴィーダーズェーン
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