2. X号試作戦車補足 独自の機関と足回りとおまけ

 前回の補足として、X号試作戦車(スコーピオン超重戦車)の特徴であるスチーム・エレクトリック・ハイブリッド方式のエンジンと、足回りについて掘り下げて解説していきます!

 最後におまけ付きなので、戦車の機構はよく分からんが、グ○コのおまけは好きだ、という方は、間すっ飛ばしておまけだけどうぞ!



【機関と足回り】

◎スチーム・エレクトリック・ハイブリッド方式

 この独特なハイブリッド方式は、巨大なレシプロ式蒸気機関(左右それぞれの履帯に一対のピストンで動力を伝える二気筒二連式機関)をメインエンジンとし、ついでに発生させた電気を車体後方の蓄電池に貯め、主となる蒸気機関のピストン運動を補助する形で、電動モーターを回すというものだ。


 似たような発想では、ガス・エレクトリック方式(史実では、みんな大好きポルシェ・ティーガー重戦車やマウス超重戦車に採用)やディーゼル・エレクトリック方式があるが、こちらのガソリンエンジンやディーゼルエンジンは、あくまで発電用であり、直接動力を生まない割に重いという問題があった。そこで、ピエヒ技師は検討の結果、蒸気機関であれば、変速機がいらない電気モーター駆動の利点を損なわず、動力発生用と発電用に両用できるとして、スチームタンクを生み出すに至った。

 そもそもガソリンエンジンやディーゼルエンジンは、超重量の戦車で使用すると、変速機(トランスミッション)があまりの重量に耐えられず、破損するという問題を抱えていた。史実でもドイツ戦車の有名な泣き所である。この問題を、じゃあトランスミッションなくせばよくね? という斜め上の方法で解消したのが、ポルシェ・ティーガーやスコーピオンであった。電動モーターや蒸気機関は、トランスミッションが不要なのだ。


 また、トランスミッションがないために、操縦竿はきわめて軽やかに動かすことができ、スコーピオンはその巨体と重量の割に、操作性は非常に良好である。同時代の他の戦車には、操縦にあまりに力が必要なため、ハンマーでレバーをぶっ叩いて動かした、などという話もあるほどなので、驚くべきことであった。


●二気筒二連式蒸気機関

 スコーピオン超重戦車のメインエンジンたるレシプロ式蒸気機関は、二気筒二連式機関というこれまた独特な構造になっている。

 片方の履帯を動かすのに、一対のシリンダーを要し、これが左右あるため、結果シリンダーが四つもあるのだ。だが、四気筒というわけではなく、あくまで二気筒が左右に一つずつあるという状態のため、二気筒二連式と呼ばれるのである。



◎足回り

 足回りは、高性能なトーションバーサスペンションを採用し、転輪はオーバーラップ式で設置されている。

 転輪は、緩衝ゴムを軸部に内蔵した直径1メートルにもなる大きなものだ。走行転輪は2枚1組であり、これがオーバーラップ式に2列並んでいる。1列8枚(外からだと4枚に見えるが、2枚1組のため)、片側16枚、左右合わせて合計32枚も使用している。

 走行転輪より大きい起動輪は後ろ、前には逆に小さなサイズの誘導輪が設けられた。転輪が巨大であるため、上部支持輪はない。


 履帯は幅1メートルと巨大で、32枚の転輪による重量分散効果と合わさり、接地圧を高めている。


 余談だが、足回りの整備をする際には、全長3~4メートルの分厚くて重いサイドスカートを全部で6枚はずす必要があり、大変な重労働だ。




【おまけ】

「(つまらん設定解説で)逝ったかと思ったよ……」

「とんでもねえ、待ってたんだ」


 お待たせしました!

 おまけの、コーナー――――!m(-k-)/デェェェェエエエエエエエエエエンンンンン



「一体何が始まるんです?」

「(オリジナル戦車擬人化とかいう)大惨事大戦だ!」



 と言うことで、おまけは、『Skorpion』の主役、X号試作戦車、もとい、スコーピオン超重戦車を擬人化してみよう! のコーナーです!

 2回にわたってうだうだ書いてきた特徴を、要はこういうことだよ! と美少女にたとえて、分かりやすくまとめちまえ、という超乱暴な企画です。

 さあ前置きはこれくらいにして、いってみましょう!



◎スコーピオン超重戦車擬人化(勝手に通称:スコ子)

 黒ずんだ鋼鉄のロングスカートを履いた、高身長・豊満な褐色娘。髪は黒で、さそりの尾のような太い三つ編みのロングポニーテール。脱いだら凄そうな体付けだけど、全身がっつり黒っぽい甲冑に覆われている。

 右手に長大な14センチ砲を構え、左手には、甲冑着込んでるくせに、さらに巨大な装甲版を盾のように持つ。

 ギザ歯で、口から白い高温の蒸気を漏らす。怪物っ娘じみてる姿である。


 鎧に覆われた姿からは想像できないほど走るのが早い。また、特技として超高速ムーンウォークができる。前に全力ダッシュするのと同じ速さで、ムーンウォークをするらしい。なお、左右方向への俊敏な移動は苦手な直線番長であり、直線でも坂道を駆け上がろうとすると、すぐに息切れする。


 寝起きが悪く、夜型とのこと。一旦休むと、エンジンを再始動させるのに時間がかかるタイプ。


 趣味は森林浴。好きな言葉?は、敵の悲鳴。

 あと、彼女に体重を尋ねるのは絶対にやめよう。そんなこと聞こうものなら、14センチ砲で木っ端みじんにされるか、全身プレス(のしかかり攻撃)で処されることになる。






 ……え、イラストはないのかって?

 それが描けたら、上の文章書いてねえんだよ。

 誰か、私に初めて(のファンアート)くれてもいいのよ?m(-k-)rn..チラッ




 ええ、最後の最後でお目汚し、大変失礼いたしました。

 今回は以上です!

 次の投稿は、考え中ですが、『Skorpion』の主役を紹介しましたから、順当にいけば主人公の番ですかね。


 ではでは、次の設定資料集でお会いしましょう! 本編第二章もお楽しみに!!m(-k-)/

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