神是と駮馬6(中断)
(突然入ってきたキモナシを睨むと、不機嫌そうな表情になった神是)
神是:……………あ?なんだよ……。
キモナシ:何か無茶してない?さっきちょっと気になったんだけどさ…
愁君が懐に潜り込む辺りから、ずっと調子悪そうに見えたんだよね。もちろん、今この瞬間も。
神是:………………………別に何もねぇよ。
キモナシ:じゃあ、その頬に出た蕁麻疹は何?
神是:…………!?(か…痒くねーぞ…)
な…何もなってねーじゃんか。下手なハッタリは辞めろよな……
キモナシ:……ね、僕の引っ掛けに秘めた真意、気付いてる?
神是:…………は?何言ってんだよ…
キモナシ:じゃああれ、無意識なのかな?蕁麻疹と聞いたとたん頬を掻いたのよ。聞いただけで反応するなんて……ね。
神是:…………!そ、それは…(つ、ついうっかりいつもの癖で…)
キモナシ:ま、ちょっと早いけどネタばらししちゃうか。君の発作については日向君に聞いたよ。子供の側に居るとストレス性の蕁麻疹が出るって。
神是:そこまで、知ってんなら…回りくどい事してんじゃ……ねーよ…
キモナシ:……樹。聞かせてくれないかな。どうしてそんなキツい発作を抱えてるのに……愁君の側に?
愁君の言葉を思い返してみたらさ…あの反応が今回初めてじゃないってのは何となく分かったけど……
神是:別にどうしようが…俺の勝手だろ。
キモナシ:そりゃ僕だって、樹の身体に負担が掛かってないならとやかく言わないよ。樹が誰かと接してるのは微笑ましい事だし、うん。
でも……しんどそうな姿の部下を放っておく訳にもいかないのよ、院長としてはね。
だからこそ、樹の真意が知りたい。その上で打開策を見出ださないと……冗談抜きでお互いの為にならないよ?
神是:的外れな勘違い、すんな。何も……毎回こうなってんじゃ……ねーんだよ…
キモナシ:ホントに?この期に及んで下手な嘘、吐かないでよ。しまいには怒るからね。
神是:なら一番最初……俺と駮馬が初めて出会った日の事、よく思い出してみろ。お前が部屋に入ったとき、俺は………こんな調子だったか?
キモナシ:……………うーん……そう言われてみれば、いつもの気だるそうな感じだったような……
(少なくともこんなに調子が悪そうじゃなかった。愁君とも普通に喋ってたし)
神是:だがまあ確かに………最初に蕁麻疹で日向を頼ったのも、あの日だった。
キモナシ:じゃあ……やっぱり?
神是:あれは……卯月ん所でガキんちょに囲まれたせいだ。お前を伝書鳩にした所で要点が伝わらねぇと思ったから、わざわざ出向いてそのザマだ。
さすがの俺も、あん時は久々に後悔したな…
キモナシ:そんな状態に陥って、止めようとは思わなかった?怖いというか……嫌じゃなかったの?
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