神是と駮馬4
神是:…………ちっ、くしょおおお!身体が…痒い!(だからガキんちょ共は嫌いなんだよ!)
(小児病棟を後にした樹は、身体をかきむしりながら廊下を歩いていた)
うぐぐ……蕁麻疹なんて、何年ぶりだ…?(裏を返せばそんなに長い間、距離をおいて経ってんのか…!)
日向:おや、神是さん……珍しいですね、貴方が外を出歩くのは。
神是:ああ………?だ、誰でもいい……!く……薬をくれええええ!
日向:…………!?(これは…蕁麻疹?それもかなり重症の……)私に掴まってください!注射で良ければありますから!
(日向の自室に連れ込まれた樹は、抗ヒスタミン剤のお陰でようやく落ち着いた)
神是:…………はぁ……っ…はぁ………!た、助かった………っ…。
日向:神是さん、何か変なものでも食べました?アレルギー反応に近いレベルなんですけど……
神是:…………………子…供……。
日向:え。い、今……何と?"子供"ですって?
神是:…………ストレス性、蕁麻疹だ。俺は……大勢の子供の傍に拠ると、今みてーに…酷い発作になる。だから、普段は絶対近寄らねーんだ…
(樹は服を脱ぐと下着姿になる。両腕、背中、両足の太腿…下着の内側まで、至るところに発作が現れていた)
(そういや、駮馬と居たときは発作…出なかったな。一人だからか?…いや、あり得ない。出るときは出るのに…)
日向:ふむ……この発症部位、いつもと同じ場所なのですか?ずいぶん特徴的なといいますか…
神是:んな事いちいち覚えて………ん?(胸元が……無傷、だと?いつも掻きすぎて血が出るほど酷いのにな…)
(樹は不思議そうに、自らの胸元を撫でている)
日向:太腿に症状が出ているのに、膝から下は…全く出ていない。背中や腰にはあって、腹部や胸部は出てこない。
まるで蕁麻疹が、その場所を避けているような。
神是:…………駮馬、お前なのか。まさかお前が……?(思い返せば、確かに違和感がある。いつも全身まんべんなく痒くなってたのに。アイツが触れたところは、全然痒くなかった…)
日向:駮馬さん、ですか。(確か、生きてる人間には全く興味がない…とおっしゃっていたような気が…)
良ければその方について聞かせてくれませんか?
(樹は説明をする代わりに、彼のデータを日向に見せた)
………これは…。
神是:野暮用でこいつと行動を共にしてた。そん時に触れた部位はどうやら無事らしいな、妙なことに。
……野暮用については聞くな。"守秘義務"だ。
日向:そう、ですか。念のために塗り薬、要りますか?
神是:いや、いい。薬が切れる頃には治まってるだろう…世話になったな。
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