第252話 取りあえず順調、順調。
アスカ製メイスを生徒たちに渡して、その後訓練をしばらく見ていたが、そろそろお
メイスの
まあ、頑張れ。数日は筋肉痛が続くだろうが、そこを乗り切れば楽になる。可能性もある。
カリキュラム的に言えば、まだ使用するのは先なのだが、一応、訓練用の
アスカとトンネルを使ってショートカットして屋敷に向かいながら、
「思った以上にペラは教官としてよくやっていたな」
タッタッタッタッ。
「そうですね。私も安心しました」
タッタッタッタッ。
「
「どうでしょう。しかし、ペラが
タッタッタッタッ。
「ペラの訓練についていければ三カ月で中級なみの冒険者になると思います。ここ二週間程度で、
タッタッタッタッ。
「パーティーについて言えば、最初は、特に相性が悪いなら別だが、女性四人は同じパーティーの方がいいんじゃないか?」
「そうでしょうね。たった一日しか見ていませんのでこれから先は分かりませんが、同じ部屋で寝起きしているわけですから、同じパーティーでいいとは思います」
「まあ、まだ先のことだし追々な。あの調子なら、ペラに任せておいても問題はなさそうだ」
「そうですね」
高速で走りながらでも息が切れることもないため、普通に会話できるのはかなりすごいし、便利だと思う。
ここまできてしまうと、元の世界に戻れたら、オリンピックでメダルがどうとかでなく、宇宙人としてどこかの組織に
翌朝。
フォレスタルさんが、
見た目は学校の渡り廊下のようなものになるらしい。
フォレスタルさんが帰ってしばらくしたら、こんどは、王宮から土地の使用許可証が届いた。
これで
「ふー、なんとか落ち着いたな」
「そうですね。あとは、冒険者学校の訓練関連で
「そうか。それじゃあ、昼からでも学校の方に行ってポールを立ててくるか。ダンジョンの通路の幅で二本棒を立てて、上の方に目印になる横木をダンジョンの
「その通りです」
「材料の木はどうする? いま俺の持っている在庫だと良さそうなものが
「訓練用のポールですから、適当な木材でいいので、使用許可の出たトンネルの東側出入り口辺りでまっすぐな
「そうだな。あそこら
昼食を終えて、少し休憩したあと、アスカと一緒に冒険者学校に向かう。途中、雑貨屋に寄って、ポールの横木がはっきり見えるように塗ろうと、黄色い
王都の西門を抜けて、そのまま駆け続けて、トンネルの東口に到着。
「けっこう木が生えてるな」
そこから少し山の斜面を登った周りにそれなりの数の直立した針葉樹が
「これくらいでいいんじゃないか?」
「余分に持っていれば、今後役に立つでしょうからもう少し伐採しておきましょう」
アスカはそう言うのだが、あまり斜面の木を切り倒すとよくないと聞いたことがあったので、それから10本ほど追加で伐採しただけで作業は終わらせた。払った枝は邪魔なので俺が収納しておいた。
その後は、トンネルの坂道を駆け上がっていく。アスカが
「ちょっと傾斜がきついから、台車を作るときにはブレーキを考えないとペラでもきついんじゃないか」
「ペラで大丈夫だとは思いますが、ペラが枕木の上などで
「根本的?」
「はい、この際ですから機関車を作ってしまいましょう」
「機関車? 石炭で走るあの
「いえ、既存の魔道具を
「それができれば、すごいことだな。この世界で産業革命が始まるんじゃないか?」
「そんなに数を揃えることはできませんし、魔石はマスターだからこそ簡単に入手できますが、一般では高価なものですのでそこまでの経済的インパクトは発生しないと思います」
それでも、アスカが言い始めた以上、なにがしかの物は完成するのだろう。相当すごいことがこれから起きそうな気がする。
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