第224話 冒険者学校
食事が終わった後、ペラを
アスカの部屋で待機していたペラをアスカが連れて戻って来たので、
「みんなー、
パチパチパチ……。
「マスター、それでは何が何だかわかりません」
アスカにダメ出しされたので、
「それじゃあ、もう一度。ペラは、アスカと俺がきょうまで行っていたダンジョンで見つけて来た。
ドールといって、ゴーレムの高性能版みたいなもんだ。ゴーレムと違うのはモンスターじゃないってことだ。見た目は全くの人間だが、食事はできない。それで食後の紹介になったわけだけど、みんな仲良くしてやってくれ。
ペラ、なんか一言みんなに」
「はい。名前はペラといいます。ありがとうございます」
パチパチパチ……。
ちゃんと意味が通っているところが不思議なのだが、もう少し会話についてはレベルアップした方がいいかもしれない。とはいえ、うちの連中には特に問題はなかったようで、何だかよく分からない自己紹介だったが、みんなもペラはこういったキャラだと思ったらしく、笑顔で拍手してくれていた。
その後、ペラはアスカの部屋にひきあげさせ、俺は居間でアスカと話をしている。
「アスカ、前から思ってたことなんだけどな」
「はい、マスター」
「どうも、冒険者の実力が低いだろう? もしもということはそんなにないかもしれないが、もう少し実力が高くなれば、お金も稼げるようになって生活も安定するだろ。それに冒険者というのは社会の受け皿的な意味合いもある」
「そうだと思います」
「少し前から、冒険者の実力を底上げできればいいんじゃないかと思ってたんだ。それで、具体的には冒険者のために学校のようなものが作れないものかとな。
いま、ちゃんと稼げている連中を対象としても無駄だろうし、教育する側から見ても難しいだろうから、対象はいま全然稼げていないような新人たちにしようと思う。
ある程度の装備は支給して教育期間中の食事の面倒も見てやれば人は集まると思うんだ。今回新しいダンジョンを見付けることができたし、俺がダンジョンマスターにもなった。それで、あのダンジョンを訓練場とした学校を作ろうかと思うんだけどどうかな?」
「マスターはしたいことをする。私はマスターのしたいことを手助けする。全く問題はありません。幸い、ペラは戦闘
「アスカが賛成してくれるんなら、さっそく
「使用許可なら、リーシュ
「よし、それで行こう」
「はい」
翌日の午後。
俺とアスカはペラを連れて、冒険者ギルドを訪れ、ギルマスのギリガンさんと、冒険者学校について話し合っている。
「……、そういったことで、新人冒険者を
「話はわかった。それで、おまえさんはわたしに何をしてもらいたいんだ?」
「まず、そういった訓練学校を作った場合、入校希望者を集めていただきたいということです。入学から卒業までの期間は、アスカどのくらいでものになるかな?」
「3カ月で仕上げて見せます」
「そういうことで、3カ月間訓練するという感じです」
「それなら、簡単だ。安物でも装備がもらえて、食事付き、それで訓練するだけならだれでもその学校に入学したくなるだろう。逆に
「それじゃあ、施設の
「わかった。任せてくれ」
冒険者ギルドの
秘書の人の話では、
翌日昼前に、王宮から使いが屋敷にやって来て、リーシュ宰相からの書面が届けられた。
「10年間、旧露天掘り採掘場跡地および関連施設並びに当該新ダンジョンを
冒険者教育の成果が認められた場合は、上記期間を延長する。
リリアナ殿下が
アデレード王国 宰相 アルマン・リーシュ」
閣議後すぐに対応してもらったようだ。
使いの人には、殿下を訪ねてもいい日を知らせてもらうよう
まだ、確定とはいえないが、こうも物事がうまくいくと、自分の
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