第214話 鉱山2
翌日、屋敷のみんなには、数日
鉱山の跡地なので、途中までちゃんとした道があったが山にはいる
山地の中の
ざっと見渡したところ、池の少し先に坑口が一つあり、池の脇には、試験坑道を掘った時に作ったのだろう
まずは、見張り小屋に行って、話しを聞こうと思い、そちらに駆けていく。
「すみません」
「はい。なんでしょうか?」
「冒険者ギルドから派遣されて、調査に来たものです。これから調査坑道に入って、その先まで調査する予定なんですが、何か変わったことはありませんでしたか?」
「ここで、別の者と1日二交代で監視を続けていますが、二週間前に四人組の冒険者パーティーが中に入っていったきり、いまだに出てきていません。それ以外では、これまで変わったことは起きていません」
「分かりました。ありがとうございます」
ここでは、新たな情報は得られなかった。
小屋を後にして、小道を下って坑口に向かう。
たどり着いた坑口は、二本の横木に上端を
坑道の中でも、坑口付近は外からの明かりで様子がよくわかる。坑道の
すぐにカンテラを点灯して、坑道を
「アスカ、入り口から何メートルくらい下に
「50メートルほどになります」
「そうか。そんなに深くはないんだな。それじゃあ、気をつけて空洞の中に入ってみるか」
貫通部を抜けカンテラで空洞を照らしてみると、空洞の上の方はカンテラの光がやっと届くくらいで2、30メートルはある。左右の広がりも30メートルはある相当広い空洞だった。前方はかなり急な下り斜面でカンテラの光ではどこまで続いているのか分からない。
「マスター、ここから
アスカは俺が手渡したエリクシールをどこかに
「行くか」
「はい」
幸い、足元は赤味を帯びた砂岩のような石だったのですべる感じではなく、あまり苦労することもなく斜面を下っていくことができた。
「アスカ、この穴は何だと思う?」
「何かのモンスターが作った
「そうだよな。この
「可能性はありますから、後方も注意が必要です」
ヤシマダンジョンははっきりしたダンジョンだったが、ここは、自然の空洞なのか、それともダンジョンなのかはいまのところ分からない。見たこともないようなアリ型のモンスターがいたそうなので、未発見のダンジョンの可能性もある。
いまのところ、後方には異常はないようだ。
「アスカなら、この先がどうなっているかわかるかい?」
「このまま斜面が1キロほど続きそこで空洞が広がっています。その広がった所から分岐が数本出ているようです。そこには、モンスターが数匹いるようです」
「モンスターはどんな感じ?」
「ここからだとまだわかりませんが、それほどは大きくはないようです」
最近出番のなかったミニマップを確認すると、確かに前方に黄色い点が数個あるのだが、それ以外に通路の壁の中と思われる周辺に無数と言っていいほどの黄色い点が見える。どうやら囲まれていたようだ。まあ、黄色い点のところを見ると今のところは俺たちに敵意は持っていないようだ。
早めに『進撃の八角棒』を出して、準備しておこう。久しぶりに俺の相棒の出番だ。カンテラをアスカに持ってもらい、八角棒を両手で持って構える。
シャーーーー、
後ろの方で砂が落ちる音がした。
シャーーーー、
シャーーーー、
今度は前、そして、周り中いたるところから砂の落ちる音が聞こえて来た。
「何が出てくるか確認してから対処しよう。敵意はないようだから
「はい、マスター」
ズサッ、ズサッ、ズサッ、……
そんな音を立てて、アスカがカンテラで照らす光の中で砂の上に落ちてきたのは、アゴの部分が異常に発達した真っ黒いアリだった。頭の大きさがちょうど先ほどの孔の口ほどあり、体長は1メートル50くらい。それが数十匹。後ろにもそのくらいいるようだ。そいつらが、アゴをカチカチいわせながら、表情のない大きな真っ黒な複眼でこちらを見ている。
「マスター、アリですね」
「襲ってくることはなさそうだ、少し様子を見よう」
[あとがき]
2020年7月26日。130万PV達成しました。
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