第207話 アスカ造船4、内部機材
船の形がだいぶ整ってきた。あとは、注文中の魔導加速器の到着を待つだけだ。と思っていたら、翌日の昼前に、屋敷に荷馬車が到着し、魔導加速器
「それでは、ぎ装工事を始めましょう」
きのう貼り付けた外板などはかなり硬くなってきているし、パイプやその他の部品もうまくでき上がっているようだ。外から見ると、船底部の丸ガラスのノゾキアナがきれいに並んでいて幾何学模様に見えカッコいい。
「まず、ポンプ用の小型魔導加速器を設置するための台を
今度は、台になる方の構造材だけを切り欠いて、肋骨に渡してはめ込んでいった。
「いったん、台の上に小型魔導加速器を置いておきます。固定は砂虫テープで行いますので、マスター、きのうの10センチ幅で作った砂虫テープをお願いします」
「どうぞ」
アスカに渡した砂虫テープが適当な長さに切断られ、それで、二つ並んだ小型魔導加速器が固定されてしまった。プラモデルより簡単だ。部品を自分で作ることができるのならばだが。
その次は、本体の推進用の魔導加速器だ。
ポンプ用の小型魔導加速器を設置した時と同じように構造材を肋骨に渡し、渡した構造材二本に対し一基の魔導加速器を並べて行き、魔導加速器二基と補助・予備の小型魔導加速器二基が上甲板に大、小、小、大の順に船尾に並列に並べられた。
そしてこれら四基の大小の加速器も、砂虫テープで固定された。大型の方は入念に二重にテープで留められている。そして最後に加速器を
「これで、重要機材の設置を終えましたので、船尾を
渡した
「あとの重要船舶部材は、
「それでは、上甲板の板張りと、上部キャビン、ブリッジを作っていきますので、船舶用木材をお願いします」
建屋の脇の草原に大目に木材を出しておいた。それらが、板や柱に加工されて行く。そのほかに舵の舵輪が一つと、かなり厚い板が一枚できたが、それはおそらく舵の本体部材になるのだろう。
船尾が
そのあとは、ブリッジなどの屋根部分と側面や前面に板を張っていく。前面の窓になるところは四角く、側面は丸く板が抜かれた感じになっている。また前面は全般的に前の方から後方にカーブを描いており、スピード感があるフォルムとなっている。
「それではマスター、窓を取り付けていきますから、ダンジョンガラスを二枚お願いします。そこらに出していただいて大丈夫です」
船の前方、今は何もない上甲板に2メートル四方あるダンジョンガラスを出したところ、瞬く間に加工されて、窓部分にはめ込まれて行く。その上から、別途作った
そして、次は、ブリッジだ。
「次は、
「まず、鉄のインゴット三つを一度丸めて
またアスカの料理教室が始まりました。ということで過程は省略して、立派な錨と舵用の鉄の軸と
アスカも一々船に上るのが面倒になったのか、髪の毛を使って作業を始めた。本人にとってはどちらでも正確に作業できるので同じことなのだろう。
アスカは、軸受けから下げ降ろされた鉄の軸に舵用の板をはめて、自分で作ったボルトで固定していった。
あとは、ロープ、魔導加速器を遠隔操作するためのワイヤーロープの配線。ポンプの配管などが終われば船の基本機能は完成し、内装を残すのみとなる。
「マスター、お疲れでしょうから、お休みください。あとは私がやっておきます」
周りを見ると、すっかり陽も傾いている。
「それじゃあ、アスカ、夕食までには帰ってこいよ。あと出しておくものはあるか?」
「今出ている物で間に合いますから、特にはありません」
アスカには悪いが、妙に肩が
[あとがき]
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