第204話 アスカ造船
[まえがき]
ここから、適当な話を挟みつつクラフト編(造船)になります。
◇◇◇◇◇◇◇◇
アトレアに発つ前、何となくいい
今回アトレアでラッティーの
ラッティーは緑色の
「シャーリー、普段と違った
「ショウタさんありがとうございます」
顔を赤くしてシャーリーが部屋に戻って行った。
こんなに似合うんなら、もっと早く
あと、問題という訳ではないが、ラッティーをアスカの養子にした件で、すでに王宮に
従って、ラッティーは、ラッティー・エンダーとリリム・アトレアの名前を持つことになった。そこらへんは追々調整していけば何とかなるだろう。
そんな感じで、暇な俺の暇な日常が戻って来てしまった。
今は、ガラス張りの温室の中に置いた
知らないうちに、すこしずつ鉢植えなどが増えてきているようで、ちらほらつぼみの大きくなってきているようなものも
シャーリーは学校に行っているので、シローは俺の膝の上でおとなしく首のあたりを俺になでられて目を細め、
シローをなでつつ、ぼうーと、かなり短く
「なあ、アスカ。暇なんだけど」
「それなら、たまにはラッティーの勉強を見てみますか?」
「だって今日の分はもう終わったんだろ? これ以上勉強させたらかわいそうじゃないか」
「困りましたね。そういえば、お正月に船を買おうかなというような話がありましたが、どうします?」
「そうだな。まだ寒い日が続くからそこまで急いで船を買うつもりはないけど、注文するなら早い方が良いよな。それで、船はどこに行けば買えるんだ? その話を振ってきたということはアスカはそこらへんはもう調べてるんだろ?」
「申し訳ありません。まだ具体的には調査していません」
「いや、気にしなくていいよ。そしたら、俺たちの考えるすごい船っていうのを考えて造ってもらえばいいんじゃないか? いま、ボルツさんは忙しくしてるから頼めないのが痛いな」
「それでしたら、いっそのこと二人で造ってしまいますか。砂虫の皮はいくらでもありますから船体を作るのは簡単です。あとは帆を立てればいい線いくんじゃないでしょうか?」
「そんなに簡単にできるかは分からないが、やってみてもよさそうだな。そうだ! まだ家具屋さんでもらった木材がそこそこあるから、アスカ、試しに船の
「それは、良さそうですね。風呂にでも浮かべて、ちゃんと波に耐えることとか確認すればいい船ができそうです」
「それは、本格的だな、面白くなりそうだ」
……
それから一週間、ああでもないこうでもないといいながら何種類かの船の模型を
自分たちの
何度か模型を作り直し、最終的に船の大きさや形を決めた。最初は外洋ヨットのような
それで、船の概要は、
全長:20メートル
最大幅:5メートル
主機:魔導(空気)加速器
補助:小型魔導加速器Mk3×4(1基はポンプ用、1基はポンプ予備)
使用動力源:レベル2以上のモンスターの魔石×12+
最高速度:時速55キロ(30ノット弱)
魔導加速器の改良が進みMk3となった、これまで、レベル3以上の魔石が必要だったものが複数のレベル2の魔石で稼働できるようになった。『ボルツン・ワン』で採用された改良型魔導空気加速器(Mk2)で採用されていた高出力化のための
排水装置の他、重心を下げるためのバラストなどを入れる船底部を除き三層構造。
最終形としてアスカの作った50分の1の模型が、水を張った湯舟に浮いている。模型に向かって手で、前から横あいからいろいろな方向から波をあててやっても
「よし、これならいけるな」
「あとは、これを組み立てていくための枠組みと足場が必要ですね」
「そうだな、それだったら、フォレスタルさんに頼もうか?」
「そうですね。フォレスタルさんでしたらしっかりしたものを作ってくれるでしょうから。私は今度の船の大まかな図面を書きますからそれを元にフォレスタルさんに枠組みや足場を作ってもらいましょう。あと、多目に木材を買っておけば、造船にも、船内の内装にも使えますから、そちらもフォレスタルさんに頼んでしまいましょう」
「それでいけそうだな。魔導空気加速器はボルツさんを通じて注文すればいいだろうしな」
「フォレスタルさんが仕事にかかれば間を置かず、枠組みや足場はできるでしょうから、魔導空気加速器を先に注文しておいた方が良いかもしれませんね」
そのあと、俺とアスカはボルツさんの工房にお
つぎに、商業ギルドにまわって、フォレスタルさんに一度うちに来てもらうよう言づけてもらった。
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