第166話 商店街にて
アスカと二人、商店街に入って
そういった商店の他に、喫茶店や食堂なども並んでいる。ようするに、むかしの日本の少し田舎の商店街のような
料理人のゴーメイさんへのおみやげにと思い、目に付いた食材を、適当に買い歩いて行く。日本でも見たことがあるような食材がちらほら目に付いた。
特に海産物関係の乾物だ。こちらの世界に召喚される前に食材などは全く興味がなかったので、実際のところ、よく似てるかも? といった程度で実は全く違うものかもしれない。
期待値の大きな食材として、
もう一つの期待の品は、海草を乾燥させたもの。大きくて黒い
えーい、面倒だ。そう思って、
その中には、
アスカも、珍しくなにやら買い物をしている。黄色っぽいものや、茶色っぽいものをそれなりの量買っている。何を買っているのかわからないが、ここは一般的な商店街だし、変なものではないだろう。渡されるまま、確認もせず適当に収納していった。
そうやって買い物をしながら歩いていたら、買い物客と店の人との会話といったものでがやがやしていた通りに
その声のした辺りを振り返って何事かと見ていたら、小さな袋を抱えた子どもがこちらに向かって駆けてくる。
俺たちの目の前をそのままその子どもは駆け抜けていったのだが、お
「アスカ、どう思う?」
「最初に駆けて行った子は、それを追いかけていた先ほどの男の持ち物をひったくって逃げていたようです」
「あんな小さな子がひったくりか。親はいるんだろ?」
「おそらく、いまの子は孤児だと思います。生きるためにやむなく盗みを犯したのでしょう」
「そうなのか? この国じゃあ、孤児奴隷の制度はないのか?」
「そういった制度のある国はアデレート王国だけのようです。よく、アデレート王国に他国からやって来てわが子を捨てる人も多いそうです」
「それは、
「それでも、なんとかやりくりしているところは、さすがにリリアナ殿下の父王がすぐれた王さまで、それを支える、リーシュ宰相以下の官僚団が優れているからでしょう」
「ふーん。政治のことはよくわからないけれど、やっぱりアデレート王国はすごい国なんだな」
「そのようです。少なくとも、この大陸では一番安定した国のようです」
「ところでどうする? ああいうのを見てしまうとな、何とかしてやりたくなってしまうんだが」
「今の感じですと、あの子は無事に逃げおおせるとおもいますが、マスターはどうしたいのですか?」
「そうだなー。先回りしてその子を捕まえて
「マスター、そういった子供はおそらくですが心も
「とはいえ、見捨てられないだろ? まあ、やってみようじゃないか」
「マスターなら、そう言うと思っていました。その先もだいたい予想済みです」
「予想済み?」
「いえ、今のは忘れてください」
俺の何を予想したのかは知らんが、アスカのヤツ、イッチョ前に俺を試したのか? ずいぶんアスカも偉くなったものだ。いや、もとからこうだったような気もする。もう思い出せないな。
「それじゃあ、行くぞ」
「はい。マスター」
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