第158話 ハムネア脱出2
地下室で出会った人物にいきなり刀を突きつけられたアスカ。反撃しなかったのは
なので、俺はとっさに、俺は王都ギルドのスミスさんから預かった書状をその人物の方に向けて突き出した。
「これは、アデレート王国の王都にある冒険者ギルドから預かった書状です」
「暗くて、字が読めない。仕方がない」
その人物がそういったと同時に部屋の中に明かりが灯った。明かりの中で、自分の
「えっ?」
目の前にいたのは、声の通り女の人で、右手に持った曲刀をアスカののど元に当てている。本人はアスカの
「アスカ、もういい」
それを聞いてアスカが『ブラックブレード』を
それなりに広い部屋の奥の方に身なりの良い二人の女性がこちらを見ている。確認は必要だが皇女殿下とそのお付きの人に違いない。
そして、この人がおそらくここのギルマスなのだろう。王都のギルマスのキャサリン・ギリガンさんとは違い小柄で
「こんな
受け取った書状を読み終わったのか、刀を収めた女の人がわびてきた。
「すまない。こちらもピリピリしていたもので、先に手が出てしまった。私の名前はソニア・バツー。ここのギルドのギルドマスターをしている」
「分かりました。それで、後ろにいらっしゃる方が、皇女殿下でしょうか? できるだけ早くこの街から脱出した方が良いんですよね?」
奥の方で立っていた二人の女性がこちらに向かってやって来て、頭を深々と下げた。二人とも短髪の上、やや細身の長そでの上着にスラックス姿だ。こうしてみると衣装の独特のケバさはないが、男役の宝ジェン〇を見ているようだ。
「私が、アリシア・パルゴールです。隣が侍女のハンナ・ライヒです。アデレード王国から私たちのためにおいでくださりありがとうございます」「ライヒです」
「頭をお上げください。私は、アデレート王国でAランク冒険者をしていますショウタ・コダマといいます」
「同じくアスカ・エンダーです」
「できれば、すぐにでもこの帝都から脱出したいのですが、お二人は準備などありますか? 荷物があればどんなものでも私が収納してしまいますからおっしゃってください」
「いつでも出発できます」
「持ち物は、そこのカバンだけです」。隣に立った侍女のハンナ・ライヒさんが答えた。
「それでは、カバンは収納しちゃいましょう」
やや大きめのカバンが部屋の隅に置いてあったのでそのまま収納してしまった。アスカ以外の三人は俺が離れたところにあるものを収納してしまったことに驚いたようだ。
「アデレート王国に若いうえにエルフの収納魔法が使える冒険者の方がいらっしゃるとうわさに聞いていましたが、あなた方だったんですね」
「おそらくそうだと思います。それでは、出発しましょう」
あんまり急だったかな? アリシア殿下と侍女のハンナさんの二人とも戸惑って、ギルマスのソニアさんの方を見る。
「今は、夜だ。明日の朝にならなければ、帝都の門は開かないし、門は厳重に出入りが監視されている」
「いえ、外壁の適当な場所に
ですが、恐らく皇女殿下のお顔は見回りの兵隊たちに知られているでしょうからこれをお付けください」
ここでも、アスカ以外の三人は戸惑っている。とはいえ、説明する時間も、説明できる自信もない。一気に話を進めてしまおう。
ここで、この日のためにという訳ではないが、収納庫に
「目くらましのためこれをお二方に着けていただき、私とアスカで帝都の外までお連れします」
「こっ、これは!」
皇女殿下が目を見張った。これは、入団の意思有りと見た。
「これは、アデレード王国で話題となっている、マスカレード仮面の仮面とシルクハット!」
「ご存じでしたか?」
「え、ええ、少しだけですが」
なんだか、皇女殿下の声が先細ったような。そして目も合わせようとしてないような。
アスカの方を見るとあさっての方を向いている。どうやら俺の
ソニアさんがなぜか微妙な
「殿下、実物を見るとなかなか捨てたものじゃありませんよ」
しらじらしさの漂う発言にその場の
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SF『宇宙船をもらった男、もらったのは星だった!?』
https://kakuyomu.jp/works/1177354054897022641 よろしくお願いします。
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