第128話 確認飛行1
「マスター、みんなを『スカイ・レイ』に乗せるとなると、
「そうだなー。俺とアスカは操縦席でいいから、後ろに乗るのが、シャーリーとボルツさん達三人。少なくとも四人分の座席が必要だな。座り
「
「そうだな。そうしよう。後は家具屋で何か良さそうな物があれば買い足そう。キルンのコアルームに置いてきた散髪屋の椅子は座り心地が良かったけど、コアルームから出るとき収納して持ってきてたらよかったな。そのうち、キルン・ダンジョンのコアルームに行って何個か作ってもらうか?」
「他にもいろいろ作れるでしょうから、せっかくコアルームへ行くのでしたら何をコアに作らせるかあらかじめ考えていた方がいいですよ」
「そうだな。何か考えとくか」
座席をそろえるのに王都の
「どうも、しっくりこないなー」
「そうですね。やはり
「そうだ! 材木と金具が有れば、アスカが作れないか?」
「できるとは思いますが、座り
「とりあえず、
「……」
家具屋の人に頼んで椅子の材料を売ってもらった。修理用にとってあった物だったらしいが、子爵の
いったん、ボルツさんのガレージに戻り、隅の方で作業させてもらうことにした。
「どのような形の椅子がいいでしょうか?」
「俺たちが操縦用に座っている椅子を基本形にして、もう少し背もたれを倒した感じがいいんじゃないか?」
「そうですね、背もたれの長さが頭の高さより短いと危険ですからそこも考慮しましょう。材料を出してもらえますか? 一つ作ってみます」
工具も何も使わず、
できた椅子は、木でできただけの椅子であるが、足元から、頭の先まで
試しに座ってみると、
「アスカ、これはなかなかの椅子だぞ、下に毛布を敷いておけば
アスカさんのドヤ顔いただきました。
「これと同じものをあと五つだな」
無数に生えてるアスカの髪の毛は独立した工具なので、部材作りは先ほど試した時と同じ時間で五脚分が完了した。組み立ては、二本の手による作業なのでそこは時間を取ったようだ。それでも六脚全部作るのに十分かからなかった。
でき上がった椅子を全部収納して、『スカイ・レイ』に入り、胴体側面のキャノピーから外を眺めやすいように適当に椅子を並べてみた。座って見るとちょうどよい高さでキャノピーから外が見えるのだが、
「アスカ、椅子の固定はどうする?」
「床は砂虫の皮製になっていますから、椅子の足にきっちり合った孔をあけて、そこに椅子の足をはめ込みましょう」
言ってるそばから、六×四の二十四カ所、床に孔をあけたようで、歩きながら椅子をはめ込んでいってる。試しに椅子を押してみたが、びくともしないようだ、これ以上押すと椅子自身が壊れてしまう。最終的には、本格的な座席を用意しなくてはならないと思うが、あさってのためにはこれでよいだろう。
「座り心地も良さそうやないか。ええやないか」
出来上がった座席をボルツさんに見せ、OKサインももらったことだしこれでよかろう。
「アスカ、ご苦労さま」
「マスター、今回は家具屋を回った流れで、木で椅子を作りましたが、最初から砂虫の皮で作ればよかったですね。固定も楽ですし
そういわれればそうだと思うよ。それでも家具屋で椅子を見たからいいデザインの椅子が出来たんじゃないのかな? ねえ、アスカさん。
「そうだな、暇なときにでも作り直してくれるか?」
「はい。マスター」
言いたいことが有るなら最初から言ってくれよな。
どうやら今がアスカの暇な時だったらしく、言ってる
俺が
『スカイ・レイ』の乗客用座席も出来たので早めに『ナイツオブダイヤモンド』に帰り、エントランスで学校から帰ってくるシャーリーを待っている。ほどなくシャーリーが馬車からおりて来たので三人そろってスイートに戻り、夕食まで居間でのんびりした。
「シャーリー、
「はい。ご主人さま」
「
「はい。楽しみです」
「シャーリー、特に
「シャーリー。おまえもアスカのエンダーの
えっ! て顔をされても。
「それでは、ショウタさん」
赤い顔をして呼ばれた。
「おう。それじゃ、下に降りて夕食をいただこう」
こっちも照れるな。
今、俺たちは『ナイツオブダイヤモンド』一階のレストランで夕食をとっているところだ。
「……、それで、そのお友だちの名前はエメルダさんというんですが、ショウタさんたちが良ければ、ここに遊びにきたいと言っているんです。エメルダさんに遊びにきてもらって
「そりゃあ、もちろん大丈夫だ。シャーリーのお友だちだろ、なあアスカ?」
「シャーリー、全く問題ない。私がその友達がシャーリーにふさわしいか
ふさわしいかの品定めって
「シャーリー、それだったら
「ほんとにいいんですか?」
「もちろんだ。一人増えても何も問題ない。だけど、その友達の
「分かりました。エメルダさんもきっと喜ぶと思います」
シャーリーのすごく
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