第126話 ボルツ新工房2
ボルツさんのところからいったん『ナイツオブダイヤモンド』に戻り、聞いていたフォレスタルさんの事務所に宿屋
戻って来たメッセンジャーによると、明日の九時に『ナイツオブダイヤモンド』にフォレスタルさんが来てくれるとのことだった。
翌日。シャーリーを学校に送り出した後、エントランスのソファーに座ってフォレスタルさんを待っていると、じきに箱馬車でフォレスタルさんがやって来た。あいさつもそこそこに、フォレスタルさんの乗って来た箱馬車に乗り込み、行き先を
馬車の中で、建設中の屋敷の
今度依頼する仕事についても馬車の中で簡単に説明することができた。
普段は半開きのボルツ邸の門を全開にして、箱馬車をボルツさんの敷地の中に入れた。
「ここですね」
待っていたボルツさんに、建築屋のフォレスタルさんを紹介し、ボルツさんの方から新しい工房となる
「お話ですと、ガレージを大きくしたような倉庫っぽい感じの
大体の感じは
そういってフォレスタルさんは乗って来た馬車でさっさと帰ってしまった。
「ボルツさん、フォレスタルさんに任せておけばきっと
その日の午後、四人ほど測量士の人がやって来た。敷地の隅に
次の日、約束通り九時過ぎにフォレスタルさんが図面をもってボルツさんの屋敷というか工房にやって来た。さっそくガレージに置いたテーブルの上に図面を広げてフォレスタルさんが説明を始める。
「これが新
ここで、いったんフォレスタルさんが話を切り、
「あれが
そりゃ目に付くよね。ボルツさんが嬉しそうに笑っている。
「重量物を吊り上げるということなので、柱はかなり太いものを使います。建屋内に露出した
奥の方から、手前まで、四十メートル×四十メートルの間の屋根はご要望通り、簡単な工事で、折りたたむことができるように設計しています。中間の梁も簡単に移動することが可能です」
こんなことを昨日二人で打ち合わせてたのか。すごいじゃないか。これで工房から直接空へ飛び立てるぞ。
「先ほどの折りたたみ前提の屋根の下、高さ十メートルの位置に、壁に沿って幅五十センチで手すりの付いた
外壁は
こちらが、休憩所です。簡単な台所、食堂、バス、トイレが付属しています。水回りは、現状のガレージにつながっているものを利用します。
いかがでしょうか? 工期は一カ月ほど見ていただければよろしいかと思います」
「なんや、すごいんが建ちそうやな。使い勝手はよさそうでええ感じやと思うで」
「ボルツさんがいいなら、これで行きましょう。フォレスタルさん、それでは、これで
「今回は、あまり変更もないと思いまして、見積りは既に
見積書をアスカが受け取り、ぺらぺらとめくっている。すぐにアスカが
「それでは、それでお願いします。代金は
「いえ、コダマさまのお屋敷の方の
「分かりました。それではよろしくお願いします」
「こちらこそ、それでは失礼します」
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