第98話 まさかの学園編スタート?
屋敷ができるまで、することの無くなった俺たちは、たまにリリアナ殿下を訪れ
Aランクのギルド証もすでに受け取っている。シャーリーに見せたらまた目を丸くして、俺たちを尊敬のまなざしで見てくれた。
シャーリーを連れて外出するときは
キルンから王都に来る人から広まったらしく、『ショタアスが来た!』とか言われるようになってしまった。
最初のうち、俺たちの走りで驚いた人からの
ただ、アスカの
ここ数日、王都を巡回する警備隊と出くわすことが多くなった。まさか俺たちのせいじゃないよな?
リリアナ殿下薬物事件の実行犯と思われた
実行犯の実家であるハルベール家も
それでも身内から犯罪者を出したハルベール伯爵家は、伯爵家として公職からの追放と
軽いのか重いのかわからない処分だと思うが、確たる証拠がない以上、いくら身内が重大な犯罪を犯そうがこれ以上の処罰は難しかったらしい。良くも悪くもアデレート王国は
ヨシュア・ハルベール本人については、王族、しかも王位
今の薬剤方はアルマ・ベーアさんが返り咲いた。
一時セントラル港を
ヨシュアが薬物事件の実行犯であったことを知り、リリアナ殿下は大いに悲しんだそうだが、これまで体調不良のため遅れていた王族、しかも現国王の後継者として必要な高等教育を取り返すため勉学に
今日も暇だったので、
殿下も俺たちが訪れると家庭教師から一時的にでも解放されるので大変喜んでくれている。俺にとっても美少女との会話はそれなりに楽しい。
王宮の門衛の人へ最初のうちはリーシュ宰相にもらった通行証を見せていたが、そのうち正門前の大通りを人を
今は、リリアナ殿下の部屋の前のテラスに置かれた白いテーブルに
……
「……ええ、うちには、シャーリーという孤児奴隷の子がいるんですが、歳はちょうど殿下と同じ十三になります」
「そうなんですか。そのお歳で、孤児奴隷の方の面倒を見ておいでとは、さすがはコダマ子爵です」
「ありがとうございます。それで、その子は家事のほかに読み書きができるようなので、将来的にそれを生かせるような仕事につかせたいなと思っている
どこのお父さんだよ。
「シャーリーは計算もそれなりにできます」
おっと、ここでまさかのアスカによるフォロー。アスカは
「それで、十三歳くらいの子が勉強できるような学校みたいなものが王都にはないかと思ってるんですが。あれば、その学校にやってその子の才能を伸ばしてやりたいんです。孤児奴隷から解放したあと、自分の好きな道を生きて行ってほしいですから」
「そこまで孤児奴隷のシャーリーさんのことをお考えとは。やはりお優しい方なのですね」
尊敬の
「どこか、良いところをご存じありませんか?」
アスカに聞くなり、商業ギルドのリスト理事長辺りに聞けば早いのだろうけど、美少女との会話は楽しいからね。
「そうですね、私はこの王宮から
王宮から出たことないってそれマジ? 殿下の話、たまに重くなるよ。
「……侍女達から聞いた話ですが、王都にはセントラル大学という大きな王立大学があってその下に付属校が何校かあるそうなんです。その付属校についてお調べになって、シャーリーさんに合っていそうな学校を選ぶのはどうでしょうか」
「私も不勉強で、そういった知識は持ち合わせていなかったんですが、良いことをお聞きしました」
ほう、付属校か。何か頭よさそうな響きがあっていいな。シャーリーの制服姿も見てみたいしな。
「さっそく調べてみて、よさそうならシャーリーの意向を確認したうえで学校に行かせたいです」
それから、しばらくリリアナ殿下と楽しくお話をし、王宮を辞した。王女殿下も息抜きになってよかったろう。
今は、『ナイツオブダイヤモンド』に戻り、リビングでくつろいでいる。
「シャーリー、突然だが、学校に行って見る気はないか?」
「ご主人さま、どうされたのですか?」
「マスターは、お前の将来のために学校に行くのが役に立つと考えている。私も同意見だ」
アスカうまい。
「俺たちは、新しい屋敷ができるまでここにいる予定だが、シャーリーもここでは時間を持て余すだろ。それに新しい屋敷だと広すぎてシャーリー一人ではまわらないから新しい人も雇う必要があるからな。
新しい人たちの監督をさせてもいいけどシャーリーはまだ若いから監督しづらいだろうし。そのくらいなら、シャーリーが学校で勉強して、将来コダマ子爵家とエンダー子爵家を支える人になってもらいたいのさ」
「分かりました。ご主人さまとアスカさんのために頑張ります。ですが、私はどのような学校があるかは全然わからないのですが」
「アスカさん、お願いします」
何でも知ってるアスカなら何とか答えてくれるだろ。
「マスター、私は何でもは知りません。知っている範囲のことしか知りませんので」
でも知ってるんでしょ?
「シャーリー、私の知っている範囲だが、王都には……」
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