第59話 王都へ行こう2
アスカとシャーリーと三人でキルンの街の中を買い物して回った。
地図も必要かなと思い、書店で王都までの
それを知って、食料の購入や毛布などの野営道具の購入を抑えることができた。ただ、旅行の準備の買い物というのは楽しいもので、色々な店を回って、冷やかして楽しい時間が過ごせた。
ヒギンスさんは、自宅はそのままにして、身の回りの物だけ持って王都に行くことにしたそうだ。
ヒギンスさんの身の回りのものは、すでに俺の収納庫に入っている。今の家については、先に亡くした
ただ、キチンとした契約をしたのか心配だ。いい加減な契約をして
フレデリカ姉さんの方は簡単で、日用品を自分のアイテムバッグに詰めて、そのまま家にやって来て出発するまで待機してるそうだ。
で、俺の家はというと、全部、一切合切収納庫に収納することにした。
これで、この家をいつ引き払ってもいいし、また戻って来てもいいから。ただ、裏庭の井戸には転落防止に木で
大工道具にアスカ、一丁どうです? そんな感じで、以前なんとなく収納していた木をアスカに加工してもらったわけである。髪の毛の斬撃できれいに木を加工してあっという間に井戸の蓋が出来上がったのには驚いた。こういった加工はアスカにとってまさに朝飯前の簡単な作業のようだった。もちろん朝ご飯は食べてるよ。
ヒギンスさんには、明日の朝、北門脇で待ち合わせの約束をしている。
シャーリーとフレデリカ姉さんには、寝具だけ置いた家でしばらく留守番してもらい、その間に俺とアスカで冒険者ギルドと商業ギルドに
「こんにちは」「こんにちは」
これは、さすがのアスカも略せないよね。これを略したら 『ちは』? それだと
まずは今まで通り、受付で二人並んだ女性たちに
「こんにちは。ショウタさま、アスカさま。今日のご用件は?」
近かった右側の女性が答えてくれた。隣の女性はいつものように
「キルンをしばらく留守にしますので、リストさんに
「そうでしたか。今リストを呼びますので、こちらでしばらくお待ちください」
連れてこられた二階の応接室でソファーに座って待っていると、リストさんとお盆を持ったカーラさんが入って来た。
「こんにちは、リストさん、カーラさん」「こんにちは」。立ち上がって
「こんにちは、ショウタさま、アスカさま」
カーラさんは、いったんお盆を置いて、
「こんにちは、ショウタさま、アスカさま」
ソファーに座りなおしたところで、カーラさんがみんなにお茶を配り、自分も着席した。
「しばらく、キルンを留守にされるとか?」
「はい、皆で王都見物をしようと思いまして。ほら、勇者さまたちもまだ王都にいるなら遠目でもいいから拝見できればと。出発は
「なるほど、なるほど。お気になさらずに。ところで、今住んでおられる家の方は、いかがなされますか?」
「とりあえず、家賃も払い済みですから、このままお借りしておきます。さすがに次の更新日までには、キルンに戻ると思いますので。それで厚かましいお願いですが、留守の間、たまに家の様子を見てもらえませんでしょうか?」
「なるほど、なるほど。
王都にいらっしゃるなら、ぜひ王都の商業ギルドにお越しください。紹介状を書いておきましたので、これを先方にお出しいただければ、何かしら
あらかじめ用意されていた紹介状を受け取る。これで何度目だ? リスト=真田 左辺と右辺は等価である。俺の中で等式が成立した瞬間であった。
「ありがとうございます」「ございます」。アスカさん、ここは略しちゃダメ。
「それでは、お気をつけて」「お気をつけて。またのお越しを」
さて、次は冒険者ギルドだ。むさい『キルンのゴリラ男』ことギルドマスターのギリガンさんはどうでもよいが、秘書のローザさん、受付のジェーンさん、それにお世話になってる買い取りのオスカーさん。あの人たちには
「こんにちは、ジェーンさん」「ちはー」
やっぱり御用聞きになっちゃったよ。
「こんにちは、ショウタさん。アスカさん。今日のご用件は?」
「明日から、王都に行く予定なので、ジェーンさんに一言
「あら、急な話ですね。ですがわざわざありがとうございます。ショタアスのお二人がここから離れるとなると、このキルン支部に
「まあ、人生いろいろ、色々ですよ」「
「ひどーい!」
「それじゃあ。」
こんな感じで、この後買い取りのオスカーさん、秘書のローザさんに
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