第49話 幻獣ハプチャメチャチャ
「いただきます」
昼食を食べ始めると、シャーリーがこちらを意味ありげに見つめてくる。
「シャーリー、今回のマスターと私の冒険は、前回同様、大森林でのモンスター
「何ていうモンスターですか?」
シャーリーの目はもうキラキラだ。
「その名も、
「ハプチャメチャチャはどんな感じのモンスターなんですか?」
「大きさで言うと、ヒプチャカメチャチャの三、四倍。触手はないが、頭の先から、強烈な白い色の
まーた始まったよ。話を頼んだ俺も悪いがな。
「それで、ご主人さまとアスカさんはどう戦ったんですか?」
「シャーリー、少し言いにくいので、ここからはヒプチャカメチャチャをヒプチャ、ハプチャメチャチャをハプチャということにするから。
それで、まずお供のヒプチャを先にどうにかしなくては、本命のハプチャは狙えない。
前回のヒプチャ戦では触手を切り飛ばして、最後にマスターの火炎攻撃で
これで、ヒプチャは死んだわけではないが、丸くなってしまい、その
シャーリーが俺を見る目が信仰対象を見る目だよ。相変わらずの18禁展開だが今のところ、アスカにディスられてないな。
「お供のヒプチャが二匹とも戦闘不能になってしまえば、ハプチャは丸裸も同然だ。やつの水弾攻撃は強烈だが当たらなければなんてことない。私がやつの気を引き、そのすきにマスターが準備した指先からの必殺の火炎がハプチャに命中。どうにかハプチャメチャチャ討伐に成功したんだ」
「やっぱり、ご主人さまとアスカさんはすごいんですね」
シャーリーよ。ご主人様を
俺は、アスカの悪乗りの一席の後を引き継いで、
「それでな、シャーリー。そのハプチャは結構頭のいいモンスターだったらしくて、近くの河に
シャーリーはすごくいい笑顔で喜んでいる。
「というわけで、アンジェラさんへのお土産も魚です。後で出しますから好きなのを選んでください。あとヒギンスさん、魚を料理するときは、忘れずウロコと内臓は取ってくださいね」
「えっ? もちろんよ」
そりゃもちろんですよねー。ここにいる男子高校生以外なら。
「魚だけはいたみたいじゃない」
とアンジェラさん。
往復たったの二日で、魚を獲ってくればそりゃあ不審に思うよね。その程度のことを気にしてたらいくらエルフでも老けますヨ。
食事の後、食堂が魚臭くなるのは嫌なので、台所の流しの前まで行き、収納庫から魚を適当に取り出してアンジェラさんに欲しい魚を
俺とアスカは、午後からは冒険者ギルドに報告だ。
いまさらながら待たされることもなく、
「こんにちは、ジェーンさん。ドラゴン調査の依頼が完了しましたので報告に来ました」
「ずいぶん早いようですが、直接、ギリガンさんにお願いします。ギルドマスターの執務室は三階まで階段を上がって突き当りですので」
「分かりました、勝手に三階に行けばいいんですね」
「はい。お願いします。」
「ギリガンさーん。入りますよ」
ゴリには、礼儀も適当でいいだろう。
「おお、入ってそこに座ってくれ。おーい! ローザ、ショタアスが戻って来たから三人分のお茶を頼む」
「はーい。少々お待ちください」
「ずいぶん早く戻ったって思わないんですね」
「ああ、お前らが街道をぶっ飛んで走ってたと報告がずいぶん来ているからな」
「そうですか。それならいいんですが。それで結論ですが、ドラゴンの気配はやはり有りませんでした。指示された通り、大森林中ほどから東に折れて、ユリア河が支流と合流するところまで行って見たんですが。手がかりはありませんでした」
「そうか。わかった。ご苦労さん。これを持って、受け取り窓口へ行って報酬を受けとってくれ」
ゴリの差し出した伝票を受け取って部屋を出ようとしたところで、お盆を持ったローザさんに出会った。お茶がもったいないのでアスカと二人、
これは余談ではあるが、キルンの街でショウタの呪いが
ただショウタにとって残念なことにその
「はて、本当の意味とは何なのか?」
そういった哲学的
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます