第43話 最新式瓶詰め機
男子高校生としては、少し
その間にやったこと。
まず、商業ギルドに頼んでいたポーション瓶が届いたそうなので、受け取りに行った。よく考えたら、小さな瓶と言っても五千本。今のままのアスカ頼みの手作業でいいんだろうか? と、思い至り
といっても、もう一つフレデリカ姉さんのところから、蝋付け機を買って来て、シャーリーにも手伝わせようと思っただけだ。
それから、キルンの周辺を回ってPAポーションの素材となる
「こんにちは、フレデリカ姉さんいますかー?」「いますかー?」
やっぱり略し始めたよ。
「ショウタね。今行くわ」
店の奥の方から若々しい声がした。フレデリカ姉さん、すっかり若い女性になり切ってしまいましたね。
出てきたのは、薄黄緑色のワンピースを着てエルフ姿が
「あの髪飾り、元のとくっつけたんですね」
女性が身に着けているものを褒めるのは、彼女いない歴=年齢の男子高校生にはわずかにハードルが高かったようだ。
「ええ、知り合いの職人さんに頼んでろう付けしてもらったの。妹もこの方が喜ぶと思って」
「そうですよね」
「それで、今日はどうしたの?」
「フレデリカ姉さんのところに、ポーション用の蝋付け機が余ってないかと」
「あれは、たしか中級錬金セットに付けたと思ったけど、もう壊れちゃった?」
「いえ、ちゃんと動いてます。ちょっと、大量にポーションを作ろうと思って、
「それなら、最新式の
「最新式の瓶詰め機ですか?」
「そう、最新式の
ポーションが入り終わったら、作業口から瓶を抜き出して、蓋を締めてから、隣の作業口に瓶の首をはめ込むの。そこは今までの蝋付け機とおんなじ。蝋を入れる皿も大きくなってるから多めに蝋も入れておけるし。しかも、最新式だけあって魔素貯留器式だよ」
だんだんフレデリカ姉さんのテンションが上がって来た。
「ほう、それは便利そうですね」
「すぐに持ってくるから、待ってて」
「重そうですから、手伝いましょう」
「それほどでもないから、気にしないで」
何かいろいろな意味で軽くなったな。アスカといい、フレデリカ姉さんといい、俺の周りでキャラ
将来俺たちのことが、日本でアニメ化でもして
「お待ちどおさま、これが最新式の瓶詰め機。いいでしょ。これ」
「なかなかですね。さすが最新式はカッコいいです」
現代日本の
「でしょう。これぞ、機械ってところが素敵よね」
フレデリカ姉さんはメカオタだったんだ。
「で、おいくらでしょうか?」
「お金はいいわ。この前のお礼として受け取ってくれると嬉しいわ」
「そういうわけにはいきません。なあなあの関係を続けていると関係がやがて
何か俺、カッコいいこと言っちゃたよ。
「それで、おいくらでしょうか?」
「それなら、仕入れ値だけ頂くわ、瓶詰め機も結構高くて、大金貨一枚と金貨五枚よ」
それなりにするんだ。お金を収納から取り出して手渡す。
「確かに。大金貨一枚と金貨五枚受け取ったわ」
「それでは、瓶詰め機をいただいていきます」
瓶詰め機を収納。
「他には何か用はないの?」
「そういえば、以前お願いしていた、上級錬金セットはどんな具合ですか?」
「もうすぐだと思うわ。上級錬金セットが来たら、わたしの方からショウタのところに届けてあげるわ。それと素材もね」
「近いんですから、こちらにうかがいますよ」
「わたしが、ショウタの住んでいるところを見てみたいの。別にいいでしょ?」
「そりゃあ問題ありませんが、フレデリカ姉さんはうちを知らないでしょう」
「ショウタが暇なら、これから連れてってくれる? 店は閉めとくから平気よ」
朝から店閉めて平気よって。この人どうやって生活してんだろう? この店で俺たち以外の客、一度も見たことないぞ。前の道はきれいだけど、人通りは少ないし。
フレデリカ姉さんと一緒なので、俺もアスカも今は歩いて移動中だ。いつも駆け回っていたので新鮮だ。美人二人連れなのですれ違う男の人の目線がきつく感じる。
それと、今後はフレデリカ姉さんは、ばあさん
途中、開いていた例の喫茶店で四人掛けのテーブル席に三人で座り、お茶をした。俺はお茶だけだったが、アスカはお茶と最近よく食べている茶色っぽいケーキ。なんでも栗をつぶして、クリーム状にしたものが乗っかっているとか。フレデリカ姉さんはお茶とクッキーのようなものを頼んだようだ。
「こんなことを聞いては失礼だけど、アスカちゃんはショウタとどういった関係?」
アスカに答えさせるとまた妙な話をでっちあげそうなので、ここは俺が答えておくか。と思ったら勝手にアスカが答え始めた。
「マスターは、私の保護対象です。あらゆる敵から全力でマスターを守ります」
「そういった意味で聞いたのではないのだけれど。まあいいわ。それじゃあ、ショウタから見たアスカちゃんはどうなの?」
「アスカは俺の秘書? 何でも聞けば答えてくれるよね」
「何でもは答えられません、知っていることだけです」
これが久しぶりに聞きたかった。
「何だか、ショウタは訳わかんないわね」
「それじゃあ、そろそろ行きましょうか。支払いは終わってますから」
「いつの間に」
フッフッフ。先ほどトイレに立った時、支払っておいたのだよ。できる男子高校生は、彼女がいなくても初めてのデートのために脳内での予習だけはぬかりなかったのさ。
「気にしないでください。ポーション作りでガッポリ儲けてますから」
「それなら気にしないわ。ありがとう。ご
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