第22話 シャーリー
そういうわけで、今日のToDo。
今日は、家事のできる
「アスカ、家事のできる奴隷を買いたいんだけど、奴隷屋さんに案内してくれる?」
もはや、知ってるか? とか聞くのはやめました。
「家事のできる奴隷でしたら、こちらになります」
ほーらね。
アスカに
目の前にいるのが、主人のハットンさん。見た目だけは善良そうなおじさん。見た目だけとか失礼か。
広めの応接室で、
「どのような奴隷をご希望ですか?」
「家事のできる奴隷の人を探してるんですが。良い人いますか?」
「家事ですか。女性の奴隷ですとほとんど家事は
「そうですね、ある程度若い子で、覚えの良い子がいれば。性的な目的は、……ありません」
ちょっとは考えたよ。
「それでしたら、当店に三名ほどおりますので少々お待ちください」
そういって、ハットンさんが横に立っていた店員さんに何か言うと、店員さんが奥に引っ込んだ。その三人を連れてくるのだろう。
「お待たせしました」
しばらくして、さっきの店員さんが三人の奴隷の人を連れて来た。三人とも洗いたてのような白い
背の順に並んでいるようで、一番背の高い
顔立ちはどれも普通。残念だが、取り立てて美人の子はいない。いや、家事を頼むだけだから顔は関係ない。まあ、可愛いに越したことはないけど。
テンプレだと、ここは美少女が出てくる場面だろ。自分でもいやに引っ張るね。
「一番
「イリーネです。家事は全般に得意ですが 特に
「サロメです。私も家事は全般に得意ですが、その中でも料理が得意です」
「シャーリーです。私は家事は全般的に得意というほどではありませんが、読み書きができます」
料理が得意なのは魅力的だが、読み書きできる子の方が伸びしろがあるか。まだ十三だし。
「三人はいったん下がってくれますか」
三人が店員さんに連れられて部屋を出て行った。
「お客さま、誰か気に入った子がいましたか?」
「はい、シャーリーさんをお願いします」
「
こちらの書類をよく読んでいただき、問題がなければ、こちらにサインお願いします。
……、はい、結構です。代金は金貨五枚ですので。……、はい、ありがとうございます。
その書類にも書いてありますが、確認のため、
奴隷の衣食住は、所有者の責任になります。
また、今回のような、一般奴隷契約の場合、奴隷に対して、性的な強制はできません。
奴隷に対して、最低年あたり小金貨一枚を給金として支払う必要があります。
これらに違反した場合は、奴隷は
奴隷は、所有者の秘密を守る義務があります。奴隷がその義務に違反した場合は、所有者の訴えにより、審議院を通じ、死刑を含むしかるべき刑罰が発生します。
審議院は、訴えた所有者の秘密がたとえ非合法なものであれ、それにより
成人した奴隷の解放は、お買い上げの奴隷商会に於いて、所有者が任意で行えます。従いまして、所有者は未成年の奴隷が成人するまで衣食住の面倒を見る義務が生じます。
また、所有者はいつでも未成年の奴隷を解放することは可能ですが、お買い上げの奴隷商会がその奴隷の経済的
所有者以外の者が、奴隷を雇用することはできません。発覚した場合、その雇用者は厳しく罰せられます。これは奴隷の逃亡を防ぐための規則ですね。
まあ、大事なところは、奴隷の衣食住と給金のところですので、よろしくお願いします」
「すみません、
「審議院というのは、
「シャーリーが戻ってきましたね。シャーリー、あなたの新しいご主人に、ご
小さな袋を抱えて、シャーリーが戻って来た。
「シャーリーです。よろしくお願いします。ご主人さま」
こうして俺は、シャーリーのご主人さまとなった。
シャーリーの短く切り揃えられた髪はやや赤みを帯びた茶髪で、顔には少しそばかすがある。体はやや細身。手足は長めなのでこれから背も伸びるのだろう。衣服はすぐに小さくなるだろうから、気にかけてやらないといけない。
シャーリーを新たに加え、ハットン商会を後にした俺は、シャーリーが
「シャーリー、俺の名前はショウタだ。こっちが、アスカ。アスカは俺の仲間で、ここのところ俺の秘書? そんなもんだ」
「アスカさまよろしくお願いします」
「うーん。アスカにさまはないな、アスカを呼ぶときは、アスカさんにしろ」
「かしこまりました」
「シャーリー、その小袋には、何が入ってる? 重いようなら俺が持とうか?」
「下着類と、わずかばかりの私物が入っています。軽いものですので、ご主人さまに持っていただく必要はございませんし、重いものでもご主人さまに持っていただくことはできません」
言葉が、固いなー。まあ、奴隷だったらそんなもんか。
「シャーリー、左手の『
「いえ、これは入れ墨ではありません。魔法で焼き付けられたもので、痛みはありませんでした。もしも私が奴隷から解放されれば、先ほどのハットン商会で
「そうなんだ」
買い物しながら、買ったものを適当に収納してたら、シャーリーも驚いていた。慣れてくれ。
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