噂の種
鳴子
噂の種
「はあ、すず可愛いなぁ」
すずとは俺の幼馴染みで可愛い女の子だ。俺たちは物心ついた時から一緒にいて、いつの間にか好きになっていた。だから俺は、すずと付き合いたい。でも告白する勇気はない。どうすれば。
「そうだ! 噂を流して付き合わなければいけない状況を作ろう」
いつの間にかこんなクソなことを考えていた。しかし俺は、後に引くこともせずこの作戦をやろうと考えていたのだ。
俺は今日学校に行ってからまず、親友の健太に話しかけた。
「おはよー、ビックニュースがあるんだが聞くか?」
「はぁ! ビックニュースってなんだよ
「ふっふっふー。俺、彼女ができる」
「へー」
「おいもっと興味持てよ!」
「だって嘘だろそれ」
「いやいや、ほんとだって。ほら、すずと付き合うことになったんだよ」
「あーなるほどな。あいつならまぁ信用できるか。まぁ良かったな」
「ああ」
こんな感じでどんどん噂の種を流して行くこと一週間後噂に尾ひれがついてこんなことが流れていた。
「智とすずがヤったらしいぞ」
「やったって何を?」
「ほら、あれだよ。チョメチョメってやつだよ」
「まじかよ!」
やべー……こんなに尾ひれがつくなんて聞いてないぞ。でも今更止めることもできないしどうするか……。
しかし結構拡散しているはずなのにすずは何も言ってこないな。まぁいいか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
最近変な噂が立っている。
私と幼馴染みの智が付き合ってやること全てやったみたいな噂が流れている。誰よ、こんな噂流したの付き合ってるまではまだいいとして、やること全てやったなんて。
「……」
考えると私は顔が熱くなった。
「わ、私はいいけど智がかわいそうよね。……でもこの噂をうまく使えば智と付き合えるかも。でも智って私に興味ないよね。最近なんか全然話さないし」
私は昼食を食べながら呟いていると肩を叩かれた。
「何!」
「私だよ。かな」
「なんだ、かなかー」
かなとは私が一番信用している友人だ。
「すず、最近大変だねー。噂の事とか」
「まぁ、確かにね」
「でもこの際だし告ってみなよ。今なら成功するよ」
「でも、智って私に興味ないよ」
「そうかなー?」
「そうだよー。学校でも目が合うとすぐに逸らされるし」
「それは照れてるだけじゃないかな」
「他にも、小学校の頃はよく遊んでたのに、今じゃ話すことすらできないんだよ」
「それは、女の子として認識されてる証拠だよ」
「なんで、そんなポジティブなの」
「だって、本当のことだよー」
「嘘だー」
「本当だから一回試してみたら?」
「えーでも」
「えーじゃない、行く」
「はーい」
私は仕方なく智のいるところに向かった。
「智はご飯の時は1人で静かに食べたいって言ってたしここにいるかな」
私は静かな場所に着いた。すると智がいた。
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俺は学校の中でも一番静かな場所だろうところで昼食を食べていた。
「噂を流して、二週間。やっぱこれじゃ成功するわけないか……」
俺は途方に暮れていた。二週間あって何にも音沙汰がなかったからだ。
「もういっそ告るか」
そんなことを考えていた時にすずが現れた。
「智……」
「す、すず! なんでこんなところに」
「それはちょっと用があってここにいるかなって」
勝った!これは告られるやつじゃないのか。
「な、なんだよ用って」
「それはね。私と付き合って欲しいなあって。こんな噂も流れてるみたいだしいっそ付き合っちゃえ、みたいな?」
「なんだ、それ」
俺は少しおかしく思い笑ってしまった。しかしすぐにいつもの顔に戻り
「うん。いいよ。俺も告ろうと思ってた時だったんだ。俺からも言うよ。付き合って欲しい」
「う、嬉しい」
こうして、付き合った2人は末永く一緒だったとさ
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「噂の種が拡散することによって付き合った2人の物語かー」
「はい、どうでしょう」
「ボツだな」
「そんなー」
小説家の卵がこんな話を作ったことがあったりなかったり。
噂の種 鳴子 @byMOZUKU
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