第17話

家へ帰り風呂で疲れを癒そうと思ったので湯をわかせる。

15分ぐらいかかるので何をしようか考えていた。

あ、アカウント作ろうかな。

TwitterとInstagramの。

一花さんからも作ったら?なんて言われてたし。

うんそうしよう。

…というわけで作ってみた。まだTwitterだけだけど。

名前には村山澪

プロフィールには俳優です。とかいた。

まぁ、これでいいだろ、、、。

メアドとか登録してたら、あっという間にあと5分でお風呂がわきます、とかアナウンスされたので風呂に入った。

***

「お兄、アカウント作ったの?」

「うん、まぁ。」

「あ、お兄のなのね…。偽垢だと思った。」

「…偽垢じゃないけど。」

え、なんて困惑し見てみると炎上しまくっていた。

DMバンバン来るし、メンションされるし。

まぁ、いきなり本物なんて思うはずもないだろうし、、。

そっか。それを考えてなかった。

「お兄フォローしといたからこれで偽垢だとは思われないと思うよ。」

ないす!!

「ありがと」

これで何とか解決しそうである。


***


なんて思った俺が馬鹿だった。

世奈ちゃん騙されてますよ。

なんてツイートが多数。

ええぇ、仮に俺のファンなんだよな、、。

どうしよ、、LIVEでもするか?

しよう。LIVEしよう。

偽垢だとか思われたくないし。

「世奈ー、LIVEしたいんだけど何でする?」

「んー、今度お兄と颯兄と踊ってみたするし宣伝がてらYouTubeでLIVEしたらいいんじゃない?」

「なるほど、そうだな。」

ん、じゃあ颯も誘った方がいいんじゃね。

「颯兄も誘っておいた!」

ナイスだ妹。

そうなればTwitterで告知しよう。

゛LIVEします。颯と世奈のチャンネルいってください。゛

完了である。

これで偽垢では無いことを証明することが出来る!…はず。


***


颯が来た。

幼馴染だし家近いしそう時間はかからなかった。

颯だけに。

……じゃあLIVEを始めよう。


いつも通りゆる〜く始まった。

「今日はなんとお兄ちゃんがいまーす。」

「どーも兄貴です。」

「澪が来てくれましたー」

これでチャット欄は大騒ぎになった。

゛澪様だ、尊い゛

゛今日は一段とお美しい…゛

なんて感じで。

「今度お兄と颯兄と3人で踊ってみた出します。良ければ見てください!!」

この一言でまた大騒ぎになるチャット欄。

゛とうとう澪様踊るのか。゛

゛絶対見ます。゛

て感じである。

だが中には

゛いや、踊れんのかよ゛

なんて声も上がる。

まぁその声に批判が殺到するのだが。

…宣伝したよね。

他にやることは?

俺のTwitterは??

「次何すんの?」

俺だよね俺だよね。

「特に言うこと無くなったので質問ターイム」

颯、何言ってんだ見損なったぞ。

まあいいや最後で。

「質問です。今日のTwitterの澪さんのアカウントは本物ですか?」

世奈が読み上げる。

誰も忘れてなんかいなかった!

良かった。なんか嬉しい。

「それは本物です。今日とりあえずアカウント作りました。番組のこととかドラマ、舞台とか色々ツイートしていきます。」

「次ー」

「颯くんと愛してるゲームしてください。」

え、なぜそれを選ぶ世奈。

「何露骨に嫌な顔してんの?ため息もして。それでも俳優?」

「それは関係ないだろ」

「そーだそーだ」

親指下に向けでブーブー言う颯。

「ファンサしない踊り手とか…やば。」

「やろう澪」

は?お前まで何を言い出してんの??

「お兄、やって!」

そんな……えぇ…


…結局やることになった。

知らねーよ俺。

てかこういう演技のゲームって俺有利じゃないか?これ。

勝てるかもしれない。

「お前からでいいぞ澪。」

余裕じゃん?勝つよ?

「愛してる。」

俺がドラマでやったプロポーズのシーンの感じで言ってみた。

颯は…下向いてんじゃん、何あれないだろ。

それでも男か!!

しょうがない。

秘密兵器登場だ!

颯の顎を手で支えもう片手で壁に押し付けた。その勢いで自分の顔に近づけ、、、

「終了!!」

世奈、ナイス。俺この後考えてなかったから。

真っ赤になってる颯を放っておき「「ばいばーい!」」

手を振りながら強制エンディングを終えた。






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る