第15話

「おはようお兄。今日ってロケなんだよね。」

「そうそう。一花さんも一緒。」

「一花姉?!一花姉いるの?!」

目をキラキラさせた世奈。

世奈って誰とでも仲良くなれるよな。こわいぐらいに。

一花さん結構歳上なんだけど。なんであんなに気さくなんだか、、、

「一花姉がいるってことは今度の舞台の番宣だね?!」

「まぁ、そう言うこと。」

「いつオンエアする?」

「ちょうど2か月後かな、」

「舞台が始まる前って事だね。」

「そう。早い方がいいなら今週でもいいけど?ダンスの動画。」

「いいの?」

「あぁ。」

ありがとう!とキラキラした目で喜ぶ世奈。

世奈に尻尾が着いていたらそれはもうブンブンと振り回しているだろう。

「お兄さ、前に颯兄に予約しとけって言われてたじゃん。だからいつでもいいよ。わがままに付き合ってもらってるのは私だから。」

「俺は本当にいつでもいいよ。けど流石に明日はやめておいて欲しいかな。仕事終わった後とか鬼畜すぎる。」

ほんとに。それは地獄だから勘弁。だいぶ前だけど収録の後に撮影あって本当に死にそうだったからな。まぁその事は1番世奈が分かってると思うんだけど。

「そんなのしないよ。私も踊ってみたの後にお兄の妹で踊り手だからってインタビューみたいなのあった時結構キツかったからね。」

「キツイよな。」

「まぁ、そんな事分かるのはお兄の周りじゃ私か颯兄しか居ないもんね。じゃあ明明後日でいい?」

「いいよ。予約しておく。」

お願いと言われ、撮影の時のプロデューサーの浅田さんに連絡する。

プロデューサーなのに偉そうじゃないし気さくなのでスタッフさんからもモデルからも好かれている。

俺も浅田さんの性格のおかげで色々楽だ。

携帯を起動させアプリの1番上の連絡先にコールした。


「もしもし、浅田さん?」

゛あぁ、澪くん?どしたん?゛

「あの、妹と颯と動画撮るんですけどぴったりなスタジオないですか?」

゛そういうことね。れやったら伝手で1番ええ所に頼んでみるわ゛

「いいんですか?!」

やばい。最高浅田さん。神。

゛ええで。気にしんといて。後で場所連絡しとくわ。世奈ちゃんと颯くんにもよろしく伝えといてや。゛

「はい。ありがとうございます。失礼しました。」

と言って電話を切った。

浅田さんのおかげでサラッとスタジオが決まった。いつもここで手こずる。

まず予約できないからな、、、

気前よくスタジオの予約をしてくれた浅田さんに感謝しつつ明明後日の動画撮影が決まった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る