第4話


遂にダンスの発表日、当日になった。

流れとしてはグループごとに先生に呼ばれ発表する感じだ。


他のグループはストレッチやアップを始めている。有利、不利が出るからと、最初の15分は別でアップの時間としてとってくれていた。


そろそろ15分だな。

1番最初ってどこのグループだろう、と気になり「あ」から始まる所は、、、

「えーと、相田、陸、坂井、村山のチームだな。」

ですよね〜。

まあいい。ミスしたら目立つ。絶対にミスしないようにー...。集中だ。集中。いつもカメラ越しに踊っているように。って颯はあんま緊張してないな。坂井さんも。相田さんは、、、1番緊張してるな、うん。俺が緊張してる場合じゃない。1番不安で怖いのは相田さんだ。ちゃんとみんなに合わせよう。


少し緊張がほぐれた気がする。


そして音楽がなり始める。


音楽に合わせて足に重心をかける。

腕を回して...なんか楽しいな。久しぶりだからだろうか。

.

そんな事を考えているあいだに音楽が止まり発表は無事終了した。短く感じたが、楽しい時間だからだろう。少し短く感じた。

相対性理論ってやつだな。

…多分。



先生の評価はAで満点だった。そのせいか、発表が終わったあとは拍手されていて少し照れたしむず痒い気持ちになった。だがそれと同時にバレていないか、そんな不安が押し寄せていた。



***


ダンスの発表はミスなく終わり、初心者の相田さんも完璧に踊れていた。澪が分かりやすく丁寧に教えていたからだろう。改めて俺の友人は凄いやつなんだと実感した。


だがその反面良くないこともある。それは俺達の正体だ。俺はバレる可能性が低い。正直俺はバレたところで騒ぎにはなるだろうがあいつほどでは無い。直ぐに収まる。でも、俺が得意なのはダンスだけでダンスが上手いモブなんていくらでもいるだろうからまだ安心だ。



でも、澪は違う。テレビではバラエティでもドラマでも活躍していて熱狂的なファンも多い。知名度も断然高いしさ。


俺はやっぱりちゃんと話し合おう、

と心に決めた。


***


ダンス成功して良かったな、ほっとした。

午前の授業があっという間に終わり俺は購買へ向かった。

あそこの焼きそばパン上手いんだよなー、なんて思っているとブーブーと携帯が鳴る。

すぐさま取りだし電話に出た。

「はい、澪です。」

『あ、澪?緊急!』

相手は少し焦った声色でこう話す。

『臨時のモデルを頼みたいんだけど。元々予定してた子がいたんだけどその子が体調崩しちゃったみたいで。サイズは問題ないからやってくれって連絡来たけど。どうする?』

「大丈夫です。時間は?」

『30分後スタジオ入り』

「は?」

思わず声が出てしまった。

いやいや、え?

『いつものスタジオで大丈夫だから。屋外撮影もやるよ。頼んだ!』

そう言われ電話が切れる。

今の相手は俺のマネージャーの吉谷さんだ。

購買へ向かう足を速め、焼きそばパンと揚げパンを買いすぐに教室に戻る。

「どうした?澪」

と聞いてくる颯に

「ごめん、仮病だ。」

と答えると、納得した顔で

「了解した。」

親指を立て心良く了承してくれる颯に澪は頼もしさを覚えた。


***


荷物を持ち、学校の門を出るまで凄くしんどそうなフリをした。そこはプロの演技だ。問題ない、はずだ。

学校を出てもう見えないだろうと思った所から駅まで走る。

毎日では無いにしろ、ジョギングとか空手で体力を作っておいてよかったと思う。


駅に着きホームで電車を待っている間にパンを口の中にねじ込み、スタジオに着く。

1度警備員さんに止められ、ウィッグとメガネを豪快にとったりと色々あったが難なく現場入りするする事が出来た。

マネージャーの吉谷さんが大丈夫?間に合ったみたいでよかった、と言うので、いやいや、間に合うように死ぬ気で頑張ったんですと、心の中で答えながら、衣装は?と聞くとあっちと指をさされスタイリストさんに手招きされた。


「久しぶりです。安野さん。」

「久しぶり。学校あるだろうにごめんね。」

「大丈夫ですよ。今回どんな衣装ですか?」

「今、春だし夏に向けて涼しめのにしようと思って。どう?」

「いいんじゃないですか?そこに関しては俺よりも詳しいじゃないですか。」

それもそうね、と言いながらハンガーにかかった衣装を次々と選ぶ安野さん。サマーカーディガンとヘビーワイドTシャツ、ワイドパンツを選び、リングネックレスも一緒に渡された。


衣装に着替えた俺は髪の毛を整えられたりなんだかんだあり、撮影がスタートしたのだった。


「澪くんー!今からは屋外撮影に移るけどいいやんね?」

と言ってきたのはプロデューサーの浅田さん。聞いていて変わるとおり浅田さんは関西人でどうだと言うぐらいの関西弁を喋る。


「いいですよ。」


そう言って撮影現場を移動したのだった。




***


いつも通り腹痛って伝えたから多分大丈夫だと思うけど、、、。

視聴回数が稼げるように俺も頑張らないとな。

あ!3人で踊ればいいじゃん。

颯はこの日、絶対に視聴回数を稼ぐことの出来る方法を見つけた。




ーーーーーーーー


あとがき失礼します。

さて第4話になりましたがヒロインなんとなくわかる方いるかもしれませんね?笑

徐々にですがフォロワー様が増えてきていて嬉しい限りです!


それとですね、ある方から名前の読み方を記入して頂けませんか、と頂きましたので平仮名で!

村山 澪

(むらやま みお)

陸 颯

(くが そう)

になります!

わかりにくい名前で申し訳ございません。許してくださいいいぃ。


皆さまの意見、感想お聞かせください(聞きたいです)。萌えシチュとかね。

ここの感想欄でも、ツイッターのDMでも。語り合おうじゃありませんか。


えーとですね、次回は今書き進めている中で私にとって一番好きなシーンがある話になります。大注目!(ハードル上げすぎたな私。何してんだろ)

えー、話が長引いてしまい申し訳ございません。ということでお楽しみに!笑




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