第89話 アキトの『精神世界』にて
~~~
「と、言う様なやり取りがあったっスけどねぇ~。」
「ほぉ~ん、懲りん奴だなぁ~。・・・しかし、何度やってもこの“シーン”はカッコいいよなぁ~。“中世編”は、間違いなくカ〇ルが主人公だよなぁ~。」
「“世界一かっこいい両生類”の名は伊達じゃないっスよねぇ~。けど、ワタシはサイ〇スさんも好きなんっスよぉ~。いいっスよねぇ~、男同士の友情っ!」
「そうだなぁ~。ここまで出来た人間もそうはいないし、迷いながらも前に進むグ〇ンも男だよなぁ~。どっちも流石に『勇者』の“称号”を冠するだけあるわ。俺にも、
「まぁまぁ、セレウス様。もう済んだ事っスからっ!それに、今はアキトさん達も居るっスよっ!」
「・・・うむ、そうだなっ!」
「あのぉ~・・・。」
目が覚めたら、僕は“謎の空間”にいた。
まぁ、これに関してはもはやある程度慣れたが、
どうしよう、この“ゴッドゲーマー”共・・・。( ̄ω ̄;)
いや、僕も“クロ〇トリガー”は名作だと思うけどね?
つか、何か聞き捨てならん内容も聞こえた気がしたが、それよりも、とりあえずツッコミを入れる事にしよう。
「って、何やっとんのじゃ~、この『
「キャッ・・・!!!???だ、ダメっスよ、アキトさんっ!セ、セレウス様が見てるっスからっ・・・!」
僕がアルメリア様の両肩を掴んで振り向かせると、一瞬驚いたものの、その後彼女はしおらしく恥じらってみせた。
いや、そんな展開じゃないんすけど・・・。(´・ω・`)
まぁ、流石に女神だけあって、その破壊力は半端ないが・・・///。
「な、何を勘違いしとのじゃ~!」
「うむうむ、あんなに小さかったアルメリアの嬢ちゃんも立派になったもんだ。アキト、嬢ちゃんの事、よろしく頼んだぞぉ~っ!」(TДT)
「アンタも何言ってのっ!?」
うんうんと頷くセレウス様。
見た目は青年だが、一応かなりの年長者らしいので、その雰囲気はお父さんか親戚のおじさん染みていた。
しばらく、そんな感じでその場はカオス空間と化すのだったーーー。
・・・
「んで、
しばらくして落ち着いた僕は、話を進める事にした。
まぁ、『非常識』には慣れてるからね、おかげさまで。
大変不本意だが、僕自身も周りの人から見たらそう大差ないんだろうけどね。大変不本意なんだが(大事な事なので二度言いました)。
「あれ?覚えてないか?
「あっ・・・、あぁっ~!
「そそ。元々お前が『限界突破』を果たしてからは、自由に
「ふむふむ。んで?何で
「アキトさぁ~んっ!久しぶりなのにワタシの扱いがぞんざいじゃないっスかっ!?アレっスかっ?“倦怠期”ってヤツっスかっ??ワタシの身体にはもう飽きたんっスねっ!!??」
「人聞きの悪い事言わんで下さい。僕とアンタはそんな関係じゃないでしょ~がっ!?」
「そんなぁっ~!!家族同然に過ごして来たって言うのに、あんまりな仕打ちっスっ!!!」
「ええい、話が進まんっ!!!」
何だか“キャラ”変わってない、この
そこに、セレウス様が止めに入った。
「これこれ、アルメリアの嬢ちゃん。アキトが困ってるからその辺にしときなさい?」
「はぁ~い。」
うん。
これ、完全にオトンと子供や。
何か、アルメリア様の“キャラ変”の理由が分かった様な気がするわ。
「悪いな、アキト。アルメリアの嬢ちゃんも中々お前が気付いてくれなかったモンだから淋しかったんだわ。以前の様には嬢ちゃんも『現世』に簡単に『顕現』出来なくなっちまったからなぁ~。」
「はぁ・・・。」
曖昧に頷く僕。
いや、そう申されましてもねぇ~・・・。
「んで、僕が今
「おう、まぁな。」
「本当は、アキトさんが自力で気付いてくれるまで待つつもりだったっスけど、ちょっと
「・・・???」
ちょっと真面目モードになってアルメリア様も説明に加わってきた。
なんじゃらほい?
「何ですか?『
僕は思い当たる節を述べてみた。
今現在の僕らの脅威となる
あるいは、可能性としては低いが、『至高神ハイドラス』の様な『高次』の存在であるところの『神々』ぐらいしか思い当たらない。
まぁ、とは言え、『政治的』や『経済的』な事なら、そうした特殊な『力』を持たない人々も決して油断出来ないんだけどね?
「うぅ~ん、当たらずとも遠からずってトコっスかねぇ~。アキトさんは『
「『
・・・あれかな?
某煩悩少年が活躍(?)するゴーストをスイープする物語に出てくる某カ〇スなじーさんの助手のアンドロイド的な女の子や、某守銭奴美女の事務所に憑依している存在の事だろーか?
「まぁ、それだけではないっスけど、概ね当たってるっス。『
「ふむふむ。」
『SF』作品なんかでは、『
それらも、広義の意味では、その『
いや、ちょっと待てよ・・・?
「・・・このタイミングでその話をするって事は、
「半分正解で半分外れっスね。『魔道兵量産計画』。これは、『古代魔道文明』の末期に、『古代人』達が『
「ほぉ~。それはまたスゴい・・・。っつか、『
じとぉ~っと、僕はセレウス様を見やる。
それに、セレウス様は額に一筋の汗を流しながら目を背けた。
「ま、まぁ、あれだっ!若気の至りってやつだっ・・・!!それに、一応正当な理由もあったからなっ!?・・・一応・・・。」
「ほぉ~ん・・・?」
いや、まぁ、僕も何も全面的に『人間種』の味方って訳でもない。
一応元・おっさんなので、『人間種』の中にも、どうしようもなく救いようのない人達がいるのは知ってるからねぇ~。
おそらく、そうした人達が、何か『神々』の逆鱗に触れる様な余計な事をしたんだろう、・・・多分。
まぁ、しかし、いずれにせよ過去の話だしねぇ~。
「まぁ、そこら辺の過去は『制約』によってワタシ達の口からは語れないので、ご興味があれば、アキトさん自身の手で解き明かしてみて欲しいっス。んで、話を元に戻しますが、もちろん、『精霊』や『妖精(妖怪)』などと言った存在や、『幽霊』・『悪霊』、まぁ、正確には『残留思念』と言った存在なんスけど、の様に、一時的に対処する『手段』は『古代人』達も持っていたっスけど、それを完全に滅する事、あるいは『
「ほうほう。」
まぁ、それはそうだろう。
僕でさえ、アルメリア様の手を借りて、しかも13年以上の時間を費やし、ようやく“
更に、そこから『限界突破』の『試練』をクリアして、初めてその『
(ちなみに、
『霊魂』や『魂』ってのは、以前ルドベキア様やアルメリア様も言及していた様に、『システム』上、『世界』へと『帰化』するから、
そうした『残留思念』は“想い”の塊であるから、
そうした『超常的存在』は、ある種、『魔術』や『魔道』、『魔法』とは近しい関係性にあるので、『
と同時に、『神々』と呼ばれる『高次』の存在も、広義の意味ではその『超常的存在』の『カテゴリー』に当てはまるので、それらに対抗するとしたら、『魔法技術』や『
「それで、『
「さ、流石っスね、アキトさん・・・。」
「うむ、無意識的に『普遍的無意識』に『
「なるほどぉ~。って、おぉ~いアキトさぁ~んっ!戻ってきてぇっ~!!」
「(ブツブツ)・・・ハッ!・・・えと、何の話でしたっけ?」
何か、今一瞬『
「『
「えっ!?そ、それってっ・・・!!!」
「そうっス。脅威的な『
「Oh、マジかよ・・・。」
そら大変な事態だわ。
そのある者ってのが何者かは知らないが、そんな『兵器』が悪しき者の手に渡れば厄介な事になる事は間違いない。
「残念ながら、そのある者と言うのは、ニコラウスと言う男で、間違いなく悪しき者の側っスね。以前『ノヴェール家』のジュリアンさんを唆して、アキトさん達に『
「ほぉ、あの件の犯人がねぇ~。」
っつか、サラッと言ったけど、『
実際には、僕はその男と顔も合わせた事もないのに、そんな影響が出るんかい。
「その男が、『ライアド教』と共に再び僕らを狙ってるって事ですか?」
「いえ、その男は、今現在では『至高神ハイドラス』とは敵対する関係にあるっス。と、言うのも、彼が元々備えていた『力』、『魔眼』って言うんスけど、それは稀少性の高い『能力』故に、一時的に行方を眩ませていた彼のもとに、『至高神ハイドラス』の“持ち駒”である、『
「“内輪揉め”かな?どうせなら、そのまま共倒れしてくれると有り難いんだが・・・。」
「それは無理っスよ。ニコラウスと『至高神ハイドラス』では、“持ち駒”に極端な差があるっスからねぇ~。いくら強力な『兵器』とは言え、『
「マジかぁ~。これ以上『ハイドラス派』の『戦力』が増強されるのは避けたいよなぁ~。」
『至高神ハイドラス』に『ハイドラス派』の者達、更に『
これだけでも、すでに十分大変なのに、そこに『
「だから大変な事になりそうって言ったんスよっ!けど、先程の様子から、アキトさんなら問題なくその『
「Why・・・?」
先程の様子?
一瞬『
「こっからは俺が引き継ごう。その『
「こらこらこらっ!いや、分かり易いけれどもっ!!」
そうした色んな『アストラル』を吸収して、“完全体”、完全な『
「しかし、その為には、『
「ふむふむ。」
どちらにせよ、そんな『兵器』が量産される事はないって事か。
これは、不幸中の幸いである。
とりあえず、今回発見された『
「ところが、話はそう単純でもない。もちろん、お前がニコラウスの野郎から『
「なるほど。つまり、『
「そう言うこった。もっとも、破壊はあまりお薦めしない。と、言うのも、『
「ああ~、その問題がありましたねぇ~。ちなみに、僕が仮に『
「その通りだが・・・。ああ、お前が心配している事はないぞ?お前は、すでに『神性』の『
「そうですか・・・。しかし、また面倒な事になったモンだなぁ~。」
何か僕、
気のせいかしら・・・?
いや、僕自身も結構フリーダムにやらかしている自覚は(多少なりとも)あるんだが・・・。
「面倒ついでにもう一つ問題がある。ニコラウスの野郎が、『
「・・・へっ?ディアーナ公女殿下は無事ですし、『極秘資料』もこちらが握ってますけど・・・?今さら『
誰を擁立するにしても、このタイミングでの『
『情報戦』はこちらが仕掛けた事だが、それで自暴自棄にでもなったんだろうか?
「いやいや、『政治的』な事はお前もまだまだだな。大衆の心理ってのは、それほど
「ほぉ~、なるほどねぇ~。そのニコラウスと言う男は、中々の『策略家』ですねぇ~。道さえ違えなければ、『参謀』や『ブレーン』として活躍出来たでしょうに・・・。」
いや、もちろん僕の『失策』もあるんだけどね?
アンブリオさんが、それほどまでにディアーナさんを溺愛していた事までは、流石に読み切れなかったわ。
しかし、『ネガティブキャンペーン』は、効果的な手法でもある。
確かにその『策略』なら、『
「おいおい、暢気な事言ってる場合じゃねぇぞ?」
「けど、その『情報』を知った以上対処の方法はいくらでもありますよ。僕には頼りになる仲間達がいますからね。アルメリア様も、その一員になった、って解釈でよろしいですか?」
「あれ?やっぱりお分かりになるっスね。」
「それはそうですよ。アルメリアが
「まぁ、その通りだ。アルメリアの嬢ちゃんは、お前の『精神修養』と、俺の『
「僕の『導き手』として『現世』に居た時も、そうやって『情報』をもたらしてくれましたしね。多分、『
「そうっス。まぁ、正確には、『現世』の頃とは違って、アキトさん自身の『精神世界』から直接『アクセス』したんスけどね。
「ほぉ~ん。」
まぁ、細かい事はよく分からんが、『神々』にも色々あるのだろう。
セレウス様も、多分『
そう言った意味では、『情報』に関する事は不得手である可能性が高い。
その点アルメリア様は
「その通りっス。“ペ〇ソナ”の様に『神々』にも得手不得手が存在するっスよ。そうしたアキトさんとセレウス様の『
「・・・セレウス様・・・?」(ゴゴゴゴゴッ)
「ぁん?・・・いや、言ってないぞっ!?アルメリアの嬢ちゃんに余計な事はっ!!??」
「ほんとっすかぁ~・・・?」
アルメリア様の“ペ〇ソナ”発言に、僕はギギギッと首を回してセレウス様を見やる。
それにセレウス様は、慌ててかつての邂逅での出来事を話していないと否定した。
それを疑いの目でじとぉ~と眺める僕と必死に弁明するセレウス様。
いやんいやんと身悶えをするアルメリア様。
と、先程と同じ様に、僕の『精神世界』はカオス空間と化すのだったーーー。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます