第62話 『異世界転移』



◇◆◇



ルキウスの醸し出す『雰囲気』に呑み込まれて、タリスマン達はメイド達に『メイザース魔道研究所地下部分』から、『イグレッド城地上部分』に誘導されていた。

“地下部分”はそれはそれで見た事もない様な様々な物品やなどがあって物珍しかったが、“地上部分”はさらに圧巻の光景であった。

この世の『贅』の限りを尽くした様な美しい建築様式、廊下や壁どころか天上部分まで“芸術”として描かれた壁画、一目で高級品と分かる調度品など、まさしく多くの人々がイメージする『お城』そのものだった。

よくよく見てみれば、タリスマン達を誘導するメイド達でさえ、その見た目から所作、服装に至るまで一点の曇りもない美しさを誇っていた。

事ここに至って、ようやくタリスマン達は『』を感じ始めていた。

革新的な『技術』であった『フルダイブ技術』だが、『LOL』のメンバー達“一般人”が入手可能な『コンシューマー盤』は、あえて“本来”の仕様からは相当に『制限』されている。

そうでなければ、まさしく“現実リアル”と“虚構ゲーム”の区別がつかずに、社会生活に深刻な悪影響をもたらしてしまうからである。

また、まだそこまでの『機能』を“一般人”が入手出来る価格帯で詰め込むのは難しかったと言う事情もある。

なんせ、まだ『実用化』に至ってから歴史の浅い『分野』だ。

まぁ、そんな訳もあり、“解像度が粗い”とか“五感の再現”が甘い部分があり、どことなく“虚構ゲーム”である事を認識させられたのだが、それも受け入れた上で『プレイヤー』達は楽しんでいたのである。

しかし、『イグレッド城』の豪華絢爛ごうかけんらんさ、メイド達の美しさ・質感・存在感はまるで『本物』であった。

それに、今思えば『NPC』である筈のランジェロやルキウスも“自由意思”で動いていた様にも感じる。

“リソース”の観点からも『運営』が“本気”を出しただけ、とは流石にタリスマン達も思えなかった。


「妙だな・・・。」

「・・・ティアさんもそう思いましたか?」


ティアの呟きは、たまたま近くにいたエイボンの耳に届き、彼はそう応えた。


「ああ、聞こえてしまったか、エイボン殿。いや、あまりに荒唐無稽こうとうむけいな話で我ながら頭がおかしくなったのかと思うのだがね・・・。」

「いえ、仰りたい事は分かります。多分ティアさんと僕は同じ事を考えていると思います。・・・、ですよね?」


エイボンの発言に、ティアは目を見開き小声で応えた。


「・・・エイボン殿も感じられたか・・・。」

「ええ。今のティアさんの“”で、ますます僕の中では“確信”に変わりましたよ。」


肩を竦める様に、エイボンは言った。


「“”か・・・。なるほど。しかし、実際問題どうするか、だね。仮定の話だが、儂らはおそらく『』に飛ばされてしまった。『召喚サモン』と言っていたからそこら辺が関係した話だと思うが、儂らの『ステータス画面』は開かず任意で“ログアウト”する事は不可能だ。その事から“強制ログアウト”に期待するのも望みが薄い様に感じる。そもそも『』かもしれないからね。『召喚』された以上『送還』する方法もあると信じたいが、“この手の話”ではその方法がない事も多い・・・。」

「どちらにせよ、判断材料が足りませんね。『召喚』した以上何かしらの『目的』があるのは明白ですので、とりあえずの『安全』は確保されていると思います。ですが、何かに『』される事は大いにあり得ますよね。」

「うむ。そうなると『同調の指輪これ』も少し怪しいな。まぁ、『同調の指輪これ』は儂らで任意で外せる様だから少し考え過ぎかもしれんが、儂らを『強制的』に従わせるたぐいの『アイテム』が有ってもおかしくない。いずれにせよ、警戒はしておいた方がよさそうじゃな。」


ティアは『同調の指輪』を着けたり外したりしながらそう言った。


「皆さんにも注意喚起しましょう。皆さんも半信半疑でしょうが、おそらく『』は持っているでしょうし、『』が経てばおのずと信じざるを得ませんからね。」


エイボンの発言にコクリと頷くティア。

と、そこにメイド達が大きな部屋の前で止まり、その中の一人がタリスマン達に声を掛ける。


「『勇者』様方。しばらくこちらのお部屋でおくつろぎ下さい。主人ーーー皇帝陛下の御準備と皆様の歓迎の御準備が整い次第『サロン』にご案内致しますので。」


最上級のスイートルームも霞むほどの豪勢な大部屋をまるでただの『楽屋』の様に使うメイド達、ひいてはルキウスにタリスマン達はまたしても圧倒された。

『権力の誇示』、そうした意味合いが『王宮』や『貴族の屋敷』にはある。

タリスマン達の反応を見るに、その効果は十分にあった様だ。

その『楽屋』にはすでに別のメイド達が待機しており、タリスマン達に着席を促し、速やかに給仕をするのだった。

ある意味“監視”されている様な状態だ。

相手がメイド達とは言え、警戒してし過ぎる事はない。

さりげなく『同調の指輪』を外したティアは、『LOL』のメンバーに呼び掛けるのだった。


[皆、すまないが“言葉”を発しないで“指輪”を一旦外してくれないか?]


ティアの『言語』は当然ながらメイド達には何を言っているか分からない。

しかし同じ『世界線』、しかも使用していた『サーバー』の関係から、同じ『日本』で生活していた『LOL』のメンバー達には『同調の指輪』をしていても『言語』が通じる。

タリスマン達は、一瞬ティアを見るのだが、言われた通り無言で『同調の指輪』を外すのだったーーー。



[・・・お話は分かりました。]

[ちょっと『』は感じていましたからね。]

[あまりに『』過ぎますしねぇ。]


先程のティアとエイボンのやり取りの繰り返しをティアはタリスマン達に再度行う。

ここは、まず何に置いても『LOL仲間』内で『認識』を共有しておく必要があるからだ。

比較的冷静にタリスマン、N2、キドオカはティアの発言に納得していた。

当然ながら彼らも『』を感じていたからだ。

しかし、ウルカとアーロスはティアの発言に取り乱していた。


[いや、なんでそんな皆さん冷静なんですかっ!?『元の世界』に帰れないかもしれないんですよねっ!?]

[そ、そうだぜっ!あ、いや、ティア姐さんの発言を疑う訳じゃないが、ただの“勘違い”って可能性も・・・。]

[お二人ともお気持ちは分かりますが、どうか冷静になって下さい。]

[そうだな。俺も正直半信半疑だったが、うすうす何か変だとは思っていた。皆も感じていたなら、これをただの“勘違い”と断じるのは楽観的過ぎるだろう。]

[“勘違い”なら“勘違い”で、ただの笑い話になるだけですからそれでも良いのですがね。しかし、もし本当に『』に来てしまったのなら、当然警戒は必要になってきますよ。は今は『敵意』を感じませんが、これからもそうとは限りませんからね。]

[僕らも『アバター』でに来ていますが、『ステータス画面』を開けない以上、僕らが『TLW』時と同じ『力』を使えるかも分かりませんしね。]

[いずれにせよ、今は何より『情報』が欲しい。しかし、『LOL我々』以外の者達を無警戒に信用するのは悪手だろう。まずは皇帝とやらと面会し、『情報』を引き出す事が急務となる。ま、その間にかなり『時間』も経過しているので、“強制ログアウト”される可能性もあるにはあるが、それがなければほぼ確定で『』に来たと『認識』して貰いたい。そうなれば当面は『独り』にならない様に気を付ける必要も出てくるかもしれん。個別で『洗脳』、あるいは何らかの『アイテム』を使われる可能性もあるからな。]


ティアの発言に無言で皆コクリと頷いた。


[しかし、ならば『同調の指輪これ』は大丈夫なんですかね?]

[それに関しては儂もエイボン殿も同様の疑いは持っておるが、今の所問題ないじゃろ。儂ら自身で任意に外す事が可能じゃし、今のところ異変も起きてはいない。ただ単に『意志疎通』を可能とする『アイテム』なのかもしれん。ま、一応警戒はしておくがの。]


話が一段落したタイミングで、狙いすました様にメイド達が何かを訴えてきた。

どうやら“準備”が整った様だ。


[ここまでの様じゃな。皆くれぐれも用心する様に。『同調の指輪これ』を身に付けた状態では余計な発言は控えてくれ。]


コクリと頷く一同。

そして、再び『LOL彼ら』は『同調の指輪』を身に付けるのだった。



◇◆◇



ルキウスがタリスマン達を『謁見の間』ではなく『サロン』に通したのは、当然ながら『計算』あっての事だ。

『権威』を見せつける、『立場の差』を分からせる上では『謁見の間』を利用するのは非常に効果的な『手段』だが、相手の『主義』・『主張』・『思想』・『文化』が分からないのはルキウスもタリスマン達と同じである。

それ故、あまり『権力』をひけらかすのは、むしろ反感を買う事態ともなりうる。

最終的には『LOL彼ら』を傘下に収めるにしても、今はまだ『』に接した方が良いとルキウスは判断したのだった。


「さぁ、遠慮せずに食事を楽しんでくれたまえ。」


タリスマン達がメイド達に連れてこられたのは、先程の『楽屋』よりも更にグレードの高い『大広間』だった。

『サロン』と呼ばれているその場所は、ルキウスが比較的近しい間柄の者達をもてなす『場』である。

これでも『他国』の要人や貴人達との『社交会』や『舞踏会』を行う様な『大ホール』よりも手狭なのだが、ルキウスと懇意になりたい者達にとっては、むしろこちらの方が遥かに魅力的な場所であった。

所狭しと並べられた御馳走に一人一人に専属で付く給仕役のメイド達に囲まれて、しかし、タリスマン達は食事に手を付ける事なく、ルキウスに説明を求めていた。


「いえ、ご歓待はありがたいのですが、我々は先に現状のご説明を頂きたいのです。そちらにも何か“事情”があるのでしょうが、こう言っては何ですが、我々は突然訳も分からず喚ばれたのですよ?」


『LOL』を代表し、ギルド長であるタリスマンがそう切り出す。

『ゲーム』内とは言え、一ギルドの長として、タリスマンはそれなりに『折衝事・交渉事』には覚えがある。

故に、必然的に『進行役』はタリスマンの『仕事』となった。

タリスマンの顔を一瞥すると、スッとルキウスは手を上げる。

すると、メイド達は統制の取れた足取りで、サッと『サロン』から出ていった。

後に残ったのは、ルキウスとランジェロ、ニルにルキウスの側近数名とタリスマン達だけとなった。


「いや、失礼。『』であるそなたらが“事情”を知りたいと思うのは当然であるな。まず落ち着いてからと思ったのだが、そちらの話を済ませてからとしよう。」


男性から見ても魅力的に見える微笑を浮かべ、ルキウスはそう言った。


「それでは最初に。“ここ”は、“この世界”はどこなのでしょうか?」


そんなルキウスに負けじとタリスマンもなけなしの『胆力』を発揮して質問した。

それには、ルキウスではなくランジェロが応える。


「それは私から。ここは『アクエラ』の『ロンベリダム帝国』、『』である『勇者』殿達には、『』と言った方が分かりやすいでしょうか?」


一瞬メンバー達がざわつくのだが、タリスマンは落ち着いた口調で次の質問をする。


「なぜ我々は喚ばれたのでしょうか?」

「それは余から答えよう。この世界アクエラには『モンスター』や『魔獣』と呼ばれる脅威があるのだが、帝国民じんるい』は団結してそれらの脅威に立ち向かってこの場の様な『生活圏』を得ているのだ。それらだけなら、我が精強なる『帝国軍』で対処出来るのだが、我が帝国は未開の『蛮人バルバロイ』や恐ろしい『』達からの侵略の脅威にも晒されておる。その為、余が命じて『現代技術』を遥かに越えた『古代魔道文明』の『遺産』の研究をさせておった。何かしらの『対抗手段』を獲られるのではと期待しての事だったが、その結果そなたらを喚ぶ事態と相成った。」


ルキウスはすでに一手打ってきた。

虚実を混ぜた『情報』と『印象操作』。

“嘘”は言っていないが“真実”も言ってはいない。

わざと相手に“憶測”や“誤解”を与える様な言い回しをする事で、タリスマン達の『思考』を誘導しているのだ。

もちろんボロが出る事もない。

少なくとも、『帝国内』ではこれは“事実”だからだ。

『王候貴族』との付き合いの中で、ルキウスは『観察眼』、特に『人間』の“本質”を見抜く事に長ける様になっていた。

タリスマン達も十分に注意・警戒してはいるが、こればかりは『経験値』が違い過ぎる。

ちょっとした“仕草”、“視線”、“呼吸”からでも意外と『情報』と言うのは入手が可能だ。

その中で、ルキウスはタリスマン達の心の内に秘められている『英雄願望』とか『正義感』、あるいは『自尊心』や『承認欲求』を垣間見たのだった。

ここら辺を『刺激』するのが効果的か、とルキウスは瞬時に判断する。


「その“争い”に我々を『』しようと?」

「もちろん協力して貰えれば有り難いが、強要するつもりはない。いくらそなたら『』がとてつもない『』であっても、『戦争』と言うモノはそれだけで勝てるモノではないからな。むしろ、『帝国民じんるい』の“護り手”として『失われし神器ロストテクノロジー』の捜索の方に協力して貰いたいと余は考えている。」


ルキウスがタリスマン達を“戦争利用”しないと明言した事により、あからさまにホッとした様子の者達もいた。

その様子をさりげなく『観察』し、やはりいきなり“戦場”に送り込むのは悪手だと理解した。


「『失われし神器ロストテクノロジー』とは?」

「『古代魔道文明』の『遺産』の総称だ。そなたらを喚んだのもその『遺産』の『力』だ。」

「・・・その『力』があれば、我々が『元の世界』に帰る事も可能なのでしょうか?」

「その可能性はあるが・・・、ランジェロ。」

「『勇者』殿と陛下の仰る通り、その可能性はありますが、今現在我が帝国で保管している『遺産』には、その様な効果の『遺産』は御座いません。」

「そう、ですか・・・。」


『元の世界』に帰る『手段』があるかもと期待したのだが、ランジェロの発言にガクッと肩を落とした。

しかし、少なくともその“可能性”や“手掛かり”があったのはタリスマン達としては朗報だった。


「・・・すまぬな。我々も多少焦っていたのもあるし、ある意味“”と思っておったフシがあったのかもしれん。そなたらに対する配慮が足らなかった。『元の世界』に帰りたい、『自分の家』に帰りたいと思うのは当然の事であるな。そなたらの“表情”を見て、今更ながら思い知らされたわ。喚んだのは我々である以上、そなたらの『』は余が保証しよう。」


ルキウスは殊勝な言葉を吐くが、もちろんこれも『ブラフ』だ。

論点をずらし、『責任』の追求を避けるのは『政治家詐欺師』の“常套手段”だ。

今回の『召喚』も、あくまで『古代魔道文明』の『遺産』の研究をしていた末の『事故』であると印象付け、一時はその成果に喜んで見せたのだが、『』もやはり同じ『』なのだと気付き、“方針”を変更した、様に

結果的に、タリスマン達にとっても『失われし神器ロストテクノロジー』は『帰還』の“可能性”や“手掛かり”であるので、そこは否が応にも『協力』せざるを得ないと分かった上でだ。

それを“切っ掛け”に、なし崩し的に『帝国』に傾倒させていく“流れ”にする事がルキウスの狙いであった。

あえて、『』とか『』の保証を明言していないところが、ルキウスのしたたかなところだった。


「ところで、なぜ我々が『』であると判断したのでしょうか?その『失われし神器ロストテクノロジー』の『力』だと言われてしまえばそれまでなのですが。」

「そなたらの『世界』には『ステイタス』がないのか?我々は『ステイタスそれ』で様々な事を判断するのだが。」

「『ステータス』っ!?『アクエラこの世界』にもあるのですかっ!?」

「う、うむ。ランジェロ。」


急に身を乗り出して来たタリスマンに、これは“素”でたじろぎルキウスはランジェロに説明を促す。


「あくまで『ステイタス』は『個人情報』なので、本人の承諾なしに細かい事は調べられないのですが、それでも最低限の『情報』は得る事が可能です。我々は、『勇者』殿達を“『勇者』殿”であると判断したのも、その『情報』からですな。『アクエラこの世界』では『最高レベル』が“500”であるとされているのです。ですが、それはあくまで通説であって、実際にそこに到達した者達は、『アクエラ』の『歴史』でも稀で、『神話』や『伝承』・『伝説』のたぐいの話だと思われておりました。」

「実際、余の側近にして“精鋭中の精鋭”である近衛の者達でさえ、レベルで言うと350前後だ。『アクエラこの世界』の“生ける伝説”にして“人間種最高峰”の『S級冒険者』、またそれクラスの者達でさえレベル400前後と言う話だしな。」

「それが、もうお察しの通り『勇者』殿達はレベル500カンストでした。これで『強者』でないとは我々も判断致しかねますな。」

「ご、500っ!?」


タリスマン達は驚愕の表情を露にした。

『アバター』姿で『アクエラこの世界』に『召喚』された事、ルキウスが示した『モンスター』や『魔獣』の存在から、『アクエラこの世界』が『ゲーム』に似通った『世界観』を持っている事は何となく察していたのだが、『TLW』の『レベル』の“最高値”はレベル100であったからだ。


「おそらく、多少『』が違うのじゃろう。本人であれば、事細かく『ステータス』を調べる事が可能ですか?」


軽いパニックに陥ってしまったタリスマンに代わり、ティアがそう質問した。


「もちろんです。と、申しますか『アクエラこの世界』では『ステイタス』を行政機関や『冒険者ギルド』で登録しないと様々な施設や各種行政機関を利用する事が出来ません。また、就職などにも『ステイタス』は利用されています。」

「本当に『個人情報』とか『身分証明』、『履歴書』に近いのだな・・・。」

「『勇者』殿達は、今現在『アクエラ』においては“いる筈の無い者達”となりますな。先程申し上げた通り、行政機関や『冒険者ギルド』で登録をしない事には、出来る事は限られてしまいます。」

「・・・ふむ。」


ティアは瞬時にこの『忠告』を一種の『警告』であると判断した。

ルキウス達の発言を信じるなら、『LOL自分達』がこの場から力づくで逃げ出す事は容易な事の様だ。

しかし、それはであっても『デメリット』が非常に高い。

アクエラこの世界』の『情報』を持たず、『』も分からず、なおかつ『一国』の主に『敵対』して生き抜くのは至難の技だろう。

しかも、ルキウス達の発言を信じるなら、今現在の『LOL自分達』はとてつもない『』だ。

逆に言えば、様々な『勢力』から付け狙われるに値した『価値』を持っている事でもある。

『社会システム』上、『LOL自分達』の『力』を誰にも知られずに生きていく事は困難である様なので、ここで『関係』を破綻させる事は緩やかな自殺行為だろう。

それならば、逆にルキウス達を『』して、徐々に『情報』を収集しながら『』を把握していく事が望ましい。

『戦争』に関しては正直タリスマン達にはどうでも良い事だ。

同じ『人間』の危機かもしれないが、それはどんな悲惨な事柄でも『アクエラこの世界』の者達で解決すべき事案だ。

それを『』である『LOL自分達』に押し付けるのはお門違いだろう。

ま、一応それに関しては“強要”しない事を明言していたが、逆に言えば、“強要”でなければ『』する気はあると言う事でもある。

そこら辺は、引き続き警戒する必要があるだろう。

それとは別に、『失われし神器ロストテクノロジー』に関しては、むしろ積極的に『LOL自分達』が関与する必要性を感じていた。

失われし神器ロストテクノロジー』は『LOL自分達』が『元の世界』に『帰還』する為の“手掛かり”であり、少なくない“可能性”だ。

裏を返せば、ルキウス達にとっては折角手に入れた『』をみすみす手放す事にもなりうるので、こちらにも『協力』しなければ、そうした『遺産』の『情報』を握り潰される可能性も高い。

『協力』していると見せかけて恩を売りつつ、『情報』を確保するのが望ましいだろう。


「いずれにせよ、そなたらの『』を『皇帝』の名において保証すると明言したので、そなたらの『身分』や『住居』などはこちらで用意しよう。“手続き”は面倒だが、『個人情報』なのでそなたら自身に頼む事となるが、今後の身の振り方はゆっくり考えれば良い。」


政治家ルキウス』としても、『宗教家ニル』ら『ハイドラス派』としても、『持久戦』や『根比べ』は慣れたモノだ。

圧倒的な『強者』であり、『貴族』に引けを取らない高い『教養』を有しており、頭も回る様だが、それでも『LOL彼ら』は『ペテン師ルキウス』達の『敵』ではなかった。


「ありがとうございます。しばらくお世話になります。」


日本人由来の『常識的判断力『本音』と『建前』』を持つが故に、『LOL彼ら』はルキウスに、ひいては『ロンベリダム帝国』と表立って『敵対』する道は避けて、『情報』を集める為の『時間稼ぎ』をする事としたのだった。

こうして、のちに『神の代行者アバター』・『神徒』として祭り上げられる事となる『LOL』のメンバー達は、様々な思惑や駆け引きの中で『ロンベリダム帝国』で過ごしていく事となったのだったーーー。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



『LOL』のメンバー達の、この世界アクエラでのステイタス。



名前:ククルカン

性別:男

種族:魔族(『アバター』の見た目上)

職業:『LOL』メンバー、『暗黒神官ダークプリースト

年齢:28歳


レベル:500

HP:4700

攻撃力:4700

防御力:4700

力:4700

耐久:4700

器用さ:4700

敏捷性:4700

素早さ:4700

知性:5000

精神:5000

運:3963

魅力:4700


魔素感受性:100

魔法習熟度:1000


(特記事項:『異邦人』、『異能力者』、『カルマ値』・邪悪

『LOL』メンバー

称号:聖職者クレリック神官プリースト高位神官ハイプリースト黒聖職者ダーククレリック暗黒神官ダークプリーストなど

特殊技能:体術、格闘術、鈍器、白魔法、古代神魔法など)



◇◆◇



名前:ティア

性別:女

種族:人間

職業:『LOL』メンバー、『巫女シャーマン

年齢:24歳


レベル:500

HP:4700

攻撃力:4700

防御力:4700

力:4700

耐久:4700

器用さ:4800

敏捷性:4800

素早さ:4800

知性:4900

精神:4900

運:4230

魅力:5000


魔素感受性:100

魔法習熟度:1000


(特記事項:『異邦人』、『異能力者』、『カルマ値』・中立

『LOL』メンバー

称号:吟遊詩人バード踊り子ダンサー歌姫ディーヴァ魔獣使いビーストテイマー巫女シャーマンなど

特殊技能:体術、弓術、鞭、歌唱、神霊術など)



◇◆◇



名前:アーロス

性別:男

種族:竜人族(『職業』上、『竜族』の“血”を受け継いでいると言う『設定』になった)

職業:『LOL』メンバー、『竜騎士ドラゴンナイト

年齢:16歳


レベル:500

HP:5000

攻撃力:5000

防御力:4900

力:5000

耐久:4900

器用さ:4700

敏捷性:4700

素早さ:4700

知性:4800

精神:4800

運:1982

魅力:4700


魔素感受性:70

魔法習熟度:700


(特記事項:『異邦人』、『異能力者』、『カルマ値』・中立~善

『LOL』メンバー

称号:戦士ファイター剣士ソードマン剣聖ソードマスター魔法剣士ルーンナイト竜騎士ドラゴンナイトなど

特殊技能:剣術、槍術、黒魔法、付与魔法など)



◇◆◇



名前:ドリュース

性別:男

種族:人間

職業:『LOL』メンバー、『召喚士サモナー

年齢:18歳


レベル:500

HP:4700

攻撃力:4700

防御力:4700

力:4700

耐久:4700

器用さ:4800

敏捷性:4800

素早さ:4800

知性:4900

精神:4900

運:3189

魅力:5000


魔素感受性:100

魔法習熟度:1000


(特記事項:『異邦人』、『異能力者』、『カルマ値』・悪~中立

『LOL』メンバー

称号:吟遊詩人バード道化師クラウン宮廷芸術家ミンストレル魔物使いモンスターテイマー召喚士サモナーなど

特殊技能:体術、弓術、鞭、歌唱、召喚魔法など)



◇◆◇



名前:エイボン

性別:男

種族:人間

職業:『LOL』メンバー、『大賢者ワイズマン

年齢:20歳


レベル:500

HP:4700

攻撃力:4700

防御力:4700

力:4700

耐久:4700

器用さ:4700

敏捷性:4700

素早さ:4700

知性:5000

精神:5000

運:4092

魅力:4800


魔素感受性:100

魔法習熟度:1000


(特記事項:『異邦人』、『異能力者』、『カルマ値』・中立

『LOL』メンバー

称号:魔法使いマジックユーザー魔道士ウィザード大魔道士アークウィザード賢者セージ大賢者ワイズマンなど

特殊技能:杖術、短剣術、黒魔法、精霊魔法、古代語魔法など)



※・『TLW』時の『ステータス』はこの世界アクエラ基準の『ステイタス』に再構築されている。

・『スキル』・『魔法』に関しては、『TLW』時のモノをそのまま使用可能。ただし、この世界アクエラ基準に『変化』あるいは『劣化』している場合がある。

・なお一部『スキル』に関しては“感覚”に置き換わっている。

・『TLW』の“精霊魔法”と、この世界アクエラの“精霊魔法”は若干種類が異なる。

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