『神の代行者【アバター】』
第60話 新たなる旅立ち
『天空神ソラテス』と『大地神アスタルテ』より与えられた『地』はまさしく『楽園』であった。
穏やかな気候に、多様な食用果実の木が生い茂り、老いも苦しみも争いもない。
『人』は『夫婦神』の言い付け通り、この『地』を支配すべく、果実を管理し、動物を飼い慣らし、子孫を増やす為に『最初の人』・アベルと、『最初の女』・ジールは契りを結び、『人類』初めての『夫婦』となった。
『仕事』を離れ『眠り』に就いた筈の『天空神ソラテス』は、アベルとジールに言い残した事があり、再び顕れて言った。
「そなたらは夫婦になったのであるな。それでは『祝福』を与えよう。我らの『宣言』の通り、『ワースの園』をそなたらの『種』で満たし、生き物を従わせて、満ちるがよい。ただし、『石板』に触れる事は固く禁ずる。」と。
『ワースの園』には、『偉大なる神々』の栄光を記した『神々の石板』と呼ばれる『石碑』があった。
『夫婦神』が『眠り』に就く間に、『人』が『偉大なる神々』の栄光を忘れない為の物である。
アベルとジールは『天空神ソラテス』にひざまずいて宣誓した。
「「承りました、我が父よ。再びのお目覚めの際には、この『地』を我らが『種』で満たした所を御覧に入れましょう。」」
その言葉に、『天空神ソラテス』は満足して頷き、やがて去っていったーーー。
~中略~
『人』を創る時の『失敗作』として流された『原初の
セロスは、アベルとジールと違い、『ワースの園』への立ち入りを禁じられた為、老いや苦しみや争いに苦しんでいたのである。
その為、その嫉妬心から、この『天空神ソラテス』に『祝福』されたアベルとジールをどうにか貶める事が出来ないかと考えていた。
『似姿』の『失敗作』としてのセロス、『人』の『姿』に近しいが、男女両方の特徴を持つセロスでは『ワースの園』に立ち入る事は叶わないが、セロスの歪んだ邪悪な心は、自身の『姿』を変化させる事に成功した。
こうして、セロスは『ワースの園』に侵入し、アベルとジールを唆す事とした。
~中略~
自身を『導く者』だと謀り、セロスはアベルとジールに触れる事を固く禁じられていた『神々の石板』に触れさせる事に成功した。
「これは『神々の力』その物です。これに触れれば、アベル様もジール様も『偉大なる神々』の様になれますよ。偉大なる方のお命じになられた『偉業』を達成されるなら、そうした方が『偉大なる神々』もお喜びになるかと存じますが。」
「しかし・・・。」
「それは・・・。」
「アベル様とジール様の迷いも尤もかと存じます。ならばせめてよく御覧になってはいかがでしょう?触れる事を禁じられていても、見る事は禁じられてはおりませんでしょう?」
それならばと、アベルとジールは初めて間近で『神々の石板』を眺める事にした。
描かれている事は理解が出来なかったが、偉大なる創造をされた事はアベルとジールの心にも理解出来た。
夢中になった二人は、もっと知りたい、もっと近付きたいと言う無意識の思いから、知らず知らずの内に『神々の石板』に触れてしまっていた。
すると、二人は目を見開いた。
『石板』に触れた事により、二人は『偉大なる神々』の様な『知恵』を手にしたのだ。
しかし、それは二人から無垢な心を奪い、恥じる心を生み出した。
二人はお互いが裸でいる事を知った。
それで、樹木の葉を使い秘部を隠した。
『天空神ソラテス』は二人が『石板』に触れた事を知り激怒した。
『原初の
「見よ。お前が起こした災禍により、地上は死と混沌の支配する『地』となった。お前はその責を負い、『奈落』へと追放する。」
「おお、『偉大なる父』よ。謹んでお受けしましょう。しかし、私も『偉大なる神々』の創り出しし者。その事をゆめゆめ忘れませぬ様に。」
そう言い残し、セロスは『奈落』に追放された。
その『地』で、セロスは『奈落』を支配する『魔神』となった。
続いて、『天空神ソラテス』は、言い付けを守らなかったアベルとジールを『ワースの園』より追放する事とした。
「そなたらは我の言い付けに背き『石板』に触れた。よってそなたらをこの『ワースの園』より追放する。」
この時より、『人』は額に汗して働かねば“飢え”をしのぐ事は出来なくなり、『原初の獣』達との“生存競争”を生き残らねば、生存する事を許されなくなった。
女性は子どもを産む事に伴う痛みが与えられる様になり、男性に服従する事を余儀無くされた。
「さぁ往くが良い。そなたらは我らと同じとなった。」
こうして『天空神ソラテス』は二人を『ワースの園』から追放し、『神々の石板』の『真の開放』を恐れて、『楽園』の『門』に『断罪者』・セシルを置き、煌めき回転する剣を置かれたーーー。
―『アクエラ創世記 楽園追放』の記録の断片より―
◇◆◇
アキトが
当然ながら『地球』でも同様に時間が流れた訳なのだが、正確には『地球』と
まぁ、それでも『地球』においても、それなりの時間が流れたのは間違いない。
さて、ではなぜそんな話をしているかと言うと、『ロンベリダム帝国』に持ち込まれた『
かつて、アルメリアも予測した通り、また『至高神ハイドラス』も理解した通り、この『召喚』はかつてない程の成功を収めた。
『
ただ、ここで思わぬ
『現代地球』で所謂『
アキトが『転生』する以前にも、すでに『
しかし、フルダイブ型の『VRMMORPG』はまだ実用化には至ってなかったのだが、当然ながらアキトが
その世界初のフルダイブ用『VRMMORPG』・“The Lost World~虚ろなる神々~”は、王道の『剣と魔法のファンタジー』を『コンセプト』に設計され、『中世ヨーロッパ風』の『世界観』を舞台に、『プレイヤー』は『運命に導かれた者』として、『光の軍勢』と『闇の軍勢』との争いに巻き込まれていく、と言う『ストーリー』だった。
フルダイブ型『VRMMORPG』の大事なロンチタイトルとして期待されたそれは、『
『プレイヤー』の『種族』こそ、『人間』に限定されているが、キャラメイクによる『アバター』はそれこそ多彩で、『エルフ風』にしたり、『ドワーフ風』にしたりと『プレイヤー』の好み次第で千差万別であった。
また、『モンスター』を倒していく事で『レベルアップ』する事は基本的に普通の『RPG』と変わらないのだが、『
(例えば、『
・Brave(ブレイブ) 勇敢さ。主に戦士系のソウル。
・Kind(カインド) 優しさ。主に狩人系のソウル。
・Search(サーチ) 探求心。主に魔道士系のソウル。
・Belief(ビリーフ) 信仰。主に神官系のソウル。
・Wild(ワイルド) 野生。主に獣系のソウル。
・Cool(クール) 冷静さ。主に盗賊系のソウル。
にそれぞれ振り分けていく事で最初は基本的な『
『カルマ値』は、その名の通り『
Light(ライト) 善性。
Neutral(ニュートラル) 中立。
Dark(ダーク) 悪性。
があり、『プレイヤー』が起こした行動によって変動する。
つまり、『
これにより、『プレイヤー』の『カルマ属性』によっては所属する軍勢、『光の軍勢』・『闇の軍勢』・『人間種の軍勢』が変化して、出会える『NPC』や『イベント』・『シナリオ』が変化するのである。
『メインシナリオ』や『世界』自体は『プレイヤー』ごとに各々独立しており、基本的に『ソロプレイ』でも攻略が可能だが(ここら辺は既存の『RPG』や『MO/MMORPG』や 『ソーシャルゲーム』の影響を色濃く受けている)、強力な『レアアイテム』や『レイドボス』狩りなどの為にも、『プレイヤー』同士の協力プレイや、逆に『プレイヤー』同士の争いも認められていた。
特に、『世界観』や『カルマシステム』・『自由度の高さ』、また『プレイヤー』が持つ『経験値』や『ソウルポイント』、『アイテム』が奪える事も相俟って、『PK』や『PVP』は、『
ここら辺は、『ヘビーユーザー』や『ライトユーザー』間において、意識の対立があったのだが(所謂『初心者狩り』が初期は頻発したのである)、後のバージョンアップで一定の『レベル差』がある場合は行えない様に調整されたりと『運営』からも一定の解決策は明示された。
それに、所謂『効率』を考えれば、『悪性』系の『
さて、そんな“The Lost World~虚ろなる神々~”には、『トッププレイヤー』が集う『トップギルド』が存在した。
ここで言う『ギルド』は、『プレイヤー』が創設する
前述の通り、ある程度は『ソロプレイ』でも楽しめる様に設計されているが、色々な『プレイヤー』とコミュニケーションを取ったり、競争したり、出し抜いたり、出し抜かれたりは『MMORPG』の醍醐味の一つだ。
その為、『レアアイテム』獲得の為にも『レイドボス』攻略の為にも、また自衛や効率の為にも、『ギルド』の創設や所属は『運営』としても推奨しているが、楽しみ方は人それぞれであり『ギルド』によっても『方針』はそれぞれ異なる。
例えば、『攻略』を第一に考える『攻略系ギルド』や、『探索』をメインにした『探索系ギルド』、ゆるく楽しむ事をメインとした『サークル系ギルド』や、中には『PK』や『PVP』をメインにした『
その中で言えば『攻略系ギルド』の一角であり、“The Lost World~虚ろなる神々~”では『伝説』とも謳われた『トップギルド』・『Lord of The Lost World』の一部メンバーは、その日は久々に10人の幹部級が集まっていた。
『ご無沙汰してま~す。』
『皆さんと集まるのも久々ですよね。』
『“TLW”も大分
『けど“ネトゲ”としてはかなり続いた方ですよ。フルダイブ用“VRMMORPG”の先駆けとしては大成功でしょう。』
『確かに。僕も初めて“ログイン”した時はとてつもなく感動したモノですよ。ま、今は他の“タイトル”も出てきて
『そうですねぇ~。』
とは言え、どれだけ人気を集めた『タイトル』でも終焉は来る訳で、後発の期待値の高い『タイトル』も続々と発表された事もあるが、かつて隆盛を誇った『攻略』もやりつくされた感があるし、目新しい『更新』も皆無になり、『ラストエピソード』と『ラスボス』が発表されると、最後の“お祭り”とばかりに盛り上がって『攻略』され、徐々に“The Lost World~虚ろなる神々~”も過疎期に入っていった。
まぁ、『ネトゲ』で10年近くも人気を博したのだから、十分過ぎる成果とは言えるのだが。
かくいう『LOL』のメンバーも、新たな『移住先』を見付けて、『引退』する者も出始めていた。
その日彼らが久々に集まったのも、ある種『打ち上げパーティー』的なノリもあったのである。
『皆さん、今回は私の呼び掛けに応じて下さってありがとうございます。』
『よっ、ギルド長っ!待ってましたっ!』
『ハハハッ、何ですか、そのノリ?』
『いや、何だか本当に終わってしまうんだなぁ~、と思って、つい。』
『・・・お気持ちは分かります。まだ“公式”から“サービス終了”は発表されていませんが、私も似たような気持ちですからね・・・。』
立派な騎士姿の偉丈夫の『アバター』で登場した『LOL』の『ギルド長』・“タリスマン”は、狩人系の装備で身を固めたエルフ風の『アバター』の男・“N2”とそんな会話を繰り広げていた。
『まぁまぁ、ギルド長もN2さんも、まだ終わったワケじゃないですし、私らの最後の“祭り”が残ってるでしょ?』
『そうですよね。ギルド長の発案した全ての“レイドボスクエスト”の“
しんみりした雰囲気を払拭する様に、“忍者”風の『アバター』の盗賊系『
“The Lost World~虚ろなる神々~”には、『トロフィー』や『実績』・『称号』に加えて、『スコア』も実装されている。
これはやり込み要素の一環ではあるが、一部は特殊な『
ただし、『スコア』に関しては、もちろん初めての『攻略』組、『スコアアタック』の“
今回はあえてそこに着目し、一種の『打ち上げパーティー』的に『LOL』でその“
『しかし、結構厳しくもあるんじゃないか?“
『“アラニグラ”さんの意見も尤もですが、“アイテム”やスキル”・“魔法”をフル活用すれば、それも可能なのでは?かつての“攻略”時は、“消費系アイテム”ならともかく“レアアイテム”や“課金アイテム”の使用までは各々の判断に任せていましたからね。』
『うむ。“ククルカン”殿の言う通りじゃ。これで“最後の祭り”じゃと思って各々の“所持アイテム”を大盤振る舞いすれば、それも可能じゃと儂も計算しとる。・・・と言うか、“アラニグラ”さんも“ククルカン”さんも、相変わらずの“ロール”っぷりですねぇ~。さっきまで普通に話していたのに。』
『・・・それは言わない約束でしょ、“ティア”さんっ!』
『・・・最後までカッコつけさせて下さいよぉ~!』
『あっ、・・・すまん。』
ドッと一堂盛り上がる中、暗黒魔道士系の装備に身を包んだ“アラニグラ”と暗黒神官系の装備に身を包んだ“ククルカン”のやや重度の『不治の病』を発症している二人、通称“厨二病コンビ”は恥ずかしげに顔をしかめる。
その二人にツッコミを入れたのは、自身も“厨二病”の気質を持ちながらも、持ち前の頭脳と豊富な知識から“
『まぁ、“ティア”姐さんも出来ると言ってるんだっ!俺達でやってやりましょうよ、ギルド長っ!』
『そうっすねっ!』
『僕も来年は就活だから、しばらくは“こっちの世界”に来れないしなぁ~。』
血気盛んな青年騎士姿の“アーロス”と、幾何学模様の民族衣装と
と、言うよりも、ここに集まっている時点で皆もやる気十分であった。
“アラニグラ”と“ククルカン”は、“ロールプレイ”の一環として、あえて反対意見を言ってみたまでである。
長い付き合いでその事が分かっているギルドメンバー達は、そこはスルーした。
『皆さんありがとうございます。とは言っても、キツいのは終盤だけですけどね。“クリア”自体は簡単でも、“スコアアタック”となれば話は別ですし。』
『そこは皆で相談しよう。多少マナー違反ではあるが、“最後”じゃし、皆の“データ”を提出してくれ。それで“最速攻略”を考えてみよう。』
コクリと一堂は頷き、『最速攻略会議』を開催するのだった。
まさかこの『選択』が、
◇◆◇
『おおっ!』『そりゃっ!』『いけっ、“ゴーレム”ッ!』
ズシャッと“タリスマン”・“N2”・ドリュース”の波状攻撃で、『本作』の『ストーリーモード』の『ラスボス』にして、最強の『レイドボス』である禍々しくも巨体な『邪神』の身体がよろめいた。
そこを見逃す“ティア”ではなかった。
『“アラニグラ”殿、“エイボン”殿っ!最大火力を叩き込んでやれっ!“ウルカ”殿と“ククルカン”殿は、儂と一緒にありったけの“バフ”を掛けまくれっ!』
『OK!』『了解っ!』『分かったわっ!』『お任せ下さいっ!』
流石に『ラスボス』だけあって防御が高く、『トッププレイヤー』である『LOL』のメンバー達の高火力の攻撃を受けても、『HPバー』の減り方は、確実に減ってはいるが、かなり微妙な感じであった。
しかし、“
ここまでの『スコアアタック』の“
それに『ラスボス』戦も佳境に入って、本当にラストもラストだ。
“アラニグラ”と“エイボン”は、貧乏性な『ゲーマー』に有りがちな「『ラスボス』まで取っておこう」と考えて、結局最後まで使わなかった『かくし球』を事ここに至ってようやく披露した。
『よし、手加減も出し惜しみも無しだっ!喰らえ、“
『“アラニグラ”さんも持ってたんですね、“魔女の祝福”っ!なら僕もっ!“
ズガァァァァンッと、二人の『極大魔法』に呼応して、派手な『エフェクト』がその場に吹き荒れた。
最上位の『魔道士』系、その中でも一部の者だけが持つ『
ただでさえ超高火力持ちである『魔道士』系の『魔法』を一度に二回使用するのと同じ効果がある。
残念ながら、相乗効果は見込めないのだが、それでもその威力は折り紙付きだ。
強力な『レイドボス』戦では、最有力な『ダメージソース』として重宝する『エクストラスキル』である。
ただし、当然ながら『MP』の減り方が尋常じゃなく(当然二回分の『MP』を使う)、またこちらは倍とまではいかないが、『リキャストタイム』も単発で使う時よりも延びてしまう『リスク』がある。
それ故、かなり使い所が難しい『スキル』でもあった。
そして、“アラニグラ”と“エイボン”が使用した『
正確には、『魔法』を倍にする効果なのだが、当然ながら、単発の『魔法』に使うような勿体ない真似をする『プレイヤー』はまずいない。
それに、『魔女の祝福』は『超激レアアイテム』なので、その目撃例も極めて少ない。
ある種の『都市伝説』的であった『超々極大魔法』、それが今、目の前で乱舞した。
『すっげ・・・。』
漏れた声は誰のモノだったのか。
しかし、これほど強力な攻撃を受けても、『邪神』は耐えてみせた。
『HPバー』は物理攻撃で削り切れない程度、魔法攻撃で削り切れる程度の微妙なラインが残っていた。
『スコアアタック』としては失敗か、と誰もが諦めかけた時、“アーロス”が叫んだ。
『任せなっ!“アラニグラ”の旦那と“エイボン”がやってくれたんだっ!俺も“奥の手”を使うぜっ!“
光速の四連撃が吸い込まれる様に『邪神』を襲う。
特殊な『
更に、『エクストラスキル』である『
“アーロス”のその攻撃に驚愕しながらも、誰もが『邪神』の『HPバー』を注視した。
わずかに残ったかっ!、と思った瞬間、『邪神』はなぜか倒れた。
『『『『『『『『・・・???』』』』』』』』
ーcongratulations!ー
『ふぅ~、やりましたねぇ~。“
『あれ?“キドオカ”さん?もしかして“何か”しました?』
『いえいえ、ちょっと“毒”を仕込んでおいただけですよ。あまり効果はないのですが、最後のひと押しにはなったようですな。』
『汚いなさすが忍者きたないっ!って言うか、“ボス系クリーチャー”に“状態異常”有効だったんスかっ!?』
『もちろん、基本的には“ボス系クリーチャー”には“状態異常完全耐性”がマストで付与されているが、儂も“キドオカ”殿に教わるまで知らんかったが、どうやら一定HP以下になると、それも解除される様なんじゃよ。』
『まぁ尤も、効果は薄いので、あえてやる者もいませんからな。知らなくとも無理はありませんよ。』
そんな会話を尻目に、“タリスマン”達はややスッキリしないながらも、結果的には目標を達成したので、喜びを爆発させた。
『ま、まぁ、何にしても、“偉業”達成ですよっ、ギルド長っ!』
『そ、そうですよねっ!皆さんご協力ありがとうございましたっ!』
『いやぁ~、それにしても凄い威力でしたねぇ~、“
『ま、もう使えないけどな。』
『“魔女の祝福”は入手困難ですもんねぇ~。噂では“課金”でも入手可能らしいんですが、こちらも排出率はそうとうシブいみたいで・・・。』
『ある種“チート”染みた威力ですから、それも致し方ないですよね。』
『“
『結構“
『あっ、その時点でかなり入手困難な事は分かりました・・・。』
ワイワイと最後の戦闘の感想を言い合う『LOL』。
と、ここで、通常とは違う『
『
〈ーーー見事なり、勇者達よ。そなたらの“栄誉”を讃え、『新たなる世界』へと招待しようーーー〉
ゴゴゴゴッと、『
『な、なんだなんだっ!?』
『・・・も、もしや、全ての“スコアアタック”で“
『おいおい、まだ俺らを楽しませてくれるのかよ、“TLW”はっ!』
『これ、まず間違いなく我々が“初”ですよっ!』
『こうしちゃいられないっ!“引退”した人達にも報せないとっ!』
『まぁまぁ、まずは行ってみないと・・・。』
眩しい『光』に混乱しつつも、『
ーまだ見ぬ『新しい世界』へー
それは、“The Lost World~虚ろなる神々~”を初めて『プレイ』した時の感覚に似ていた。
ただし、『
『光』は更にその眩しさを増していった。
いつしか、『
その日、『現代日本』において、フルタイブ用『VRMMORPG』に接続したままひっそりと息を引き取った、死因が原因不明の遺体が
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