第17話 集結する仲間達 2



僕は、『仕込み』を済まして、南側の跳ね橋付近でアイシャさん達の到着を待っていた。

あの後、『憲兵』の皆さんに『討伐隊』への志願者の件と、『鬼人族アイシャさん』と『エルフ族ティーネ達』の避難の件を話したのだが、前半は快諾されたが、後半は難色を示されたのだ。

確かに、現状では無闇に橋を上げ下げ出来ないのは理解出来るが、『人間』が避難して来たらおそらく受け入れたであろう。

どうやら、僕が思う以上に『ロマリア王国この国』の『他種族』に対する差別意識は根が深い様だ。

それでも、『憲兵』の皆さんも、申し訳なさそうにしていたので、まだ救いはあるかもしれないが。

とにかく、ここでごねても仕方がないので、アイシャさん達をレイナード達の『秘密基地』に避難させる事にした。

『受け入れ』に難色を示された以上、例の抜け道から無理矢理中に入ると後々問題になるからなー。

『ルダ村』に入れないのなら、身を隠すにはあそこはうってつけの場所である。


「おっ、来たな。」

「アキトっ!!」

主様あるじさまっ!!」

「伝令ありがとう、ユストゥス。皆も、色々変更して悪かったね。」


アキトは労を労いながら、現状を説明した。


「って訳で、『ルダ村』内には入れないけど、比較的安全な場所に案内するよ。食料と水も用意したから、休憩すると良い。」

「分かったっ!で、『モンスター』達の『討伐』は、どういう段取りでするの、アキト?」

「ハンスとジークに『囮役』として『ルダ村』に『モンスター』達を『誘導』して貰っている。あそこに見える森から出てきた所で、僕が『ポイント』に誘い込み『一撃』加える。その後は、皆や『ルダ村』の『討伐隊』に残りをお願いする事になるね。」

主様あるじさま、『元奴隷彼女達』は如何致しますか?」

「『元奴隷君達』は、『秘密基地』にて隠れていてくれ。護衛に、メルヒとイーナ、引き続き頼むよ。」

「お任せ下さい、主様あるじさま。」

「わかったよー、あるじさまー。」

「アイシャさんとティーネとユストゥスは、僕が『先制攻撃』したら討伐に参加してくれ。」

「「はっ!!」」

「アキト、『奥の手』を使うんでしょ?私達が参加する必要あるのかなぁ~・・・?」

「アイシャさん、僕の見立てでは、せいぜい6~7割倒すのがやっとだと思うよ。僕も、1000体を越える規模の軍勢と戦った事がないから、何とも言えないけど・・・。」

「それでも、6~7割は倒す自信はあるんだ・・・。」

「まあね。」


アイシャさんは、呆れた様子で呟く。

エルフ族ティーネ達』は、キラキラした眼差しで僕を見ていた。

ユストゥスだけは、苦笑していたが。

そんな事をしながら、僕等は例の『雑木林』の『秘密基地』に移動したのだった。



『秘密基地』といっても、特段変わった物がある訳ではない。

緊急避難用兼物置用の粗末な小屋がある程度だ。

まぁ、子ども達レイナード達にとっては特別な感じがするかもしれないけどねー。

僕も子どもの頃に、仲間達とこんなような場所に『秘密基地』を造って怒られたモノだ。

ま、今も子どもなんですけどねー。

僕等は、枯れ木と枯れ葉を集めて、焚き火を起こして朝食の準備をしていた。

この世界アクエラ』における『主食』は国によって様々だが、『ロマリア王国この国』では、『小麦』が主流である。

それ故、ロマリア王国は『パン』が『主食』となる。

そうなると、『元日本人』としては、そこまで思い入れがあった訳でもないが、やはり『米』は恋しくなる。

西側の国々では『米』が主食の所があるそうだが、所謂『日本米』の様なモチモチした食感の『米』ではなく、バサパサした食感の『米』の様である。

まぁ、僕は『米』以上に『麺』が好きなので、『小麦』が主流の『ロマリア王国この国』との相性もそうは悪くない。

まぁ、機会があれば、『こちらアクエラ』の『米』も食べてみたいし、『稲』を持ち帰って独自に研究するのも面白いかもしれないけどねー。

まぁ、それはともかく。

僕個人に特別な知識はなくとも、僕には『おっぱい女神チートめがみ』ことアルメリア様がいる。

彼女に色々教わって作った『乾麺』を使って、僕は朝食を作っていた。


「あ、あの、ア、アキト、様。この度は、私達を助けて頂いて、あ、ありがとうございましたっ!」

「「ありがとうございましたっ!!」」

「うん?」


おどおどとした表情で、僕の様子を窺う様に『元奴隷』の『エルフ族』の女の子達が話し掛けてきた。

僕の目からは、10代前半、アイシャさんと同じくらいの年頃に見えるが、『エルフ族』の年齢は見た目とは違うから実年齢はわからない。


「礼ならティーネ達に言ってあげて下さい。僕は彼女達に協力しただけです。それよりも、身心共に疲弊してるでしょうに、大変な事に巻き込んでしまって申し訳ない。この件が片付いたら、『シュプール』にてゆっくり療養して下さいね。」

「「「は、はいっ。」」」


これまでの環境的に、『男』には恐怖感があるだろうが、僕は見た目は子どもなので、わりと大丈夫みたいだな。

出来るだけ柔らかく接しながら、僕はそう思った。

『元奴隷』の3人の女の子達は、アルマ・エーヴァ・スヴィと名乗ってから、僕の作業を無言で眺めていた。

なんだかやりにくいが、邪険に扱う訳にもいくまい。

今は、彼女達の好きな様にさせておこう。

それに、焚き火の炎は『精神安定』に効果的だとか、どこかで聞いた覚えがあるし・・・。


「あるじさまー。いいにおいー。」

「そうでしょ?アキトは料理上手なんだよっ!」

主様あるじさまは、なんでも出来るんですねっ!」


そこに、イーナとアイシャさん、メルヒも加わる。

ティーネ達の見た目は、20歳前後で、それはイーナも同じなのだが、彼女だけはなぜか子どもっぽい印象の話し方をする。

いつの間にか、アイシャさんは皆と仲良くなっていて、僕の事を自慢気に話していた。

出来れば、本人のいない所でやってほしいです、恥ずかしいので。

羞恥プレイ状態の所に、ティーネとユストゥスが小動物を狩って帰って来た。

『雑木林』内の様子見がてら狩って来たらしい。


主様あるじさま、こちらの肉も使って下さい。」

「い~いニオイだぜ。一晩中走り回ってたから、腹へっちまったよ。」

「ありがとう、ティーネ。ユストゥス、もうすぐできるから待っててくれよ。」


非常にワイルドだが、ティーネは手馴れた様子で『ウサギ』っぽい小動物を素早く解体していった。

『エルフ族』にとって、『狩り』は日常茶飯事なので、それに対する忌避感はないみたいだな。

アルマ・エーヴァ・スヴィを眺めながら、ふとそう思った。

『肉』を鍋に投入して、気付くと皆で手分けして、木製の皿の上にパンを、木製のカップにミルクを注ぎ、朝食の準備が済んでいた。

完成した『僕特製スープ麺』を皆に配り、僕は音頭を取った。


「それでは、自然の恵みに感謝して、いただきますっ!」

「「「「「「「「いただきますっ!!!!!!!!」」」」」」」」


アイシャさんはともかく、他の皆にはそういう習慣はないだろうが、僕の真似をして手を合わせて唱和してくれた。

うん、何となくしっくり来るなー。


「ハフッハフッ、あるじさん、これメチャクチャウメーよ。」

「おいし~い。」

「何だか、活力が湧いてくる感じがしますね。」

「素材が良いのもあるけど、特製の『隠し味』が効いてるんだと思うよ。胃に優しくて、身体に良いんだ。」

「そうなのですか。参考までに、どんな物を使ったのかお聞きしてもよろしいでしょうか?」

「ティーネ、それは止めておいたほうが・・・。」

「なぜだ、アイシャ殿?」

「世の中には、知らない方が幸せな事もあるよ・・・?」


アイシャさんは遠い目をしてそう言った。

疑問符を浮かべながら、ティーネ達は僕の方を見た。

う~ん、『エルフ族彼女達』なら大丈夫だとは思うが、アルマ達もいる事だし、今は伏せておこう。


「それは企業秘密ナイショという事で。」

「はぁ、主様あるじさまがそう仰るなら・・・。」


多少気にしつつも、美味しい食事の前ではその興味も長くは続かなかった様である。

ちなみに、どんな『隠し味』かと言うと、所謂『ゲテモノ』のたぐいのモノだ。

『昆虫類』や『爬虫類』・『両生類』などの『小動物』を干して乾燥させ、粉末状にする。

それに、『冬虫夏草』の様な『菌糸類』や『薬草類』をブレンドさせて作る『漢方』や『薬膳』に近いモノである。

アイシャさんがその作業風景を見た時の絶望した表情は忘れられない。

意外と(失礼だが)、乙女っぽい反応だったなぁー。

見た目はアレだが、効能と味は保証書付きなので、その事実は彼女の中で『無かった事』にした様だが。

こちらアクエラ』では、更に各種『ステイタス』の一時的な底上げの効果もある。

日常的にバランス良く摂取して『訓練』などをすると、『レベルアップ』時にボーナスが加算されるそうだ。

ま、要するに、美味しく食べて、健康的でしかも強くなれちゃう、と言う訳である。


「おかわりもあるけど、ハンスとジークの分も残しておいてくれよ?」

「うっす。」

「はぁ~い。」


やはり、男のユストゥスが一番よく食べる。

その次は、アイシャさんで、他の皆はおかわりしないでも良いみたいだな。

そんな事を考えている時、ふと『気配』を感じた。


「変だな。『モンスター』の『気配』ではないし、『討伐隊』の面々はこちらには来ないハズだが・・・?」


皆も若干警戒しながらも様子を窺っていた。

そうしていると、騒がしいが聞こえてきた。

まさかねー?


「思ったより、静まり返ってるね。」

「もう、『討伐隊』に倒されちゃったのかな?」

「異変が無いなら、いいんじゃないか?」

「そうだね。これで、問題なく『抜け道』も使えるしね。」

「とりあえず、『秘密基地』の様子だけ見て戻ろうか。」

「お前らっ!?何でこんな所にっ!?」

「「「「「アキトっ!?」」」」」


・・・やっぱりレイナード達であった。

『抜け道』と言う単語が聞こえたが、まさか抜け出して来たのか?

『ルダ村』内で、情報の共有が上手く機能してないのかもしれないなー。

僕は、一番現状を説明出来そうなリベルトとケイアに目配せをする。

彼らは、『他種族』の存在にびっくりしつつも、ポツポツと事情を説明してくれた。


「なるほどね・・・。『抜け道』の安全確保と、『秘密基地』の様子を見にね・・・。」


やっている事は先走っているが、まぁ、理解出来なくはない。

もちろん、子ども達彼らがやるべき事ではないが・・・。


「それよりアキトの方こそ、こんな所で何やってんだよ~!?」


僕の若干の『呆れ』のニュアンスが伝わってしまったのか、レイナードは少し不貞腐れた様に聞いてきた。


「ちょっと事情があってね。これから『モンスター』の『討伐』に参加するのさ。全員ではないが、『彼女達』もね。」


僕は、少し離れた位置にいるアイシャさん達を見てそう言った。


「はっ!?『討伐』に参加するっ!?」

「本当なのっ!?アキトっ!?」

「あ、ああ。ダールトン村長もドロテオギルド長も了承済みだよ。」


レイナード達は驚き、ケイアが僕に詰め寄って来たので、そう返した。


「まぁ、そんな訳で、お前らは『モンスター』達が来る前に・・・。」


そう言いかけた時、何とも言えない感覚に陥った。

全身が粟立つ様な、おぞけの走る様な感じだ。


「ヤバ、もう来たのかっ!今から戻すのはマズいかも・・・。アイシャさん、ティーネ、悪いけどレイナード達の事を頼むよっ!」

「アキトっ!?」

主様あるじさまっ!?まさかっ!?」

「ああ、『モンスター』が近づい来てる。僕は行かなきゃなんないから、後の事は頼むよ。メルヒ、イーナ、アルマ達と悪いけど、レイナード達の護衛も頼むよ。レイナード達はここから動くんじゃないぞっ!?後は段取り通りに。」


はぁ、思った通りには事は進まないなぁ。

まぁ、当たり前だけどねー。

レイナード達は何か言いたげだが、今は構っている余裕はない。

僕は、素早く装備を確認して、『雑木林』を飛び出した。



僕は、『魔獣の森』と『ルダ村』とを繋ぐ森林付近まで来た。

ここは『ルダ村』を一望出来る開けた場所である。

ここまで来ると、明確に『モンスター』達の濃厚な多数の『気配』を感じられる。

と、そこに森林から飛び出して来た影があった。

ハンスとジークだ。

僕は、彼らを確認すると声を掛ける。


「ハンス、ジーク。ここまでご苦労様。」

「「主様あるじさまっ!!」」

「おかげで『仕込み』も済んだ。ちょっと問題もあるけど、君達は離脱して休んでいてくれ。あそこの『雑木林』が見えるかい?あそこまで後退してくれ。ティーネ達がいるから。」

主様あるじさまはどうされるのですか?」

「僕は、『ポイント』まで『モンスター』達を引き付けて『討伐』を開始するよ。『ルダ村』の協力も得られたから、『討伐隊』も控えているし、心配ないよ。」

「分かりました。少し休憩したら、我らも『討伐』に参加したいと思います。」

「うん、助かるよ。じゃ、よろしくね。」


僕は、2人に簡単に説明して、彼らから『モンスター』達の『ヘイト』を引き継ごうとした。

が、なぜか僕を認識した瞬間、『モンスター』の『殺気』が僕に一斉に向けられた。

なんだっ!?

こんな『特殊能力』持っていたっけ?

まぁ、今回の場合はこちらとしては都合が良いが。

僕は、気を取り直し、『ポイント』に向けて駆け出した。

ハンスとジークは、上手い具合に後退出来た様だな。

さあ、ここからが本番だ。



◇◆◇



「レイナードっていったっけ?私はアイシャ、アイシャ・ノーレン・アスラ。見ての通り『鬼人族』で、アキトの、まぁ、『同居人』だねっ!よろしくねっ!」


アイシャは、『秘密基地』に残されたレイナード達に話し掛けていた。

『他種族』が忌避される傾向にある『ロマリア王国』だが、子ども達はまだその考えに染まりきってはいない。

レイナード達も、初めて見る『他種族』におっかなびっくりしつつ、アイシャの人懐っこい『雰囲気』に多少心を開いた。


「俺は、レイナード。」

「バネッサだよっ!」

「お、俺、テオ、です。」

「僕はリベルトです。」

「私はケイアです。」

「うん、レイナードにバネッサにテオにリベルトにケイアだねっ!覚えたよ、よろしくねっ!」

「私は、『エルフ族』のエルネスティーネ・ナート・ブーケネイアだ。長いので、ティーネで良いぞ、主様あるじさまの友人の諸君。」

「私は、メルヒです。」

「わたしはー、イーナだよー。」

「俺は、ユストゥスだ。よろしく。」


一通り自己紹介を終える。

元奴隷アルマ達』は、まだアキト以外の『人間』には近寄れない様子で、その輪からは外れていた。

レイナード達も、『元奴隷アルマ達』の事は多少気にしつつも、会話を続けていた。


「アキトはどうしたんだろうな?急に飛び出して行ったけど・・・。」

「私もまだ感じ取れないけど、『モンスター』達が近づいているみたい。レイナード達は、危険だから『雑木林ここ』から出ないでね?『ルダ村』に戻った方が安全なんだろうけど・・・。」


『雑木林』の外側からアキトの様子を見る一同。

その時、アキトはハンスとジークと合流した所だった。

その後に、大量の『モンスター』達も現れた。


「うわぁっ!!!」

「な、あ、あれが『モンスター』かっ!!!」

「アキトっ!!!危ないっ!!!」

「やっぱり、『雑木林ここ』から動かない方が良いねっ!」

「そんな事言ってる場合じゃないですよっ!アキトがっ!!!」

「心配いらないぞ、主様あるじさまの友人達よ。主様あるじさまは、あの程度ではやられたりはしない。」

「あ、貴女方は行かれないのですかっ!?」

「確かに、本来ならあるじさんの剣となり盾となるのが俺らの役目だけど、場合によっちゃあ、あるじさんの邪魔になるからなぁ・・・。『一撃』加えるまではここで『待機』の段取りだし・・・。」


レイナード達(+『元奴隷アルマ達』)と、アイシャ達には温度差があった。

怯えた様子でアキトを見守るレイナード達に、ハラハラとアキトを見守るアルマ達。

アイシャ達は、こちらに後退してくるハンスとジークを眺めていた。


「ハンスとジークが戻ってくるな。この『スープ麺』とやらを暖め直してやるか。」

「パンとミルクもまだまだあまってるよー。こどもたちもたべるー?」


緊張感の無い様子でユストゥスとイーナは、食事の準備を再び行っていた。


「ハンス、ジーク、任務ご苦労様でした。」

「お疲れ様っ!」


少し疲れた表情のハンスとジークを労うティーネとアイシャ。

ハンスとジークは、子ども達レイナード達と、食事の準備を行っているユストゥスとイーナを見て言った。


「これは、どういう状況?」

「分からん。」



◇◆◇



ニルは、アキトの様子を少し離れた高台から見ていた。

『魔獣の森』にて、『失われし神器ロストテクノロジー』・『召喚者の軍勢』を使い、辛くもアキト達から逃れたニルだったが、そのまま逃走せずにこんな所にいるのには理由がある。

『至高神ハイドラス』から『神託』を受けたのだ。

ニルは、今回の件で初めはしゅに見捨てられるのではないかと狼狽したのだが、『至高神ハイドラス』の反応は違っていた。


ー『失われし神器ロストテクノロジー』の『力』と『英雄』の『力』を見届けよ。ー


咎められるのではなく、偶発的ではあるが『発動』した『召喚者の軍勢』の『力』と、『英雄』の『力』を見届けろと言われたのだ。

ニルや『ライアド教』の『巫女』、他の『血の盟約ブラッドコンパクト』のメンバーは知らない事ではあるが、『至高神ハイドラス』は『信者』達の『目』を通して物事を知覚している。

『物質世界』とは異なる『アストラル界』に身を置く『至高神ハイドラス』は、そうやって情報を収集して、『神託』と言う名の『指示』を出し、『信仰』を集めているのだ。

もちろん、アキトの様な『特殊な存在』や『強者』の存在を感じる事は出来るが、詳細まではいくら『神』と言えども無理な事である。

世界の記憶アカシックレコード』にアクセスして情報を得ると言う手段もあるのだが、『一級管理神』クラスでないとアクセス権限を持たない。

『土着神』である『至高神ハイドラス』には不可能な事だった。

故に、『信者』の『目』を利用すべく、ニルに見届けよさせようとしているのだ。


しゅが何をお望みかは分かりかねますが、そうせよと仰られたのなら、私は見届けるのみでございます。」


舞台は、アキトが『モンスター』達の『ヘイト』を、ハンスとジークから引き継いだ所であった。


「さあ、見せて頂きましょう。『英雄』の『力』とやらを・・・。」


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