2 急展開
後ろの席についた転校生。神崎楓。と。なぜ俺はこうなったのか。そう思いながら一緒に学校の中を案内していた。
こうなったきっかけは約4時間前の先生の一言がきっかけである。朝のホームルーム。
「じゃあ、神崎の学校案内を誰かにやってもらおうと思うんだが誰かやってくれる人は。。。って思ったが、選ぶの面倒くさいから前の席にいる坂井。お前やっとけ」この面倒くさいからという理由により俺は学校案内をしなければいけなくなった。
今日は学校が午前で終わるから早く帰れると思っていた俺だが放課後に学校案内である。気分は沈んでいった。
放課後になり、神崎さんと学校を歩き始めた。当然他の生徒はほぼいない。
「えーと、ここが音楽室ね。隣が教材室になってるから。」
「うん、わかった。」
淡々と進んだ。特に話をするわけでもなく。
「あ、屋上は危ないからって理由で鍵閉められていけないから」
「うん、わかった。」
「生徒会室も重要な資料があるとかなんとかで鍵閉めてるらしいから、生徒会に用があるときはここにくるんじゃなくて生徒会の人に会った方がいいよ」
「うん、わかった」
うん、わかった。しか言わないのはなんでだろーか。まぁ、面倒いから聞かないけど。
あとは体育館の行き方だなと思い階段を降りようと思い角を曲がると。最後の友人である猪俣渚にあった。
「あれ?さっくんじゃん!こんなところで何してるの!?」
「それはこっちのセリフだ。俺は見ての通り神崎さんの学校案内だ。」
そう言うと渚は後ろにいた神崎さんを見た。
「へぇー、そっかー」と言いつつニヤニヤしている渚を怪訝な表情で見た。
「こんにちは!私は猪俣渚!さっくんの彼女でーす!」
神崎さんは驚いた表情をした後
「そ、そうなんですか。神崎楓です。。
よろしくお願いします。」とお辞儀した。
「おい待て渚。いつお前が俺の彼女になった?嘘はやめておけ」
「えー、つまんなーい!」
「面白さを求めるな。神崎さん。こいつが言ってることは嘘だから信じないでね。」
そう渚の言った言葉を否定した。
「あ、そ、そうなんだ。わ、わかった。」
なぜか口角が少し上がった気がするのは気のせいだろう。
「じゃあまだ案内しないといけないから、じゃあな渚。」
「うん!ばいばーい!」
そう言って渚と分かれた。体育館までの道のりを教えて案内が終了した。
「じゃあ、これで」
帰ろうとすると、制服が引っ張られた。
振りかえると神崎さんが
「私も渚さんみたいに名前で呼んでくれませんか?」と上目遣いで頼んできた。
「はい??」何を言ってるのか思考が停止した。
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