君に惚れるまでの時間は長いようで短い。
招き猫
1 出会い
朝、学校へ向かう道中で公園のベンチに座る一人の女性を目にした。肩にかかるくらいの茶色の髪に眼鏡をかけ俺と同じ制服を着ていた。その彼女の顔はちょうど木の影で見えなかった。話しかけようと思ったが腕時計を確認し、学校への道に顔を戻し歩き始めた。
席に着くと、イケメンと言う言葉が似合う男に肩を組まれた。友人である後藤海斗である。
「なぁ聞いてくれよ!坂井!!また彼女と喧嘩しちまったよぉー!!」
こいつとは、小さい頃からの腐れ縁である。
しょっちゅう彼女と喧嘩しては泣きついてくる。
「はいはい、おつかれー、カツカレー」
「うわ、でたよ。朝から面白くないぞ坂井」
後藤が、こう言う話をしてくると決まって俺はつまらない一言で話を終わらせる。
「そーいやさ!転校生くるらしいぞ!」
「いきなり話を変えすぎだぞ。それに興味ない」
「そんな釣れないこと言うなよー!」
俺はあまり他人に興味がない。いや、その言い方は語弊があるかもしれない。俺の友人関係は最低限でいいと思ってるからあまり周囲と仲良くしていないだけである。後藤の他にあと2人いるが、まぁ、すぐ出てくるから紹介はしないでおこう。
「なぁ。坂井。お前さ、彼女作らないの?」
「お前、またその話か。前にも言ったが俺はそう言うのは無理だ。」
「もったいなぁー。どうせまた呼び出しあるぞ?」
「人のことよりお前は、早く仲直りしろ。」
話を誤魔化してその話を強制終了させた。後藤が言うように俺は告白をされる。ただ、面倒だと思い今まで全て断っている。俺が気になったのはあの人くらいだからな...と心で思っていると先生が教室に入ってきた。
「やべっ」後藤はそう言うと自分の席に戻っていった。
「みんな、おはよう。今日の予定だがな。」
先生が予定を言おうとしているにもかかわらず、
「先生!転校生くるって本当ですか!?」
後藤が割り込んで聞いている。
「はぁ。さすが後藤だな、情報がはやい。」
めんどくさそうなに言葉を返す先生。
「じゃあ、早速だが紹介するか。入ってきていいぞ」
ガラガラと教室の扉が開けられ、一人の女子が入ってきた。
「神崎楓です。よろしくお願いします」
その名を聞いた瞬間俺は驚いた。それと同時に「いや、まさかな。」とも小さく言葉に出して思った。そのことを確認するかのように、「神崎さんってあの女優の神崎楓さんですか!?」と友人の2人目、佐野正吾が訪ねた。
ね?言ったでしょ。すぐ出るって。
佐野正吾はサッカー部に所属していて、まぁ、それなりに上手いらしい。こいつとは中学からの付き合いである。(詳しい情報は後々)
その質問に対し、「いいえ、違います。」
と、あっさりと返されていた。俺も心の中でだよなって思いながら聞いていた。
「じゃあ、これから神崎と仲良くしろよ。じゃあ神崎は、あいつの後ろの席な。」と指で指し示す先には俺がいた。
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初めての作品で不甲斐ない点があると思いますが努力していきます。よろしくお願いします。
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